VAMPS SINGLE「VAMPIRE’S LOVE」ディスクレビュー

VAMPIRE’S LOVE

SINGLE

VAMPS

VAMPIRE’S LOVE

Delicious Deli Records

2014.10.08 release

初回限定盤A <CD+DVD>
初回限定盤B/写真 <CD+ストーリーブック>
通常盤 <CD>


名曲を運命づけられた“VAMPSバラード”

 最新鋭のヘビーロック、フックのあるメロデイを軸にした前作「GET AWAY / THE JOLLY ROGER」に続くニュー・シングル、その名も「VAMPIRE’S LOVE」が到着。映画「ドラキュラ ZERO」日本版のイメージソングに起用された表題曲は、壮大なストリングを交えたロック・サウンドとドラマチックなボーカルラインがひとつになったナンバー。この曲は間違いなく、「SWEET DREAMS」(’08年)と並ぶVAMPSバラードの代表作として認知されることになるだろう。 

 周知のとおり、VAMPSというバンド名は“ヴァンパイア(VAMPIRE)”に由来する。人間の血液を吸い、永遠に生きることを宿命づけられているヴァンパイアは、小説、映画などの題材として古くから取り上げられてきた(日本の小説に限っても、江戸川乱歩、横溝正史、赤川次郎など錚々たる作家がヴァンパイア/ドラキュラをテーマにした作品を残している)。つまりこのモンスターはクリエイターの創作意欲を大いに刺激する存在なのだが、なかでもVAMPSはヴァンパイアが持つイメージ──圧倒的な攻撃性、根源的な悲しさ、不老不死──を色濃く反映させてきた。そんな彼らがヴァンパイアをモチーフにしたバラードを生み出したのだから、これはもう名曲であることを運命づけられていると言っても過言ではない。

「VAMPIRE’S LOVE」の魅力の中心にあるのはもちろん、HYDEのボーカルだ。クラシカルなピアノのフレーズに導かれ、HYDEはまず、静謐なメロディを優しく紡ぎ出す。楽曲が進むにつれて徐々に感情の度合いを高め、“Stray dream of you lit the chain of stars to find the way”というサビのフレーズともに一気に解放される──その瞬間に訪れるカタルシスこそが、この曲のすごさだと思う。美しく洗練された旋律を、ロック的なダイナミズムをまったく失うことなく表現するHYDE。彼が日本の音楽史上、もっとも優れたロック・シンガーのひとりであることは疑う余地がないだろう。

 HYDEのボーカルを引き立たせながら、この曲の切ないストーリー性を増幅させるK.A.Zのギター・プレイも印象的。VAMPS史上、もっとも美しく、もっとも悲しいバラードをぜひ、心ゆくまで味わってほしいと思う。
 

(森 朋之)

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