2月にスペシャの列伝ツアーに出演。人気もバンド力も絶賛加速度増しの要注目バンドgo!go!vanillasが、今夏、シングル「エマ」で、みなをハッピーに踊らせる! 

go!go!vanillas

go!go!vanillasのニュー・シングル(TOWER RECORDS限定発売)「エマ」は、春に開催された“スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR”の出演を経て、自分たちが鳴らすロックンロールが追求すべきポップネスとテーゼは何かを突き詰めた、かなり強力な一曲になっている。カップリングには吉田拓郎の「となり町のお嬢さん」のカバーも収録。8月20日のライブでアナウンスされる“超重大発表”後に大躍進するストーリーも彼らは明確に描けている。

INTERVIEW & TEXT BY 三宅正一


自分たちはこのスタイルでやってるからこそ確立できる立ち位置がある

──KANA-BOON、キュウソネコカミ、SHISHAMOと全国を回った“スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR”はバンドにとってかなり大きな刺激になったと思うんだけど、どうでしたか?

牧達弥 かなりの修行になりましたね。これだけそれぞれ鳴らしたい音、見せたいものが違うバンドが4組集まって全国を回る経験は、バンドを始めて今までなかったですし。普段はジャンル的に近いバンドと対バンすることが多いんですけど、それとは違う楽しさと刺激がありましたね。

長谷川プリティ敬祐 そこで自分たちの武器はなんなのか、足りないものはなんなのかいろいろ考えさせられて。1本ライブが終わったあとに次はどういうライブにしようかみんなで話して、ファイナルに向かってライブを強化していくことができて。

──ファイナルの赤坂BLITZ、いいライブだった。

 ありがとうございます。手ごたえもあったけど、やっぱりまだまだ足りないものも感じましたけどね。

──足りないものはなんだと思いましたか。

 今の若いお客さんに対する目線のことをすごく考えましたね。どうアプローチするべきか。そこに関してはとても勉強になりました。ほかのバンドはそれをちゃんと考えてライブしてると思ったし。

──もちろん、vanillasも考えてなかったわけではないと思うけど。

長谷川 そう。でも、わかってない部分が多かったですね。今の若いお客さんがどういうノリを好むのかとか。頭ではわかってるつもりだったけど、実際に身体ではわかってなかったというか。

──“列伝”の4組の中では最も硬派でオーセンティックな性質が強いバンドだと思うんですね。その見せ方、戦い方は何かを考えたと思うし。

 でも、ライブして思ったのは、ぶっちゃけそういうスタイル云々は関係ないなっていう。そこで括る必要はないなと思ったのも勉強になったことで。

──本当の勝負はもっと根本的なところにあると。

 そう。僕らの音楽性にあるトラディショナルな部分を無理に押し出すと間口が狭くなっちゃうなって。お客さんに“え、そんなマナーあるの?”みたいに思わせたら受け取りづらくなると思ったし。僕らの音楽をもっと自然に、浸透させるように伝えるためにどうするかを考えなきゃいけないって思ったんですよね。

宮川怜也 知名度的には4バンドの中で僕らがいちばん低かったと思うんですけど、だからこそフラットに僕らの音楽を伝えられるチャンスだなと思ったし。プラス、ほかのバンドを見て刺激を受ける部分がかなりあったので、それを踏まえて改善できるところは改善して。

ジェットセイヤ ジャンルを意識しすぎて堅苦しくなる必要はないと思ったのと同時に、自分たちはこのスタイルでやってるからこそ確立できる立ち位置があるとも思いました。

プリティ うん。ただ、音楽性は違うかもしれないけど、人間的に見たら4バンドみんな近いところがあったんですよね。例えば、キュウソと影響を受けた音楽が意外と近かったり。そういう意味では、みんな今回の“列伝”で僕らが学んだことをすでに実践してるんだなって。今の時代に自分たちのスタイルをどう馴染ませていくかという部分で。

