DOES SINGLE「紅蓮」ディスクレビュー

紅蓮

SINGLE

DOES

紅蓮

キューンミュージック

2014.07.02 release

DOES盤 <初回生産限定=CD+DVD>
NARUTO盤 <初回仕様限定=CD>


11年目の新章開幕。王道スタイルのその先へ

 1年7ヵ月ぶりのシングル。結成10周年を迎えた2013年は、過去のアルバム再現ライブや対バン10本勝負という特別企画で盛り上げつつ、リリース未定の新曲もどんどん披露するという、過去・現在・未来が交錯する実に面白い1年だったが、久々のリリースはすなわち新章開幕の合図。溜め込んだエナジーを炸裂させる、怒涛の活動をこれから期待したい。

 「紅蓮」は、そんなバンドの現在位置を正確に映す、再スタートの気迫みなぎる曲だ。人気アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」オープニング・テーマというこのうえなく恵まれたシチュエーションだが、ナルトの世界観を“愛ゆえの光と影の戦い”と喝破したうえで、歌詞にメロディにサウンドに、深く刻まれたDOESの刻印に甘さや媚びはいっさいなし。ドラム、ベース、ギターが一体となってドアを激しく叩くようなイントロのインパクト、ウラ打ちを意識した揺れるリズム、前向きにつんのめるような切迫感溢れるアンサンブル。一発で覚えられる、サビのメロディのキャッチーさ。「紅蓮の愛が心を焼いて 風に迷えば涙が落ちる」と、得意の七五調を駆使したハードボイルドな抒情詩の世界。曲調やテーマはDOESの王道曲「修羅」「曇天」に通じるものだが、「紅蓮」は8ビートのロックンロールではなく、キックの4つ打ちなどダンサブルな要素が取り込まれ、大型フェスなどで威力を発揮しそうな強い普遍性を主張している。

 ソング・ライターの氏原ワタルは、一見タフで無骨なロッカーと思わせて、実のところきわめて幅広い音楽的発想を持つ男。1年半前のシングル「夢見る世界」で大胆なエレクトロ・サウンドを聴かせて聴衆を驚かせたことからもわかるとおり、隙あらば新しいスタイルに挑もうとする野心的音楽家だ。大ヒット「修羅」「曇天」のイメージを常に求められつつ、軽やかに期待にこたえながらリズムやアンサンブルであらたなアプローチを試す、その姿勢が「紅蓮」にはよく出ている。

 カップリング2曲目の「フューチャーボーイ」で、ベースの赤塚ヤスジが初めて作詞作曲&ボーカルを手がけたのも、バンドとして意欲的な前進だ。こちらはいかにもヤスらしい、少年のロマンチシズムを内に秘めたワイルドなロックンロール。面白い新曲がこの後続々登場してきそうな、期待感溢れるニュー・シングルだ。

(宮本英夫)

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