Half-Life ALBUM「〆」ディスクレビュー

〆

ALBUM

Half-Life

SHELTER UNITED

2014.08.06 release

<CD>


ぶった斬る、撃ちまくる。激震必至! の問題作

 退路を絶つ——それくらいの強い決意と揺るぎない気概を持たなければ、おそらく作り上げることができないであろう、画期的な問題作。ユーモアとアイロニーを兼ね備えた、なんて洒落たものではなく、鋭利な刃物でぶった斬る、マシンガンで撃ちまくるような、対峙する事物に容赦なく攻め込んでいく生々しい言葉の連射にハラハラドキドキ。凡庸さでそれなりの居場所を守るなんてクソダサい、誰かの顔色うかがって次の手を考えるなんてバカバカしい、思っていることを口に態度に行動に出せないなんて不自由極まりないし時間のムダ——ならば言いたいこと言ってやりたいことおもいきりやって、嘘偽りない、悔いの残らないメッセージを歌う、音を鳴らす。そんな心持ちが前のめりにガンガンぶつかってくる、豪快かつ痛快な楽曲たち。「後悔処刑」や「水槽」といった劇薬は一度触れただけで卒倒してしまう人もいるかもしれないが、賛否両論出ることなんて当然わかったうえで世に提示しているはず、だ。

 生温い空気を一掃し、醒めた顔に張り手をくらわし、死んでるみたいに生きるなよと至近距離で語り、叫ぶ彼ら。アコースティック・ギターの音色を基調とした「Anny(AL ver.)」以外は、エッジの効きまくったアンサンブルで心も身体も揺さぶり続ける。正直言えばヘトヘトになるくらい精神も体力も消耗する、重量感と密度の濃さと隙のなさ。BGMには決してならないし、気軽にループして鳴らせるほど易しくもない。けれどもこの感じた激震、そしてかき回されたあとに残る鋭く重い痛みが、このアルバムの稀有なすごみと圧倒的なパワーの証。そしてラスト、ポエトリー・リーディングも取り入れた「SCORE」の“例えば当たり前に繰り返した 呼吸の中に生まれた 過ちも正しさも その全てが ここにいる君の答えになる”というフレーズに、しみじみと泣く。そして、救われる。

(竹内美保)

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