最終的な目標とゴールを明確に定めて作った曲

──最初に“列伝”の話を聞いたのは、「エマ」が“列伝”の経験を踏まえて出来た曲なんだろうなって思ったからなのね。今、みんなが話してくれたことがちゃんと実になってるなと。

 うれしいです。まさに“列伝”が終わって、次のシングル曲を作ろうってなったときに、“列伝”で得た経験だったり、自分たちの独自性は何かを考えて曲に落とし込みたいなと思って。今までみたいに、僕が家で“こういう感じがいいなって”ってフワッとデモを作るのとは違って、最終的な目標とゴールを明確に定めて作った曲なので。

──きらびやかなポップネスにも満ちてるんだけど、タフな音が鳴っていて。歌詞には今の時代に対するシニカルな視点がある。BPM130でリスナーを踊らせることもポイントだと思うし。

 そうですね。僕らが大好きだった音楽は、BPMの速さで勝負するのではなく、一音一音にしっかり説得力があって、グッとくるノリを生むものが多いから。意識的にそういう曲にしたいなと思いました。今のバンド・シーンにそういう曲って少ないなと思ったし。そのうえで、いかにライブで多幸感を出せるかっていう挑戦ですよね。それと、こういう曲調で歌詞もハッピーだと面白くないなと思ったので。こういう曲だからこそ、ちょっとシニカルなことを歌いたかったというのもあって。

──疑問を投げかけてるよね。

 うん。メディアで“今、これがはやってます! 売れてます!”っていうものを受け手側がそのまま受け入れちゃうのはいつの時代もそうだと思うんですけど。音楽だけじゃなく、ファッションだってそうだし。でも、それがホントに自分が欲しかったものなのかをどんどん考えない時代になってる気がするんですよね。そこに対して疑問を投げかけてますね。

──まさにそういう歌詞だよね。

 ただ説教っぽいものになるのはイヤだから。“僕らは純粋に音楽が好きで、自分で選んでこういう音を鳴らしてるんだけど、君はどう?”という感じを出せればなと思って。

──まず曲で楽しませることで、じっくりその裏にある意味を染み込ませていくような感じだよね。

 そうそう。そのバランスは難しかったですけどね。難解な歌詞にしていたら説教がましい感じになったと思うし。ちょっと言葉遊びをしながら展開させていくことで、リスナーも“これってどういう意味なんだろう?”って考えるんじゃないかと。

──だから、牧くんの作詞における方法論がひとつの答えを見た曲でもあると思うんですよ。

 それはあるかもしれない。以前に比べて歌詞を書くペースも速くなってきて。「オリエント」以降は特にそうですね。

──やっぱりあの曲は大きかった。

 自分のソング・ライティングのアイデンティティを理解するという意味でもかなり大きかったです。

──「エマ」にある多幸感の中に冷静な視点や毒を盛り込むというやり方はこれからバンドの強みになると思う。

 僕もそう思っていて。めっちゃ笑いながら“殺すぞ”って言う人って超怖いじゃないですか。同じ言葉でもいかにも怖そうな人が言うよりも狂気を感じるし。それは極論ですけど、そういうやり方のほうが絶対にドキッとするから。

──竹中直人さんの“笑いながら怒る人”みたいなね(笑)。

 そうそう(笑)。あのネタも面白いんだけど、怖いですよね。あと、香川照之さんの演技も怖いときがあるなって。だからこそ、すごく惹きつけられる。

──うんうん、あの人の芝居も体臭まで匂ってきそうな迫力とすごみがある。映像で観てるぶんにはいいけど、その現場にいたくないと思わせるというか。

 うん、ヤバいですよね。ザ・ビートルズしかり、僕らが好きなアーティストもそういうところがあると思うんですよね。天才だけど、それと同時に狂気も持っていて。だからこそ世の中に響いたと思うんですよ。特にロック・バンドはそういう部分を持ってないとダメだと思うから。そうじゃなきゃ商業的にどんどん消費されていっちゃうんじゃないかという危機感があって。狂気的なことを入れ込むのがすべてじゃないですけど、この曲に関しては絶対そこに挑戦したほうがいいなって。作曲もかなり難航したけど、だからこそまたバンドのレベルが上がったと思うし。ドラムも普段はあまりやってないリズムだったり。最初は大変だったよね?

