怒髪天 ALBUM「問答無用セレクション 金賞」ディスクレビュー

問答無用セレクション

ALBUM

怒髪天

問答無用セレクション “金賞”

テイチクエンタテインメント

2014.07.02 release

初回プレス盤スペシャルスリーブ付/写真
通常盤


“初めての怒髪天”と言える入門編、歴史を紐解く重要参考資料

 今年1月、結成30年目にして初の日本武道館公演を達成した怒髪天が、30周年アニバーサリー・イヤーを記念してリリースするベスト盤。3枚組39曲入りという“問答無用”な今作。先日、取材に訪れた際、「バンドも長くやってると、最近知った人は“どれから聴いたらいいんだ?”と思うだろうからさ。コレと最新作だけ聴いとけば、まずは間違いないってもんを作りたかったんだよ」と本人も語っていたが、過去アルバムの代表曲&ライブ定番曲がズラリ並び、“初めての怒髪天”と言える入門編にピッタリの作品。さらに『痛快ビックハート維新’95』(1995年発表)収録の「江戸をKILL」を再録した「江戸をKILLⅡ」や、怒髪天に豪華メンバーを加えた12人編成のスペシャル・バンド、怒髪天&THE JOE-NETSによる「D&Jのテーマ」「東京衝撃」「情熱のストレート」など未発表音源の収録は熱心なファンも大納得の内容。

 1996年に活動を一時休止し、1999年に再始動した怒髪天。<disc 1>1曲目「江戸をKILLⅡ」に続いて収録された、VA『極東最前線』(2000年7月発売)収録の「サムライブルー」は、「望んでも望まれずフリダシに戻る」とゼロから再スタートを切った当時の空気感や切実な想いが楽曲に詰め込まれており、そのエモーショナルな演奏と歌声がギューッと胸を締め付ける。ほぼ時系列順に収められた今作は再始動時から、最新シングル曲「どっかんマーチ」(2013年9月発売)に続く怒髪天の歴史を紐解くうえでの重要参考資料でもある。

 僕が初めて怒髪天を見たのは2000年、渋谷CLUB QUATTROで行われた『極東最前線』のレコ発ライブ。ほぼなんの情報もない中で見た怒髪天のステージはとにかく衝撃的だったし、ライター仕事を始めたばかりで孤軍奮闘していた僕の気持ちに怒髪天楽曲がビシバシと刺さりまくって大号泣。ライブ一発でベタ惚れした僕は、“大人になってから、こんな好きなバンドに出会えると思わなかった”というくらいの怒髪天信者に。今作に収録された「酒燃料爆進曲」「蒼き旅烏」「欠けたパーツの唄」なんてインディーズ時代の名曲には、“俺も負けてらんねぇ!”と何度も何度も奮起させられたし、これらの曲を聴くたびに当時の気持ちや風景を思い出して胸が熱くなる。心が弱ってるとき、負けそうになったとき、心の隙間にスッと飛び込んできては“心配すんなよ”と励ましてくれる怒髪天の楽曲たち。『問答無用セレクション“金賞”』がたくさんの人の励ましになり、支えになればいいなぁと思う。俺たちの旅はまだ終わらねェ、のだ。

 そして、同時発売のシングルはなんと、ドラム・坂詰克彦のソロ・デビュー・シングル! ムーディーな昭和歌謡テイスト全開のアレンジに、味のある坂さんの美声が響く今作は圧巻&大爆笑! ベスト盤が39曲入り¥2,500と激安だから、30周年のご祝儀の意味も含めて同時購入してみては?(笑)

(フジジュン)

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