ACIDMAN SINGLE「Stay in my hand」ディスクレビュー

Stay in my hand

SINGLE

ACIDMAN

Stay in my hand

Virgin Records

2014.07.16 release

<CD>


鮮やかに描き出された光の煌き

 4月にリリースした「EVERLIGHT」以来、約3ヵ月ぶりとなるACIDMANのニュー・シングル「Stay in my hand」。この作品を手にとってアートワークの鮮やかな虹色を見て綺麗だと現を抜かしていた人ほど、表題曲を聴いたときに“そうきたか”と思うのではないだろうか。私は完全にそのクチだった。

 リリースに先立ち7月2日に行われたBOOM BOOM SATELLITESとの2マンで披露され、幸運にも私は音源を聴く前にそこで聞くことができたのだが、イントロのドラムからかき鳴らされるダイナミックなサウンドは“虹色”とは裏腹に、闇の中を照らす一筋の光のように鋭く、衝動に満ちていた。まばゆい光に潜む色彩、その尊さ、儚さを、熱量を持って落とし込んだ至高のロック・チューンだ。

1人ひとりが持つ“色”。ジャケットと同時に公開された約120名を越えるバンドマンを迎え撮影された圧巻のフォトビジュアルも、この楽曲のメッセージと重ね合わせて見るとさらに強烈な印象になるはずだ。カップリングには、過去の楽曲をリアレンジ、セルフ・カバーするSecond Lineシリーズが2曲収録されている。夏本番を迎えた今の時期にぴったりの「スロウレイン(Second line)」では、2006年に発表した「シンプルストーリー(Second line)」ぶりとなる、ジャズピアニスト・板橋文夫氏とコラボ。ジャス特有のシンコペーションと煌くピアノ、アコースティックによる演奏は、肩の力をふと抜きたくなるようなやさしい音色。それにより一節一節のリリックが際立ち、大木伸夫(vo、g)の歌唱がしっかりと耳に入ってくる。大胆なアレンジではあるが、原曲の4つ打ちのグルーヴとひと味違う、あらたな魅力を纏っている。一方で「HUM(Second line)」は、ヒップホップ調のビートを軸に電子音が加えられ、よりシリアスなサウンドに進化。生音が削ぎ落とされつつも、生々しさすら感じるほど血が通っているACIDMANらしいバラードだ。3人編成では表現しきれない世界観を絶妙なバランスで加え、仕上げている聴き応えのある2曲だ。

 今作もバンドが掲げる“生命”というテーマを貫き、それを鮮烈に切り込んだACIDMAN。話はやや戻るがこれから各地で「Stay in my hand」が披露されることになるが、聴いた者の心に響くほど存在感を放っていく曲になることは間違いない。ああ、最高だ。

(大島あゆみ)

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