クリープハイプ – 初のホール・ツアー“八枚目でやっと!九枚目でもっと!”が9月17・18日のNHKホールでファイナルを迎えた。その模様をレポートする。

クリープハイプ

8月9日、尾崎世界観の地元でもある東京・葛飾からスタートしたツアー“八枚目でやっと!九枚目でもっと!”。彼らにとって初のホール・ツアーとなった本ツアーも、全国14ヵ所16公演を廻り、ついに9月17・18日のNHKホールでファイナルを迎えた。彼らがこのツアーで得たものはなんだったのか? その答えが凝縮されているであろう最終日18日の模様をレポートする。

TEXT BY 河口義一(WHAT’s IN? WEB)/PHOTOGRAPHY BY 神藤 剛


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ここからは4人の世界。各々が儀式のように力強い握手を交わした

「今まで見せたことのない最高のライブをするので、今まで見せたことのない最高の顔を見せてください」。

尾崎世界観がライブの冒頭で語ったこの言葉には、会場を沸かせるためのあおりだけじゃない想いが込められている。彼はこのツアーが始まる前から、「今回のツアーに来ることを選んでくれた人たちに、自分たちの音楽をきちんと伝えなければいけない」と語っていた。それは大げさに言えば、脅迫観念ともいえるくらいの切実さがあったということだ。クリープハイプを好きになってくれた人たちの期待を裏切りたくない。そのために最高の音楽は作った。あとはライブで伝えるだけ。でもそれがちゃんとできるだろうか……。そんな想いを尾崎だけでなく、4人共が抱えながら全国を廻ってきたツアーがいよいよファイナルを迎える。ツアーの総決算ともいえるこの日、絶対に自分たちの音楽を、そして最高のステージを届けてみせる。そんな決意に満ちた冒頭の言葉を語った彼らの横顔を、僕はステージ袖から眺めていた。
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この日は15時半くらいに会場を訪れた。NHKホールの2日目、そしてこのツアーの最終日。会場に入るとすでにステージから音が聴こえる。ステージをのぞくと小泉 拓と小川幸慈がサウンド・チェックをしている。楽屋では尾崎と長谷川カオナシが、準備を整えていた。最終日特有の緊張感がもっとあるかと思ったが、そんな空気を感じないのは、前日のライブが納得いくものだったからだろうか。そして、しばらくして4人がステージに揃い、リハーサルが始まった。同じ会場での2日目とあってスムーズに進行していくが、それでも演奏し慣れたナンバーの歌い出しを何度もチェックしたりしている。彼らのリハーサルは、ライブの演出などの確認だけではなく、ほかのバンドと比べてかなり本気度が高い演奏をする。だからリハーサルにも関わらずつい引き込まれてしまうが、それが本気度だけの問題でなく、彼らのバンドとしてのアンサンブル力が、このツアーでさらに増したからなんだということにも気づかされた。
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40分ほどでライブのリハが終わると、続いてこの日、「私たちのハァハァ」という映画の収録のためのリハーサルが始まる。この「私たちのハァハァ」は、クリープハイプのミュージック・ビデオなどを手がける映像クリエイター、松居大悟が監督を務める映画で(2015年初夏に公開予定)、クリープハイプのファンである女子高生4人が、福岡から東京をめざすという青春ムービー。その一場面が、この日の本番中に撮影されるとのことらしい。

すべてのリハーサルを終えるとメンバーは、開演までの間、次のシングル(11月5日発売の「百八円の恋」)の初回限定盤特典映像として収録される「くそバレー2014」のためにバレーの練習をしたり(NHKホールのステージ袖はすごく広いスペースになっている)、スタッフと談笑しながら時間を過ごす。
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18時を過ぎた頃、「オンタイム(時間どおり)でスタートします」とスタッフが告げると、本番に向けての緊張感がいよいよ高まってきた。尾崎は発声練習を始め、ほかの3人もストレッチをしたりしながら本番に向けての調整に入る。そして、開演5分前、尾崎が影アナを行うためにスタッフに案内されてステージ袖にあるマイクブースに向かった。メンバーやスタッフが見守る中、彼が開演中の注意事項などの原稿を読むと、会場から大きな反応が返ってくる。その反応にちょっと安心した顔を見せる尾崎。会場の熱度は十分に高まっているようだ。そして、改めて楽屋前のスペースに戻ると、メンバーと多くのスタッフがスタンバイしている。小川が、このツアーの感謝の気持ちと最終日の気合いを込めてなのか、スタッフと抱擁を交わしている。
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定刻の18時30分。スタッフの「さぁ、行きましょう」のひと言でステージ袖に4人が向かった。ここからは4人の世界。メンバー各々が儀式のように力強い握手を交わす。ステージでは、メンバーのコメントを収録した映像が流れ始める。このコメントの一つひとつに会場が沸き立つ。その様子を感じながらステージ袖に立つ4人。手首の柔軟を続ける小泉と小川、脚のストレッチをするカオナシ、ステージのほうをじっと見つめる尾崎。そして映像が終わると彼らはステージに向かった。楽器をスタンバイし、尾崎が冒頭の言葉を放つと1曲目の「寝癖」が始まった。
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