TK from 凛として時雨 ALBUM「unravel」ディスクレビュー

unravel

ALBUM

TK from 凛として時雨

unravel

Sony Music Associated Records

2014.07.23 release

初回生産限定盤 <CD+DVD>
通常盤 <CD>
期間生産限定盤/写真 <CD>


絡み合った感情をはぎ取る音と言葉

 8月27日に2年2ヵ月ぶりとなる2ndアルバムのリリースを控えているTKの初シングル。3月のEP『contrast』では、凛として時雨とは異なるアーティスティックな世界を極め、その進化/深化に驚かされたが、テレビ・アニメ『東京喰種 トーキョーグール』のオープニング・テーマとして書き下ろされたというこの作品においても、彼のクリエイティビティはとめどなく溢れ出している。ささやくようなボーカルで幕を開けるタイトル曲は、静と動のコントラストから激情が突き抜けていくポストロック・ナンバーだ。しかし、エレクトロニクスやピアノ、バイオリンを交え、複雑に構築されたバンド・アンサンブルは、音楽的な探求の結果というだけでなく、歌詞で描かれている絡み合った複雑な心情にも寄り添っていて、“(絡み合ったものを)ほどく、解きほぐす”という意味の“unravel”というタイトルが指し示すとおり、エモーショナルなバンド・サウンドがもつれた気持ちを引きはがすように、ラウドに鳴らされているのだ。音が先か、はたまた言葉や感情が先か。その順番は定かではないが、プログレッシブなサウンドと複雑かつ繊細な言葉の一体感は、現在のTKが作り出す楽曲のいちばんの魅力である。

 また、同作カップリングでは、よりディープな世界が展開されている。2曲目の「Fu re te Fu re ru」には、ポスト・ロック・バンド、toeのドラマーにして、the HIATUSや木村カエラのサポートも務める柏倉隆史が参加。手数の多いドラミングがうねるようなグルーヴを生みだし、TKが伝える感情の起伏を増幅させると、3曲目の「Acoustic Installation」では一転して、繊細に情景を描写するかのような美しいインストゥルメンタルを聴かせてくれる。カップリングにおける、そうしたあらたな試みは、来たるべき新作アルバムにもおそらくは繋がっていくはずだし、さらに更新された音楽世界の登場が今か今かと楽しみだ。

(小野田雄)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人