U-zhaan ALBUM「Table Rock Mountain」ディスクレビュー

Table Rock Mountain

ALBUM

U-zhaan

Table Rock Mountain

Golden Harvest Recording

2014.10.08 release

限定盤 <CD/特殊ジャケット仕様>
通常盤 <CD>


タブラとU-zhaanの魅力が炸裂する初ソロ・アルバム

 先日、東京・六本木の老舗ジャズクラブ“ALFIE”でピアニストの丈青(SOIL&”PIMP”SESSIONS/J.A.M)とU-zhaanのデュオ・ライブを観に行ったのだが、至近距離で体感するU-zhaanのタブラ演奏は本当に素晴らしかった。10本の指と手のひら、拳を巧みに使い分けながら生み出される有機的なリズム、そして、芳醇な響きを持ったメロディ(タブラって、ちゃんと音程を表現できるんですよ)によって、丈青のピアノと心地よく絡み合う──いや、本当に興味深い音楽家だなと改めて思った。

 インドの伝統楽器“タブラ”の第一人者、U—zhaan(ユザーン)がタブラ人生10数年にして初めてのソロ・アルバム『Tabla Rock Mountain』をリリース。前述のライブのMCでも「アルバムの曲はほとんど、ほかの人とのコラボ。自分ひとりでやるとカレー屋みたいになっちゃうから(笑)」と言っていたとおり、本作にはありえないほど豪華で幅広いアーティストが関わっている。日本最高峰のラッパー、環ROYと鎮座DOPENESSが参加したヒップホップ・チューン「Tabla’n’Rap」、ハナレグミの叙情的なボーカルに涙腺が緩みまくる「俺の小宇宙」、タブラの土着的ビートとDE DE MOUSEの最新鋭エレクトロニカが絡み合う「Flying Nimbus」、坂本龍一自らが参加した「Technopolis」(YMO)のカバー、Corneliusとのセッションから生まれたチルアウト系ナンバー「Homesick in Calcutta」。……ね、すごいでしょ? 言うまでもなく、演奏テクニックの高さと抜群のセッション・センス、誰にでも愛される人柄を持ち合わせていないと、こんなアルバムは絶対に実現しない。ここまで幅広いジャンルの音楽に順応できるタブラ奏者はおそらく、世界でも彼ひとりだろう。

 限定盤は“オリジナルプリントによる布張り、箔押し、パプリカやターメリックによる香辛料印刷等を駆使した特殊ジャケット仕様”ということで(現物を手にしていないのでなんとも言えませんが。笑)なんだかすごそう。この機会にぜひ、タブラという楽器とU-zhaanという人間の強烈で奥深い魅力に触れてみてほしいと思う。

(森 朋之)

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