RADWIMPS – “RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継 〜パーフェクトドリーマーズ編〜”のセミファイナルとなった7月8日Zepp Tokyo公演の模様を完全レポート!

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“RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継 〜会心の一撃編〜”がスタートしたのは2月5日だった。21公演が行われて、4月5日からは韓国、台湾、香港、シンガポールでの海外公演を含む“パーフェクトドリーマーズ編”23公演が行われた。バンドにとっても大きな意味を持つツアーとなったのは間違いないだろう。ここではそのファイナル直前となる7月8日のZepp Tokyoのステージの模様をレポートしていく。

TEXT BY 長谷川誠 / PHOTOGRAPHY BY 古溪一道

より自在。そしてよりヒューマン。

 ロボット・ボイスのようなデジタル・サウンドが鳴り響き、ステージが白い光に照らされて、最新アルバム『Xと○と罪と』のジャケットのアートワークが浮かび上がるオープニング映像に続いて、「ドリーマーズ・ハイ」が始まった瞬間に、会場内は強烈な高揚感に包まれていった。メンバーが近い! そう感じたのはアリーナや野外などの大きな空間での彼らを見慣れていたせいもあるだろう。アリーナにはアリーナならではの良さがあるのだが、バンドの息づかいや熱気がダイレクトに伝わってくるという点で、やはりライブハウスの臨場感溢れる空間は格別だ。

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 ステージの左右にお立ち台があって、さらにドラムの横と上にも演奏スペースがある。4人の動きがしっかり見える配慮がうれしい。ぎっちり満員の観客はライブが始まった瞬間から激しく飛び跳ねて、波打っている。「ドラム、山口智史!」という野田洋次郎の声を合図に、山口の力強いドラムが炸裂していく。「One Man Live」では野田、桑原 彰、武田祐介の3人がステージ最前列に出ての演奏。バンドが一丸となって疾走していく。より自在。そしてよりヒューマン。ツアーの中でバンドがさらにひと回りもふた回りも大きくなっていると感じた。
「やっと東京に帰ってきました!」と桑原。「DARMA GRAND PRIX」では武田のベース・ソロや桑原のギター・ソロも交えつつ、強靱なグルーヴに体が揺れる。「ギミギミック」での白熱のプレイにも大歓声。

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「バカ楽しいぞ、このヤロー! ヤバいな、ヤバいな」(野田)

「楽しいなあ。もっともっと行くかい?」という野田の言葉に続いては、野田がキーボードを弾いて、ジャジーなセッションが始まっていく。緩急自在。そのまま「アイアンバイブル」へ。リラックスした演奏での始まり。途中から野田はハンドマイクを持って、そのマイクを客席にも向けつつ。なごやかな空気が漂っていったのだが、曲のメッセージは実はかなりシリアスだ。こうした重層的な歌の世界はRADWIMPSならではだろう。最後のピアノの音が鳴り響いた瞬間には祈りにも似た思いが伝わってきた。

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 その「アイアンバイブル」に救いを与えるかのように響いてきたのは野田のピアノと武田のスティールパンをフィーチャーした「Tummy」。会場内がピースフルな空気に包まれていった。ツアー序盤に比べて、スティールパンなどの演奏技術が向上しているのはもちろんなのだが、それぞれの人間性がよりダイレクトに音に反映されていると感じた。野田のこのピュアな歌声をなんと表現したらいいのだろうか。桑原のギターも山口のドラムも優しくて温かい。マイクを通していないのに、桑原が歌を口ずさみながらギターを弾く姿が印象的だったのは「トレモロ」だ。桑原と野田とが向き合って、ギターを弾きながら始まった「ます。」では一気に歌の世界が広がっていった。観客がこぶしを突き出しながら、叫んでいる。繊細な世界から壮大な世界まで、振り幅がとことん大きい。

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「バカ楽しいぞ、このヤロー! ヤバいな、ヤバいな。まだまだ歌うよ。ついて来れるかい?」と野田。その野田がサンプラーでリズムを打ち込んで始まったのは「パーフェクトベイビー」。曲の途中で山口がビブラフォンを演奏したり、ショルダーキーボードを持って、ステージ前に出てきて演奏したり。曲の後半では野田がビブラフォンを演奏。さらにはキーボードを弾き、フェイク混じりの歌声でフィニッシュ。歌の世界をいかにして伝えていくか。その結果、導かれたのがメンバーが様々な役割を担っていく自在なバンド・サウンドということになるのだろう。野田のピアノの弾き語りで始まった「ブレス」ではナイーブな歌声に導かれて、曲の後半になって、桑原のエモーショナルなギター、温かみのある武田のベース、包容力を備えた山口のドラムが加わっていく。

