BiS ALBUM「うりゃおい!!!」ディスクレビュー

うりゃおい!!!

ALBUM

BiS

うりゃおい!!!

avev trax

2014.07.02 release

愛しの愛DOLL BOXセット/写真 <2CD+3DVD+GOODS>
DELUXE盤 <2CD+DVD>
CD盤 <CD>


エモく優れた楽曲の詰まった、BiSの音楽の集大成

 アイドルの常識をひっくり返す活動を繰り返し、7月8日、横浜アリーナでの“BiSなりの武道館”でついに解散する新生アイドル研究会、BiS。3年5ヵ月の活動期間中、全裸PV、スクール水着ライブ、24時間ライブ、24時間マラソンなどなど数々のエピソードを残してきた彼女たち。メンバーの脱退と加入もガンズ・アンド・ローゼズばりに激しく、現在のメンバーは、プー・ルイ、ヒラノノゾミ(2人はオリジナル・メンバー)、カミヤサキ、テンテンコ、ファーストサマーウイカ、コショージメグミの6人。

 ベスト・アルバム『うりゃおい!!!』のCD盤は、最終形メンバーでこれまでの楽曲を再レコーディングし、さらに新録曲も収録した文字どおりの“PERFECT BEST”(“愛しの愛DOLL BOXセット”“DELUXE盤”には共通して、カバー曲集“COVER BEST”とMUSIC CLIP集が収められている)。何かと話題先攻型のBiSではあったが、これまで支持され続けた根本のひとつにあるのは、楽曲がずば抜けて素晴らしかったこと。サウンド・プロデューサーの松隈ケンタ(SCRAMBLES)の作る楽曲は、パンク、エモ、ピコリーモといったサウンドをベースに、メロディの際立つものばかり。さらに歌詞は、作家の書いたものもあれば、メンバー自身が手がけものもあったりと、BiSのそのときの状態がリアルに反映されることも多かった。

今回のベスト・アルバムは、ボーカルの歌い直しだけでなくトラックも再レコーディング。アレンジも変化していたりと、以前からのファンにも新鮮に楽しめる作品となっている。選曲は、シングル、アルバムからの代表曲が発表順に並んでいる。「nerve」「My Ixxx」「primal.」「IDOL」などのライブで盛り上がるアップ・チューンがBiSの中核になっているわけだが、メロウなソウル・フレイバーの「太陽のじゅもん」、どバラード「primal.2」もあったりと、楽曲の振り幅を改めて知ることができる。そして、アルバムとBiSのラストを飾る新録曲「ただ泣いて」は、パワフルでメロディックなロック・チューン。「ただ泣いた笑った日々」「壊れた時計さえ無い」といった歌詞と、突き抜ける明るいメロディのギャップが、BiSの終わりを痛烈に感じてしまった。でもヘンにジメっとするんじゃなく、明るくフィニッシュするのも切なくも清々しい。

 メンバー間の人間関係もむき出しにし、マネージャーからの無茶な要求も受け止め、ボロボロになりながらも走り続けたBiS。武道館で解散という目標を持ちながら諸事情により武道館でライブができないという状態になってしまったが、すべてひっくるめてBiSらしい。まさに記録より記憶に残るアイドル、BiS。この『うりゃおい!!!』を聴いて、彼女たちの音楽の集大成を思いっきり楽しもう。

(土屋恵介)

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