赤い公園 – 亀田誠治、蔦谷好位置、蓮沼執太、そしてKREVAまで! ニュー・アルバム『猛烈リトミック』について津野&佐藤にインタビュー。

赤い公園

赤い公園が秘める可能性をリアルに見せたシングル「風が知ってる / ひつじ屋さん」「絶対的な関係 / きっかけ / 遠く遠く」を前触れに、ついに登場した2ndフル・アルバム『猛烈リトミック』。キラキラと煌めくポップ・チューンが想定外のアレンジで彩られ、初体験のサウンド・スケープへと誘う。亀田誠治、蔦谷好位置、蓮沼執太をプロデューサーに迎え、KREVAとコラボするハイ・クオリティなラインナップに爆弾ジョニーも紛れ込み、振れ幅広く弧を描くブランコさながらに楽しませる15曲。これは光なのか闇なのか。かつて白か黒かと問うた赤い公園からの、新しいメッセージだ。

3ページ目には亀田誠治、蔦谷好位置、蓮沼執太からのコメントも掲載!

INTERVIEW & TEXT BY 今井智子


学びながら作ることで、いいものができる

──先行シングルになった「風が知ってる」「ひつじ屋さん」「絶対的な関係」は破壊力のある曲ですけど、それに負けず劣らず、でもバランスのいい並びで15曲、素晴らしいですね。

津野米咲 うれしい! ありがとうございます。

──津野さん自身がプロデュースした曲もありますけど、シングルからの亀田誠治さんのほかにもプロデューサーさんが入ってますね。蔦谷好位置さんと蓮沼執太さん。その経緯を教えてもらえますか?

津野 去年、亀田さんと、というお話をいただいて、やっていくなかで、自分じゃ気付かない細かいところに気付く人がプロデューサーさんなんだなって。なおかつ、自分が細かくなりすぎちゃったときに、大まかに音楽的に聴き手の気持ちになって考えてくれる人のことなんだって。だから自分が神経質にならずに済んだというか。自分たちの演奏も、自分たちの脳ミソで追いつかないところまで考えようとしてたところを(笑)、みんなで、まず自分の100%を出そうという現実的な部分になっていて、それがちゃんと音にも表れていて、結果すごく激しい、強烈で猛烈なシングルになったんです。「風が知ってる」とかは、ゆっくりな曲ですけど曲の持ってるテンションは高いというか、そういうシングルが続いたので。誰がプロデュースしてるとか誰が編曲してるって、聴く人には本当は関係ないところで、結果的にすごくいいものになってるな、これはまだ自分たちだけじゃできないヤツだなって思って。で、アルバムを作るってなって、“学ぼう!”と。学びながら作ることで、いいものができる。今の私たちは、学んで作っていいものができるんだっていうのをシングルで体験したので、アルバムでもやってみようかなって。それで“リトミック”とつけました。

──“リトミック”って音楽教育のひとつですけど、津野さんもやってたのかな?

津野 やってましたやってました。ヤマハに通ってたんで。

──それで“学ぶ”というテーマに?

津野 それに、学んで体現したものが、自分たちから学びたいという人たちへの提示になるかなと思って。これを聴いて、知らず知らずのうちに、“これ面白い!”っていい勉強になると思うんで。自分たちもめっちゃ勉強になりましたから。亀田さん蔦谷さん蓮沼さん、音楽の先人たちはすごいんだぞっていうのが伝わるかなと思いますね。バンドマンとか音楽やってる人たちにも。

──そうでしたか。“学ぶ”ということで、プロデューサーさんたちを“先生”と呼んでいたそうで。

津野 そうです。あとは、すでにあった3曲が、それぞれ全然違う方向にテンションが高いシングル曲だったので、ほかも1曲1曲ていねいに、その曲が行きたがってる方向にバアーッと連れていくっていうイメージで作れば、全部猛烈な曲が集まると、ちゃんといいアルバムになるだろう、と。ちょい勇気のいる考えだったんですけど。それで“猛烈リトミック”になりました。

ずっと「ファンキー釈迦ソング」って言ってて

──蔦谷好位置さんと蓮沼執太さんも、赤い公園サイドから一緒にやってみたいと?

