ねごと SINGLE「アンモナイト!/黄昏のラプソディ」ディスクレビュー

アンモナイト!/黄昏のラプソディ

SINGLE

ねごと

アンモナイト!/黄昏のラプソディ

キューンミュージック

2014.09.24 release

初回生産限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


口ベタなねごとが愛のうたをまっすぐに歌う!

 ねごとは、比喩的な表現で、ポエティックに、ファンタジックに、遠回しに愛を伝えるバンドであった。デビュー曲「ループ」では、「丸くなっていく僕ら ワープワープして 月まで行っちゃうよ」と歌い、大ヒット曲「カロン」では「何度夢をくぐったら きみに会えるの」と綴り、ロック・バラード「たしかなうた」では、「不確かな日々だけが 僕らを結ぶ」と訴えていた。しかし、数多くのライブ、イベント、対バン、ツアーを重ね、聴き手との密接なコミュニケーションの必要性を感じた彼女たちは、今、まっすぐに愛を歌うことに、言いたいことを言い切ることにトキメキと情熱を感じているようだ。

 メンバー4人全員が作詞作曲を手がけた、自身2枚目のミニ・アルバム『“Z”OOM』から6ヵ月ぶりとなるニュー・シングル「アンモナイト!/黄昏のラプソディ」は、“恋の両A面シングル”と題されている。口ベタを自認するねごとが、ここまで“恋”を前面に押し出したのは、おそらく初めてのことだろう。なにしろ、ライブですでにパフォーマンスしているパワフルなポップ・ロック「アンモナイト!」の歌い出しが「愛したいきみだけを!」である。「アンモナイト! きみに会いにいかないと どうかしないと 今夜干涸びナイト」「恋は気まぐれな糸」(恋という漢字の語源である<糸し糸しという心>が由来か!?)、「ハートビイト なんか相当タイト」……といった言葉遊びは、ねごとらしくもあるが、それ以上に、今すぐに会いたい、君だけに愛されたいという想いをストレートに込めたラブ・ソングになっているのだ。

 一方、歌謡的なメロディやJ-POPらしい展開(特にサビの入り方)も取り入れた「黄昏のラプソディ」は、実に情景描写に優れた歌詞となっている。白いパラソルが風に舞い、ピンクソーダが揺れる夏の夕暮れどき。まっすぐに見つめ合う“君”と“僕”の耳に、遠くから「IしてるYOUしてるなんて囁くラプソディ」が届く——。力強いメロディで、言いたいことを言い切った歌詞は、ねごとにとってはまたもや新機軸と言っていいだろう。この2曲は。ともにボーカル&キーボードの蒼山幸子によるものだが、「黄昏のラプソディ」はまるでギター・リフから作ったんじゃないか? と思わせる構成になっており、そのあたりにトラックを作ったギターの沙田瑞紀の意地も感じて面白い。彼女がオリジナルとはまったく異なるテイストに仕上げた「Re:myend!」のリミックスも合わせて楽しんでほしい。

(永堀アツオ)

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