フレデリック MINI ALBUM「oddloop」ディスクレビュー

oddloop

MINI ALBUM

フレデリック

oddloop

A-Sketch

2014.09.24 release


きわめて独創的なダンス・ロックを体現したメジャー第1作

 2014年のバンド・シーンのトレンドであるダンス・ミュージックに接近しつつ、幅広い音楽知識〜有機的なグルーヴ〜中毒性のある歌詞〜どこか懐かしい手触りを持ったメロディを交えることで、際立ったオリジナリティも提示。このバンド、やっぱりめちゃくちゃ面白い。

 神戸出身の4ピース・バンド、フレデリックのメジャー・デビュー盤『oddloop』。“odd”(奇妙な、風変わりな)と“ループ”を掛け合わせ、さらに“踊る”という語感を含むタイトルにも示されているように、このアルバムによってフレデリックはきわめて独創的なダンス・ロックを体現してみせた。本作の制作に際して三原康司(b)は「“踊れる”ということをテーマにしたかったんですよね。いろんなリズムの曲を、ユーモアを混ぜながら曲に出来たらいいなって」とコメントしているが、そのことを最も端的に表しているのがタイトル・チューンの「オドループ」だろう。エレクトロテイストのビートにソウル・ミュージックのテイストを織り交ぜ(←この感覚はダフト・パンク、ファレル・ウィリアムスに代表される海外のシーンともリンクしている)、さらに’90年代J−POP的なメロディと「踊ってない夜がない夜なんて とってもとっても退屈です」というフックのあるラインを絡めたこの曲は、フレデリックの新しいアンセムとしてすでにライブの場でも機能している。

 華麗なギター・カッティングを軸にしたディスコ・サウンドと子供時代の夏の風景(妄想を含む)がひとつになった「ディスコプール」、独特のサイケデリアを発するバンド・サウンドが楽しい「砂利道」、レゲエ〜ダブのスタイルを取り入れたサウンドの中で、歌謡曲とも童謡とも言えない不思議な旋律が広がる「もう帰る汽船」など、その他の楽曲も驚くほどに個性的。誰もが楽しめるダンス・チューンを中心にしながら、繰り返し聴いているうちに魑魅魍魎の世界へ引きずり込まれる感覚もある『oddloop』は、フレデリックの存在をさらに幅広いリスナーに浸透させることになるだろう。

(森朋之)

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