津野 はい。「お留守番」に関しては、こういう方向だったら蓮沼さんがいいなあと話してて。もっと管(楽器)を入れて、みたいのもよかったんですけど、もともとエレクトロの感じだったので、ぜひ蓮沼さんでって。今ニューヨークに住んでいらして、打ち合わせとかは全部Skypeで。

──かっこいいですね。

津野 最後にそのSkypeをMac Book Airからモニターに出して、そこで記念撮影(笑)。
佐藤千明 みんな指でハートマーク作って(笑)。
津野 それも紹介してすぐですよ! 私が(ほかのメンバー)皆を紹介しますって呼んで、ちょっとトイレに行っている間に、もう仲良くなって撮影してた(笑)。
佐藤 チャーミングな方なんで。
津野 エンジニアさんは葛西(敏彦)さんという蓮沼さんとよく作業されている方で、レコーディングはゴンドウ(トモヒコ)さん。秋葉原のゴンドウさんのスタジオと、蓮沼さんがいるニューヨークのスタジオと、池尻を繋いだミックスだったのでいろいろ大変で、葛西さんがぼそっと、「普通にやりてえ」って(笑)。

──電脳時代ならでは(笑)。蔦谷さんはどうでした?

津野 蔦谷さんの作る曲とか大好きで、頭の中どうなってるんだろう!? と思ってたんですよ(笑)。だからいちばん明るい曲といちばん暗い曲をお願いしようと思って、「NOW ON AIR」と「ドライフラワー」を。あと「108」。

──「108」は、3月にLIQUIDROOM恵比寿でやった自主企画イベントで演奏してましたよね。

津野 そうです。あのときはまだ自分たちだけでアレンジしてたんで、すごいタイトなドラムから歌で始まるんですけど、そこがすごいゴーストノートが入ったルーズなリズムになって。どうやって思いついたんですか? って聞いたら、「お釈迦様が首を前に出してノリながら木魚をこのリズムで叩いたら面白いなって思った」って。そこからアレンジができたって。それで「108」を録ってるとき、ずっと「ファンキー釈迦ソング」って言ってて。「ドライフラワー」は自分たちでやったものとそんなに変わらないですね。「NOW ON AIR」はめちゃくちゃアレンジ詰めていったんですけど、ガラッと変わりました。でも蔦谷さん、「ドライフラワー」をやったとき、もう「NOW ON AIR」のこと忘れてたんじゃないかな、音量差、こーんなだもん(笑)。

──(笑)曲によって全然やり方も違うんですね。

津野 そうですね、私たちも、メロディできました、歌詞できました、よろしくお願いします、っていうのは格好がつかないと思ってて、今までも自分たちでやってきたし。だから自分たちがやってきたなかでの100%はこれです! ってアレンジまで持っていって。私が作ったデモの段階と、みんなでやったリハ音源を一緒に送ってお願いする、一緒にやっていくっていう作業にしたいなって、生意気ですけど、そう思っていて。

──津野さん自身がプロデュースしてる曲もあるってことは、亀田さん蔦谷さん蓮沼さんと同じ土俵に上がるわけじゃないですか。その辺で力が入ったりしませんでした?

津野 どの曲をどの人にっていうのも迷わなくて、自分に振る曲も迷わなかったんですね。これはこのままでいいや、みたいな曲を自分はやったので。今言われてめちゃ緊張してきました(笑)。何も考えてなかった。

──自分でやったのはどんなことをポイントに?

津野 「木」とかは前からあった曲で、デビュー前にバンドでプリプロしてたから。それで最後ひとりでめっちゃピアノ足すみたいな感じだったから楽でした。私がやった曲は、皆で組み立て直したという感じですね。今回はギターをひとりで弾かないで、せーので録った曲も多い。そこがいちばんガラッと変わったところかもしれない。

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