Lyu:Lyu – ミニ・アルバム『GLORIA QUALIA』を引っ提げ全国を回ったLyu:Lyu。LUNKHEADをゲストに迎え行ったツアー・ファイナル公演をレポート!

Lyu:Lyu

ミニ・アルバム『GLORIA QUALIA』のリリースに伴う全国ツアーの最終公演が6月26日(木)、TSUTAYA O-WESTで行われた(ゲスト・バンド:LUNKHEAD)。コヤマヒデカズ(vo、g)がイニシアティブを握る形で制作された『GLORIA QUALIA』を軸にしたこのツアーのなかでLyu:Lyuは“根本的なアイデンティティ”と“あらたな進化”を同時に感じさせてくれる、素晴らしいステージを展開してみせた。

TEXT BY 森 朋之/PHOTOGRAPHY BY 大参久人

彼らは、自らの存在意義をはっきりと示してみせた

 7曲入りミニ・アルバム『GLORIA QUALIA』の制作は、コヤマヒデカズ(vo、g)が作った緻密なデモ音源をもとに進められたという。それまでのジャム・セッションを中心とした作り方ではなく、コヤマが主導権を握ることで、『GLORIA QUALIA』はLyu:Lyuの本質──消えることのない葛藤、他者や社会に対する違和感、そこから抜け出そうという意思──がさらに前景化した作品となった。そして本作を引っ提げたツアーによって彼らは、自らの存在意義をはっきりと示してみせたのだった。

俺たちは似たもの同志

『GLORIA QUALIA』リリース・ツアー、最終日。まずはゲスト・バンドのLUNKHEAD。メジャー・デビュー10周年を迎えた彼らは「果てしなく白に近づきたい青」「潮騒」などの代表曲を次々と披露。圧倒的なテンションの高さとギター、ベース、ドラムがせめぎ合うような個性的なアンサンブル、そして、現実と格闘をしながら、“それでも前に進んでいくんだ”という思いを反映した歌をダイレクトに放ちまくる。「Lyu:LyuとLUNKHEADの共通点は“LとU”。“Like you”ですよ。俺たちは似たもの同志やろう!?」(小高芳太朗/vo、g)という言葉も印象に残った。

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SETLIST

01. 閃光
02. 果てしなく白に近づきたい青
03. 潮騒
04. ゲノム
05. 十六夜の月の道
06. シンドローム
07. ぐるぐる
08. スモールワールド

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この場にいてくれるだけでうれしい

 20時を過ぎた頃、ついにLyu:Lyuのライブが始まる。コヤマはまず、ステージの前方に進んでていねいに一礼。定位置に戻ると、美しさと憂いを混ぜ合わせたノイジーなギター・サウンドを描き始める。さらに鋭さを増したリズム・セクションが加わり、オープニング・ナンバー「先生」へ。ダークな音像のなかで、自らの存在価値を必死に探し続ける姿を映し出した歌詞が広がっていく。オーディエンスはほとんど身体を動かすことなく、コヤマの歌に集中している。さらに“こんなに痛いなら、感情なんて消えてしまえ”と叫ぶ「Seeds」、日常に流される自分への不安を綴った「アノニマス」を演奏し、最初のMC。

「5月7日に『GLORIA QUALIA』を出すことができました。CDを作るにはたくさんの時間、気合いが必要で、途中“ホントに出せるのかな”と思ったこともあったけど、無事に出せて、ツアーを回って、今日が最終日です。ライブのときにいつも言ってることがあります。手を上げてもいいし、上げなくてもいいです。この場にいてくれるだけでうれしいので、好きなように楽しんでください」

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ライブが進むにつれて精度を増していくアンサンブル

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 コヤマの誠実な言葉をきっかけに、3人はさらに集中力を高め、震えるような緊張感をたたえた演奏を繰り広げる。音数を抑えることによって、ドラマチックなメロディを際立たせていた「初めまして」、「自分のことしか考えてなかったときの歌を歌います」(コヤマ)というコメントに導かれた「文学少年の憂鬱」、かけがえのない“あなた”を失ったときの絶望と後悔がまっすぐに伝わってくる「Y」、そして、ロカビリーのテイストを感じさせるアレンジと和テイストの旋律が共存する「ランララ」(ドラムの有田清幸が立ち上がり、観客を煽る!)。ライブが進むにつれて精度を増していくアンサンブルも印象に残った。“メロディと歌詞を際立たせる”というコンセンサスはさらに強化され、コヤマのボーカルとギター、ドラム、ベースのフレーズが有機的に絡み合う。コヤマのデモ音源をもとにした『GLORIA QUALIA』のレコーディング、そして、今回のツアーによってこのバンドの表現力は大きく向上しているようだ。

