Nothing’s Carved In Stone – 圧倒的スキルとパフォーマンスが多くの耳を魅了する彼らの6枚目のアルバム『Strangers In Heaven』。村松 拓(vo、g)と生形真一(g)へインタビュー!

Nothing's Carved In Stone

問答無用のキャリア最高傑作である。Nothing’s Carved In Stone(以下、ナッシングス)通算6枚目となるニュー・アルバム『Strangers In Heaven』は、2008年の始動以来、毎年コンスタントにアルバムを作り続け(言うまでもなく、それはツアー・バンドにとって相当ハードな作業だ)、着実に、そして絶え間ない進化を遂げてきたナッシングの真骨頂と言える、王道的かつ先駆的な1ダースのロックが集成された。バンドを代表して、村松 拓(vo、g)と生形真一(g)のふたりに本作に込めた想い、制作秘話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY  奥村明裕


すごい自分たちらしいアルバムが出来たと思いましたけど

──新作、本当に素晴らしいアルバムで。お世辞じゃなく、個人的には、これはもう“現代ロックの最高峰”ってくらいに思ってまして。

村松 拓 おぉーマジっすか(照笑)。
生形真一 ありがとうございます! うれしいです。まだ作って1ヵ月くらいしか経ってないんですけど、すごい集中してやっていたので(制作は)アッという間に終わりましたね。年始にシングル(「ツバメクリムゾン」)のツアーがあったんで、2月から曲作りを初めて。だから、レコーディングはいつもより時間がタイトだったんですよ。制作期間としては、いつもより1ヵ月半くらい少なくて。

──かなり限られた時間で作っていったんですね。

生形 そうですね。普段からタイトなんですけど、さらにタイトで(笑)。年に1枚はアルバムを出したいと思ってるから、やろうぜってことで。録った音をエンジニアの人にまとめてもらうTD(トラックダウン)っていう作業があるんですけど、いつもは終わってからまとめてやってたんですけど、録ってる最中からやってもらって。

──完成した瞬間の心境って、覚えてますか?

村松 どうだっただろう?
生形 俺は、もちろん満足はしてるんだけど、(制作経過では)人の意見を全然聴いてなかったんで、“これがみんなにどう響くんだろう?”っていう、そんな気持ちでしたね。“すごいいいの出来た!”って思ったのは完成したその日だけで、あとはちょっと不安もあって。作ったからにはやっぱりいいと思ってもらいたいし、なるべく多くの人に聴いてもらいたいので。
村松 うん。前作は出来てからも結構聴いてたんですよ。でも、今作はあんまり聴かなかったんだよな。なんでだかわかんないけど(笑)。すごい集中してたんでレコーディングのモードがなかなか切り替わらなくて、とりあえず客観的に聴けるまでいったん間を置こうかなって、たぶんそんな感じだった気がします。

──ちょっと抜け殻になってしまったような?

村松 いや、抜け殻っていうよりは、エンジンがかかりっぱなしだったので。

──あぁ。冷却期間みたいなものが必要だったというか。

村松 そうですね。ずっとアクセル踏んでるような状態だったので。だから出来た瞬間も、実感として“出来た!”って感覚はなかったかなあ。すごい自分たちらしいアルバムが出来たと思いましたけど。

作品のキーになるような曲が、今回最初に出来て

──なるほど。これまでの制作と比べて、今回特徴的だったこと、違った部分などありました?

生形 えっと……これまで多かったパターンとしては、バンドでどんどん曲を作っていって、わりと後半になって作品のキーになるような曲が出来てたんですよ。手ごたえのあるというか、新しい方向にいけたなっていうような曲が。それは、今回最初に出来て。「Brotherhood」って曲なんですけど、スタッフも盛り上がって、「この曲でPV撮ろう!」って言って。そういう曲が最初に出来たってこともあって、すごくスムーズに進んだのかもしれないですね。テンションが上がって、その勢いでガーッといけたというか。

──その「Brotherhood」は、ダンサブルなビートとダイナミズム溢れるアンサンブルがめちゃめちゃかっこいいナンバーですが、どういった経緯で生まれたんですか?

