MY FIRST STORY SINGLE「Black Rail」ディスクレビュー

Black Rail

SINGLE

MY FIRST STORY

Black Rail

INTACT RECORDS

2014.07.16 release

<CD>


バンドの“すべて”を注ぎ込んだ入魂作

 よくケータイとかタブレットの新製品で、いろんな最先端の機能を盛り込んだものに“全部入り”って言い方するじゃないッスか? ジャンルこそ違えど、完全にそれですよ。このマイファスのニュー・シングル「Black Rail」は! “絶対的キラーアンセム”ってコピーが紙資料にはあるけれど、それもあながち大げさなもんじゃなくて、タイトル・トラックは“これがマイファスだ!”と全存在を叩きつけるような渾身の入魂ナンバー。決定打の誕生に立ち会えたようで、勝手に興奮しながら幾度もリピートしてしまう筆者であります。

 再びプレイ・ボタンを押すと、どこか陰りを帯びたギター・アルペジオが共鳴。“Nothing lasts forever I just walk my way”というHiroの囁きに続いて、静寂を切り裂くように鋭利なリフがカットイン。続けて怒涛のバスドラが絨毯爆撃のように投下される。ブリッジでは耽美的なピアノの調べが導くドラマチックなひと幕があり、後半には激しくも躍動的なラップ・パートがありと、四十八手を尽くした目くるめく展開で聴き手を惹きつけてやまない。そう、ここにはバンドが磨き上げてきた最新スペックのアンサンブル、勢いと劇的なイマジネーション、巧みな展開と構築性、さらに怒りやルサンチマン、秘めたる野心とアイデンティティ──そういったものが余すところなく注ぎ込まれていて、この一曲だけでマイファスがどんなバンドなのか、何を求め何と闘い、いかなる思想性を持ちあわせている連中なのかが一発で伝わるだろう。まさに“全部入り”。これぞマイファス。以前は線の細さも感じられたHiroのボーカルは──ナイーブでフラジャイルな感性はそのままに──俄然、力強さと訴求力を増していて、著しい成長を感じさせる。カップリングも佳曲揃いで、ファンならずとも手にしてほしい一枚だ。

 AIR SWELL、BLUE ENCOUNT、SWANLY DANKと全国を回った“BONEDS TOUR”は全公演即日ソールドアウト(!)となり、過熱する一方の新世代ラウド・シーン。その急先鋒として猪突猛進するマイファスから当分目が離せそうにない。

(奥村明裕)

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