フジファブリック ALBUM「ブルー/WIRED」ディスクレビュー

ブルー/WIRED

ALBUM

フジファブリック

ブルー/WIRED

Sony Music Associated Records

2014.07.30 release

初回生産限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>
期間生産限定盤 <CD>


会心のアルバム登場を予感させるシングル

 今年、デビュー10周年を迎えたフジファブリック。その記念すべき年の幕開けとなった2月のシングル「LIFE」では、弾むようなモータウン・ビートとキーボーディストの金澤ダイスケによる印象的なピアノ・フレーズに導かれ、生の躍動感を高らかに響かせた。そして、2014年第2弾シングルにして、バンドの二面性が打ち出されたダブルAサイド・シングル「ブルー/WIRED」を発表する。その作風は二面どころか、何が飛び出すかわからない多面性を持っている彼らだが、その主軸になっているのは、ボーカル・オリエンテッドな楽曲と演奏の醍醐味が堪能できる楽曲からなる2本の柱だ。

 テレビ・アニメ「アオハライド」のエンディング・テーマとして書き下ろされた1曲目の「ブルー」は前者に当たる曲で、胸の内のモヤモヤした感情を煮詰めに煮詰め、ミッド・テンポのエモーショナルな歌モノへと昇華。それに対して、2曲目の「WIRED」は後者の曲に当たり、オルタナティブなリフが行く手を切り開いてゆくヘビーにして爽快なギター・ロックを展開している。また、「ブルー」ではメロディ・メイカーとしての彼らが、言葉遊びを交えた「WIRED」では奇天烈なポップ・アクトとしての彼らが、それぞれ投影されており、フジファブリックというバンドを知るには絶好の2曲となっている。

 ただし、そう簡単には掴ませてくれないのが、いかにも彼ららしく、キーボードの金澤ダイスケが録音とミックスを担当したカップリングの「ホーランド・ロップ」では、カントリー調の楽曲にドリーミーなカリンバをフィーチャー。そのユニークな楽曲のたたずまいは、ひとつところにとどまらず、まだ見ぬ新しい音楽の風景を開拓しようと前進を続けるバンドの姿そのもの。秋に予定されている全国13ヵ所のツアー、そして、11月28日に行われる初の日本武道館単独公演を前に、リリースが控えている新作アルバム『LIFE』では、そんなフジファブリックの10年にわたる軌跡がどのように描かれるのか。バンドの充実ぶりがひしひしと伝わってくるこのシングルは、傑作アルバムの登場を予感させる。

(小野田雄)

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