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歌の世界観を大切にして、4人が寄り添うように演奏する

「いよいよツアーも大詰めです。洋次郎と雑談してて、始まりは2月5日で、その頃は冬季オリンピックやってなかったっけって話になって。すごく長い間やってる感覚になって、気付いたら、ワールドカップが始まってて、もうセミファイナルです。僕らももうセミファイナルですよ。全力でいくんで、みんなも出しきってください」という山口の言葉に観客が大きな声で応えていく。

「この豆たちよ。その頭の中に宇宙があるんだね。3000個の宇宙ではっちゃけようかい」という野田のあおりで後半戦がスタート。まさにファンキーにはっちゃけていく「実況中継」、演奏も観客も一体となって疾走していく「おしゃかしゃま」などなど。野田が両手を上げたり下げたりするのに合わせて、武田と桑原とがソロを披露していくギターとベースのバトルもあり。「DADA」ではエッジの効いた歌詞もソリッドなサウンドもグサグサと刺さるように入ってきた。

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「29になりました。15歳から何も変わってないです。タチが悪いよなあ、29歳のスーツを着た15歳は」と野田。会場とのやりとりではマニラからの観客がいることも発覚。

「今回、アジアを回らせてもらって、韓国、台湾、香港、シンガポールに行って、日本語でみんな歌ってくれるんだよ。やっぱ音楽ってすげえなって4人で思ってね」という言葉も印象的だった。音楽のすごさを肌で感じた4人がその音楽の機能を最大限に発揮すべくステージに立っている。美しい歌がたくさんあった。例えば、「シザースタンド」。桑原がアコースティック・ギターを弾き、武田がアップライト・ベースを奏でている。武田はさらにその後、キーボードをプレイ。野田がキーボードを弾き、その脇から桑原が連弾する場面もあった。歌の世界観を大切にして、4人が寄り添うように演奏する光景も歌の世界同様に美しかった。彼らの代表的なラブソングと言いたくなる「ラストバージン」はその“ラブ”が増量されていると感じた。歌がバンドを成長させる。バンドが歌を成長させる。そんな双方向の刺激が愛に溢れた空間を出現させていた。

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「あなたとあなたの大事な人の幸せを願ってます」(野田)

「20代最後のツアーが素晴らしいツアーになったのは、みんながたくさん来てくれたおかげです。次は30代になって、もっと素晴らしい4人になって、帰ってくるので、待っててください」と桑原。

「10年間あっという間だったけれど、自分たちのやりたいことが仕事になって、生き甲斐になって、“なんで生きてるんですか?”って聞かれたら、“音楽やるためです”って堂々と言える大事なものを見つけられたのはうれしいことだし、すげえ幸せだと思ってます。みんなもそういうものを見つけられるように応援してるから」と野田。さらにはアジア公演を踏まえて、「人と人って、会えば、わかりやすくて、わかりあえるところがたくさんあってさ。偏見、差別は本当にくだらないから」と言ってる途中で涙ぐむ場面もあった。感動も興奮も愛も笑顔も涙もぐしゃぐしゃに混ざっていくステージ。「最後、かますかい?」という言葉に続いて、観客が一体となって歌いまくった「有心論」と「君と羊と青」へ突入。

「次の曲はすべての人に贈ります。あなたとあなたの大事な人の幸せを願ってます。明日からいつか終わっちゃうあなたの人生が素晴らしいものでありますように」という野田の言葉に続いての「会心の一撃」では、山口のドラムでの始まり。桑原も武田もお立ち台で飛び跳ねている。メンバー全身の渾身の演奏で本編は終了した。

