テスラは泣かない。 ALBUM「TESLA doesn’t know how to cry.」ディスクレビュー

TESLA doesn’t know how to cry.

ALBUM

テスラは泣かない。

TESLA doesn’t know how to cry.

Virgin Music

2014.06.25 release

初回限定盤 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


負けない理由

 鹿児島発、“マグマロック”を掲げる4人組のメジャー・デビュー・アルバム。先日に自主企画ライブでヒトリエと対バンしていた彼らだが、彼らもヒトリエも、高速BPMの鮮烈なダンス・ロックをガシガシと叩きつけてくるタイプのバンドだ。KANA-BOON、KEYTALK、ゲスの極み乙女。、キュウソネコカミなどなど、今のロック・シーンの潮流となりつつあるサウンド・スタイルである。

 が、ちゃんと言っておきたいのは、テスラは泣かない。というバンドは、決して“流行りに乗った”結果としてこのサウンド、この曲調を選んだのではない、ということ。別にフェスのお客さんにウケようと思ったり、ブームに迎合したりしたわけじゃない。むしろその逆。そのことは、自主制作CD-R時代の代表曲も新録で収録するこのアルバムで証明している。結成は2008年。鹿児島の秘密基地で独自の音楽を煮詰めていた彼らが、その頃に偶発的に生まれた「パルモア」で発火。中毒性を持つピアノのリフでオーディエンスを踊らせるツボを発見する(ちなみに前述のヒトリエの中心人物・wowakaがボカロPとして高速ダンス・ロックの“ツボ”を発明したのも、ちょうど同じ頃のことだったりする)。影響を受けたのはNUMBER GIRL『SAPPUKEI』。オルタナと祭り囃子を混血させたナンバーガールの遺伝子を受け継ぐ“鬼っ子”としての存在だ。

 そして、満を持して作り上げたデビュー・アルバムは、クラムボンのミトが全曲プロデュース。さすが、音の強さ、エッジの立ち方が際立っている。リード曲の「Cry Cry Cry」に顕著だけれど、単に“踊らせる”だけじゃなく、ピアノとギターとベースのアンサンブル、がむしゃらなメロディで“駆り立てる”べくギアを一段あげている感じがする。

 ちなみに、ミト氏はFacebookでこのアルバムを“EDMとアニソンとアイドル・ソングを同時にかけても絶対に負けないロック”と書いていた。

 うん、負けないと思う。

(柴 那典 )

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