ジェット そうだね。

 Bメロの歌とドラムをバチバチ合わせていくのは、ラップじゃないけどちょっとフリーなアプローチを意識していて。そこも難しかったし。サビはセイヤの馴染みのあるアプローチなんだけど、そこまでは抑えようっていう。サビでバーン!って開けるために。そこまでは極力派手なことはしないでほしいって言って。それはセイヤにとって苦痛でもあったと思うんですよね。

ジェット 難しかったけど、いい経験になったなって。

プリティ 牧が言ったように最初からゴールが設定されていたんですけど、どの道を通ってそこに辿り着くかっていうところでメンバーの意見が今まででいちばん割れて。それはバンドにとってすごくいい経験になったと思うけど、これからは最初から牧とガッチリ意見を交わして共有できたらなって。

宮川 ギターのフレーズに関しても今まででいちばん苦労して。歌とのリンクも含めて牧とかなり話し合いましたね。

 “列伝”後の初めてのシングルって考えたときに、圧倒的な何かがないとダメだと思ったから。今までギターのインパクトが弱いと思ってたから。やっぱりバンドにとってギターは確実な武器なので。リフだったりをもっと詰めていかなきゃダメだなって。自分たちの個性が詰まってるけど、お客さんにもわかりやすい塩梅をめざして。テクニカルになりすぎたらリスナーの頭の中でフレーズが思い出しづらくなるし、だからといって簡単にしすぎたら個性がなくなってしまうから。そこのいいバランスをいちばん考えましたね。

──俺はね、こういう曲で自由に踊ってほしいって心から思ってますよ。

 今のロック・シーンって、踊り方とか振り付けみたいなものを強要しちゃってる場面もあると思うんだけど、一ヵ所“ここ!”っていうところでみんなのタイミングが合ったりするのはいいと思うんですよ。バンドがそれを促すのもありだと思うし。でも、初めてライブに来る人がどう乗ったらいいか戸惑うような感じになるのはイヤだなって思う。

「エマ」があるからこそ、このカバーも興味深く聴いてもらえる

──カップリングで吉田拓郎さんの「となり町のお嬢さん」をカバーするのもこのバンドならではの自由度が表れてると思う。オリジナルはちょっとカントリーっぽいんだけど、それをブギーっぽくアレンジしていて。

 テンポもグッと上げてますからね。カバー自体はワンマンでもやっていて。ザ・ビートルズとか僕らのルーツにある洋楽をやってたんですよね。でも、音源にするときに洋楽をカバーするんじゃ普通だし、俺たちがやる意味がないよねってことで。そこで拓郎さんは俺たちのルーツでもあるし、ほかの若いバンドはやってないから面白いなと思って。拓郎さんの曲ってもともとカントリーっぽいものも多いじゃないですか。それをvanillas流にアレンジしたら絶対いい感じになると思ったんですよ。正直、「エマ」がかなり自信のある曲になったので、「エマ」があるからこそ、このカバーも興味深く聴いてもらえると思って。“なんでこの曲をカバーしたんだろう?”って考えてもらえたらうれしいし。

──「となり町のお嬢さん」のオリジナルは松任谷正隆さんがアレンジしていて、フォークというよりポップスと言っていいと思うんですけど。ちょっとナイアガラ系のシティ・ポップっぽいニュアンスも帯びていて。で、調べたらこの曲がリリースされたのって1975年で。1975年ってシュガー・ベイブの『SONGS』がリリースされた年なんだよね。

 ああ、バッチリですね。いい時代だなあ。

──歌詞も文学的なエロスが滲んでいて、牧くんがめざしてるソング・ライティングと共通するところがだいぶあるんだろうなって。

 ありますね! ただきれいな歌詞じゃなくて、文学的にエロティックで。さらに、切ないストーリーなのに曲調が明るい。そのギャップがすごくいいなって。

──温故知新じゃないけど、シングルのカップリングで日本の名曲のカバー・シリーズとかやってほしいなって思った。

 ああ、いいっすね!