愛をどんどん足していくライブ

 アンコールでは「いいんですか?」と「05410-(ん)」が披露された。「みんなの声が聞きたいんじゃ」という野田の言葉に観客がしっかり応えていく。1曲演奏するごとに愛が充満していくステージだった。「ドリーマーズ・ハイ」の歌詞じゃないが、愛をどんどん足していくライブ。ハッピーな空気が満ちて、溢れていく。「幸せになれよ〜!」という野田の言葉は、限定的ではあるかもしれないが、すでにこの瞬間には完全に達成されていた。「今日は本当に楽しかったです。みんなの勢いがすごすぎて、最後、転んじゃいました」と武田。全国各地やアジアの国々でステージに立って、それぞれが感じたことも演奏に反映されていたのは間違いないだろう。音楽的に豊かであると同時に、人間的にも豊かなステージだった。歌はアルバムが出来た時点で完成するのではなくて、ライブという空間で演奏されることで、さらに成長し深化していくものだということも実感した。冬に始まって、春を経て、夏へ突入したツアー。植物が芽吹いて、花を咲かせるように、彼らの奏でる歌も満開となっていた。

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★下段に今回提供してもらったすべてのライブ写真を集めたギャラリーあり

SETLIST

01. ドリーマーズ・ハイ
02. One Man Live
03. DARMA GRAND PRIX
04. ギミギミック
05. アイアンバイブル
06. Tummy
07. トレモロ
08. ます。
09. パーフェクトベイビー
10. ブレス
11. 実況中継
12. おしゃかしゃま
13. DADA
14. シザースタンド
15. ラストバージン
16. 有心論
17. 君と羊と青
18. 会心の一撃
<ENICORE>
EN01. いいんですか?
EN02. 05410-(ん)

<RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継 全日程>
<会心の一撃編>
2月05日(水)群馬 高崎club FLEEZ
2月07日(金)栃木 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2
2月09日(日)山梨 甲府CONVICTION
2月11日(火・祝)長野 松本Sound Hall a.C
2月15日(土)愛知 名古屋 日本ガイシホール
2月16日(日)愛知 名古屋 日本ガイシホール
2月20日(木)鹿児島 鹿児島CAPARVO HALL
2月22日(土)熊本 熊本DRUM Be-9 V1
2月24日(月)長崎 長崎NCC&スタジオ
2月26日(水)香川 高松MONSTER
3月01日(土)徳島 アスティとくしま
3月08日(土)神奈川 横浜アリーナ
3月09日(日)神奈川 横浜アリーナ
3月13日(木)奈良 奈良NEVER LAND
3月15日(土)石川 石川県産業展示館4号館
3月20日(木)大阪 大阪城ホール
3月21日(金・祝)大阪 大阪城ホール
3月26日(水)茨城 水戸LIGHT HOUSE
3月29日(土)宮城 宮城・セキスイハイム スーパーアリーナ(グランディ・21)
3月30日(日)宮城 宮城・セキスイハイム スーパーアリーナ(グランディ・21)
4月02日(水)青森 青森Quarter

<パーフェクトドリーマーズ編>
4月05日(土)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
4月09日(水)鳥取 米子コンベンションセンター
4月12日(土)福岡 マリンメッセ福岡
4月13日(日)福岡 マリンメッセ福岡
4月19日(土)広島 広島グリーンアリーナ
4月20日(日)広島 広島グリーンアリーナ
4月26日(土)埼玉 さいたまスーパーアリーナ
4月27日(日)埼玉 さいたまスーパーアリーナ
5月06日(火・祝)新潟 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
5月10日(土)静岡 静岡エコパアリーナ
5月11日(日)静岡 静岡エコパアリーナ
5月24日(土)韓国 Yes24 MUV Hall
5月31日(土)台湾 Legacy Taipei
6月02日(月)香港 Music Zone @ E‐Max
6月07日(土)シンガポール TAB
6月14日(土)和歌山 和歌山ビッグホエール
6月21日(土)岡山 CONVEX岡山
6月28日(土)兵庫 神戸ワールド記念ホール
6月29日(日)兵庫 神戸ワールド記念ホール
7月08日(火)東京 Zepp Tokyo
7月09日(水)東京 Zepp Tokyo
7月19日(土)沖縄 沖縄コンベンションセンター 展示棟
7月20日(日)沖縄 沖縄コンベンションセンター 展示棟

PROFILE

ラッドウインプス/野田洋次郎(vo、g)、桑原 彰(g、cho)、武田祐介(b、cho)、山口智史(ds、cho)。’01年結成。インディーズで活動後、’05年にシングル「25コ目の染色体」でメジャー・デビュー。昨年12月にリリースした7thアルバム『×と○と罪と』を引っ提げ開催した“RADWIMPS 絶体延命ツアー”以来約3年ぶりとなるツアー“RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継 〜会心の一撃編〜/〜パーフェクトドリーマーズ編〜”を終えたばかり。

関連リンク

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