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「5年間、このバンドを続けてこられたのは、皆さんのおかげ。皆さんからもらったリアクションを、全力でお返ししたいと思います」(コヤマ)という言葉を合図にして、ライブはクライマックスに突入。シャープな疾走感をたたえたバンド・サウンドによって、会場の熱気がさらに上がった「ドッペルゲンガー」、鋭利なギター・リフを軸にした「黒煙」、心地いいグルーヴ感とダイナミックなパワーを持ったメロディがひとつになった「空 -カラ-」。シリアスなメッセージ性に注目が集まっている彼らだが、’90年代のオルタナティブ・ロック、シューゲイザーなどのテイストを取り入れながら、ダークかつエッジ―な手触りを備えたロック・ミュージックに結びつけるスタイルも極めて魅力的だ。

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自らの音楽とLyu:Lyuというバンドに対する強い確信

 そしてコヤマは、これまでのバンドのキャリアについてゆっくりと話し始める。ひとりで活動していたとき、“自分が本当にやりたことはこれだったのかな?”と思い、もう一度バンドを結成すべく、メンバーのふたり(有田、純市)に連絡を取ったこと。最初のスタジオでthe pillows、syrup16gの楽曲をカバーしたこと。すぐに初ライブを行い、それからいろいろなことを経験しながらも、今、このステージに立ち、音楽を続けられていること──「やっていて良かったと思います」とはっきり口にしたコヤマからは、自らの音楽とLyu:Lyuというバンドに対する強い確信が伝わってきた。

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 本編ラストの「メシア」も素晴らしかった。「俺はバカだから、“明日が来なければいい”と思っていました。でも、イヤでも来てしまう“明日”の積み重ねが“今日”だとしたら、それは案外、悪いものではないなと思います」というコメントともに演奏されたこの曲は、美しいメロディ・ラインと“役にも立たないこんな日々も 死ねば奇麗に映るかな”というラインが溶け合うミディアム・チューン。楽曲のクオリティの高さ、コヤマの精神性が強く反映されたリリック、リスナーに与えるインパクトを含め、この曲は現時点におけるLyu:Lyuの最高傑作だと思う。

ファンとバンドの心理的な距離は確実に近づいている

 アンコールでは『GLORIA QUALIA』のラストに収録されている「彗星」を披露。間奏パートでコヤマがステージの前方に進み、オーディエンスと積極的にコミュニケーションを取る。“孤高の存在”というイメージもあったLyu:Lyuだが、知名度が上がり、楽曲が浸透していくことで、ファンとバンドの心理的な距離は確実に近づいているようだ。

 この秋、シングルのリリース、そして東名阪にてあらたなワンマン・ツアー“ディストーテッド・アガペーの世界”の開催も決定。WHAT’sIN?WEBで連載中の「続・ディストーテッド・アガペー」と同じタイトルを冠し、「(連載を)音楽に還元して、今までにやったことのない形のライブになると思います」(コヤマ)というこのツアーにもぜひ注目してほしい。

SETLIST

01. 先生
02. Seeds
03. アノニマス
04. 初めまして
05. 文学少年の憂欝
06. Y
07. ランララ
08. ドッペルゲンガ―
09. 黒煙
10. 空 -カラ-
11. メシア
<ENCORE>
12. 彗星

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PROFILE

リュリュ/コヤマヒデカズ(vo、g)、有田清幸(ds)、純市(b)により’09年に結成された3ピース・バンド。現在までにシングル「嘘と朝日」「潔癖不感症」、配信シングル「Seeds」ミニ・アルバム『32:43』『太陽になろうとした鵺』『プシュケの血の跡』、フル・アルバム『君と僕と世界の心的ジスキネジア』を発表。今年5月7日には待望のミニ・アルバム『GLORIA QUALIA』をリリース。秋にはニュー・シングルのリリース、そして“ディストーテッド・アガペーの世界”と題した東名阪ツアーの開催が決定している。

LIVE INFORMATION

ディストーテッド・アガペーの世界
10月24日(金)大阪 心斎橋JANUS
11月3日(月・祝)愛知 名古屋ell.FITS ALL
11月7日(金)東京 渋谷 TSUTAYA O-EAST

関連リンク

OFFICIAL WEBSITE

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