プリティ たしかにシリーズ化しても面白いかも。

──だって、ほかにやりたい曲もあるでしょ?

 もちろん! 昭和の歌謡曲とか。

──引き続きどんどん曲を作ってると思うんですけど、モードとしてはどうですか?

 前回のアルバムに対しての修正点や課題も見えたし、よりバンドの音が肉厚になってると思います。歌詞もどんどん柔軟になってるし。曲の色がカラフルなものもあれば、色の濃いモノトーンみたいな曲もあって。いい曲が出来てる手ごたえがありますね。

──そして、8月20日には新宿 redclothで“エマージェンシーパーティー”と題されたライブがあります。ここで“超重大な発表”があると。きっとバンドの覚悟が決定的に決まるような発表だと思うので、期待してます。

 そうですね。これから第一線に立つための楽曲を作らなきゃいけないと思うし、「エマ」もそうだけど、これから作っていくすべての曲が明確なゴールを見据えたものになっていくので。期待していてください。

 

DISC INFORMATION

TOWER RECORDS限定SINGLE
2014.8.6 release
「エマ」
SEEZ RECORDS

140806_go-go-vanillas

「エマ」(MUSIC VIDEO)

LIVE INFORMATION

“エマージェンシーパーティー”
8月20日 新宿 redcloth

“go!go!vanillas TOUR 2014”
11月17日 北浦和 KYARA w/忘れらんねえよ
11月19日 新潟 CLUB RIVERST w/ 忘れらんねえよ
11月21日  盛岡 CLUB CHANGE WAVE w/ フラワーカンパニーズ
11月22日 仙台 PARK SQUARE (ワンマン)
11月24日  札幌 Bessie Hall w/ ???
12月6日 高松 DIME w/ ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN
12月7日 岡山 PEPPER LAND w/ ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN / ???
12月9日 広島 Cave-Be w/ ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN / ???
12月11日 長崎 DRUM Be-7 w/ 空想委員会
12月13日 大分 DRUM Be-0 w/ 空想委員会
12月14日 福岡 DRUM Be-1 w/ 空想委員会

“MANTLE TOUR 〜2014年宇宙の旅〜”
8月21日 千葉 LOOK
“ROCKDAZE! 2014 3×4×GOW!!”
8月23日 福岡 DRUM BE-1/DRUM SON
“RE:MIX 2014”
8月24日 名古屋DIAMOND HALL & APOLLO BASE
“RADIO BERRY 20TH ANNIVERSARY ベリテンライブ 2014〜HEAVEN’S ROCK UTSUNOMIYA VJ-2〜”
8月27日 HEAVEN’S ROCK UTSUNOMIYA VJ-2
“SWEET LOVE SHOWER 2014”
8月30日 山中湖交流プラザきらら
“RUSH BALL 2014”
8月31日 大阪 泉大津フェニックス[
“ロッケンロー★サミット 2014〜渋谷死闘編”
9月20日 渋谷TSUTAYA O-EAST
“DIVING ROCK 2014 in KANAZAWA”
10月12日 金沢市内ライブハウス
“フラカン結成25周年 ~ほぼ対バンtour~「シリーズ・人間の爆発スペシャル」”
11月21日 盛岡 Club Change WAVE
“????”
11月24日 札幌 BESSIE HALL

PROFILE

牧達弥(vo、g)、宮川怜也(g)、長谷川プリティ敬祐(b)、ジェットセイヤ(ds)。2010年に結成、2012年に現メンバー編成になる。2014年2月に2000枚限定シングル「オリエント/ホラーショー」をリリース(即完売)し、KANA-BOON、キュウソネコカミ、SHISHAMOらと“スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2014”で全国8ヵ所を巡った。

関連リンク

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・ 牧達弥 Twitter
・ 宮川怜也 Twitter
・ 長谷川プリティ敬祐 Twitter
・ ジェットセイヤ Twitter

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