クレイジーケンバンド SINGLE「スパークだ!」ディスクレビュー

スパークだ!

SINGLE

クレイジーケンバンド

スパークだ!

UNIVERSAL SIGMA

2014.07.16 release

初回限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


嗅覚まで刺激する郷愁感サウンドと普遍的メロディ

 夕暮れどき、住宅街を歩いていると、どこかの家からふわっとにおってくるカレーのにおい。そのにおいに子供の頃の記憶や感覚がフラッシュバックして、“なんとも言えない懐かしい気持ち”に包まれた経験は誰にでもあるはず。これは人間の五感の中で大脳の感情や記憶を司る部位に唯一直結しているのが嗅覚で、嗅覚から思い出す記憶が最も鮮明かつ感情的であるからだそう。ちなみに五感の中で記憶を甦らせるのは、嗅覚>聴覚>視覚の順番。写真を見て記憶が甦るのはそこにたくさんの情報が詰め込まれてるからで、そのときの感情まではあまり思い出さないらしい。へぇ、たしかに!

 クレイジーケンバンドの1年2ヵ月ぶりの音源となる最新シングル「スパークだ!」は、そんな“なんとも言えない懐かしい気持ち”を音楽で表現したミディアムで郷愁感あるナンバー。ホーンの響きが哀愁を誘う、ゆったりと心地よいモータウン風サウンドに乗せた、豊かで普遍的なメロディ。昭和のにおい漂う楽曲に懐かしさを感じる大人だけでなく、若い子たちも「イイネ!」と言わせるポピュラリティを持った曲だなと思ってたら、「NHK みんなのうた」に描き下ろした楽曲だと知り納得。「なりたいものはなんだろ?」と大きな夢を見ていたあの頃を懐かしむことで今、この瞬間の大切さを再確認し、「スパークだ!」と自分を奮起するこの曲。子供たちはどんな気分で聴いているんだろう? などと考えたら、楽しくなってきてしまった。

 郷愁感あるサウンドに乗せて、「夕暮れの小径 お寺の鐘が鳴る」と始まる歌詞は聴覚だけでなく、陽が落ちて少し涼しくなった夏の夕方のにおいも鼻を掠めるようで、あの頃の記憶を鮮明に甦らせてくれる。そういや自分が子供の頃、「ザ・ベストテン」なんか観てても、アイドル・ソングより「ルビーの指輪」や「奥飛騨慕情」みたいな大人っぽい曲のほうが記憶に残ったりして。大きくなって有線で流れるのを聴いて懐かしく思ったり、“こんなこと歌ってたんだ!”と改めて思ったりしたもんだが。今、「みんなのうた」を観てる子供たちが大きくなって改めてこの曲を聴いたとき、僕らが楽曲から感じるノスタルジックさとはまた違う懐かしさを感じるのかと想像すると、それもまた面白い。「俺は俺だぜ」とノーコメントを貫く、ファンク・チューン「no comment」もクールで渋くて最高にカッコいい! さらにライブDVD「FLYING SAUCER 2013」、大人気老舗コンピ・シリーズ『フリー・ソウル』のクレイジーケンバンド盤『フリー・ソウル・クレイジーケンバンド』も同時発売! この夏は、CKBでスパークだ!!

(フジジュン)

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