生形 これは、俺がいろいろと貯めておいたデモをみんなに持って行って、バーっと聴いてもらった中で反応がすごく良かったんで、“じゃあ、これから作ろうか”って取りかかって。リフとサビのメロディくらいまではあったんですけど。

──この曲がアルバムの世界観を広げてくれたところがあったんですね。

生形 そうなのかもしれないですね。やっぱり、レコーディングってテンションがすごく大事で。ね?
村松 そう。テンション下がると、わかりやすく曲が出来なくなるので(笑)。

──それぞれにバイオリズムがあるから、難しいですよね。チームで気持ちを揃えるのって。

生形 うん。でもウチはね、どんどん出来るほうですけどね、曲は。出来る出来ないにしてもテンションって重要だから、それを今回特に感じましたけど。

──今回のレコーディングに限っては、4人の足並みとかテンションはうまく合致したと。

生形 すごくうまく合った気がします。

──その点、前作のレコーディングはかなり大変だったとおうかがいしましたが。

生形 そうそう。それもあって今回はうまくいったのかもしれないけど。もちろん大変な部分はありましたけどね。
村松 前作がたまたま陰に入っただけで、ウチは基本ニコニコだよね(笑)。今回も面白いことだらけだったし。新しいことをやってるつもりなので、一曲一曲すごい刺激はあったんですけど。

──笑い声の絶えないレコーディングだった?

村松 はい。誰かが何か言ったら、乗っかって、乗っかって、みたいな(笑)。みんな個性的だから。

前作『REVOLT』くらいからあまり細かい部分までは決め込まないように

──じゃあ、事前にこんなアルバムにしようとか、共有していたテーマみたいなものってありました?

村松 いや、今回は、というか、今回もなかったですね。どういうものを作ろうよとか、具体的な話をした覚えがなくて。だから、(生形)真一が「Brotherhood」を持ってきたり、最初からネタが多かったので、そこから一曲単位で“こういうのやりたくない?”ってみんなで作っていって。
生形 アルバム自体にテーマっていうのはなくて、こういう曲作りたい、あんな曲作りたいって言って出来ていったので。でもね、「キマイラの夜」っていう曲だけ、“アルバムの最後の曲がほしいね”ってことで作った曲ですね。あとは、最初のイントロを付けたくらいで。初期の頃は結構決めてたんですよ。今回はこういうアルバムにしよう、みたいに。だけど、前回の『REVOLT』くらいからあまり細かい部分までは決め込まないようにして。曲順はみんなでかなり話しましたけどね。

──曲順の話で言えば、前半の猛然と突き進むような熱量が圧巻です。

生形 みんなで話してるときに、(アルバムの)頭はどんどん攻めていこうよっていう話をして。もうちょっと静かな曲も織り交ぜたり、違うパターンも考えたんですけど、“こっちのほうがいいんじゃない?”ってことで。曲順によって聴こえ方も違ってくるので、そのあたりは結構話しました。

──冒頭のイントロはどういったイメージで作ったんですか?

生形 「Shimmer song」が頭でっていうのはわりと早い段階で決めてたんですよ。で、ギターから始まる曲なんですけど、その前に何かあったらいいねってことで、序章というか、SE的なものを考えて。

──ほのかに光が射し込んでくるような、印象的な幕開けから「Shimmer song」に雪崩れ込んでいって。ちょっとインキュバスっぽいギターがかっこいいですね。

生形 うん、ちょっとオリエンタルな響きですよね。最初はね、曲全体がもうちょっとオリエンタルな感じだったんですよ。でも、みんなで話してるうちに、ひなっち(日向秀和/b)だったかな? 「もっとラウドにしたらかっこいいんじゃない? って言って、こういう感じになったんですけど。このアレンジをやってるときはすごい盛り上がりましたね。

──歌詞の面でも、「誰だってそうだろう 孤独な夜を越え 夢見て傷ついて でも前を見る」という、力強いメッセージがあって。

村松 この曲は、実は、真一が詞を書いたんですよ。
生形 俺の中ではわかりやすく書いたつもりで。自分が本当に思ってることを書かなきゃしょうがないと思ってて、ちょっと恥ずかしかったりとか、怖かったりしても、自分の言葉で出さなきゃいけないなって。そんなに歌詞って書いたことないですけど、それはすごい思ってますね。時間はかかりますけど、そうしないと絶対伝わらないだろうし。

──ちなみに今回の生形さん作詞曲って?

生形 「Shimmer song」と、あと「Crying Skull」ですね。
村松 わかるでしょ?(笑)

──たしかに、物語的な拓さんに対して、ウブさんのは信念みたいなものがストレートに出てるというか。「何より大切なのは どこまで行ったかじゃなくて どんな道をどうやって歩いてきたか」(「Crying Skull」/意訳)みたいに。

村松 そうそう。このバンドのいちばんの軸みたいなものは真一が持ってるから。

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