THE BAWDIES – 爽快ロックンロール・サウンドが鳴る彼らのシングルでこの夏は踊れ! フロントマンROYのソロ・インタビューを敢行。バンドの神髄を探る。

THE BAWDIES

結成10周年のアニバーサリー・イヤーを駆け抜けているTHE BAWDIES。彼らから届けられた両A面のニュー・シングル「NICE AND SLOW/COME ON」がとても素晴らしい。進化を求めるのではなく、あえてバンドのルーツに踵を返し本質を研ぎ澄ますことで、“これぞ、THE BAWDIESのロックンロール!”と快哉を叫びたくなる2曲が生まれた。さらに初回限定盤には、3月にBillboard Live Tokyoで開催されたプレミアム・ライブの音源も収録。スカパラ・ホーンズやハマ・オカモトらが参加したこの豪華ライブ音源も単体でリリースしたらいいのに! と思うほど大充実の内容になっている。今回はROYにソロ・インタビューを敢行し、“THE BAWDIESが体現するロックンロールの真髄とはなんなのか?”を語り合った。

INTERVIEW & TEXT BY 三宅正一

 

いきなりリトル・リチャードを聴かせてもわからないと思った

──ニュー・シングルと初回盤に収録されているBillboard Live Tokyoのライブ音源を聴いて、今日は改めてTHE BAWDIESを褒めなきゃなと思って。

あ、うれしい! 褒めてー!(笑)

──いや、ホントに。ここまでオーセンティックなロックンロールを死守しながら多くのリスナーを惹き付けてるのってやっぱり驚異的なことだと思うから。この戦いは相当タフだし。何を今さらな話ではあるんだけど。特に今の日本のロック・シーンを踏まえたら、すごく貴重な戦いをしているバンドだなって。

ああ、ホントにうれしいですね。そこまで汲み取ってもらえてるのは。先輩方々はそういうふうに感じてくれてると思うんですけど、若い人からしたら、今、目の前にたくさんあるものが主流になるから。あとはテレビからの情報だったり。その中でTHE BAWDIESがどういう意志を持ってこういうロックンロールを鳴らしてるのかというところまではなかなか汲み取れなかったりするだろうし。表面的に見たら“あ、はやってるロックとは違うな”っていうくらいの感じだと思うんですよね。音的に少し変わったバンドっていう。でも、そういう人たちの足を止めたり、振り向かせることをしていかなければいけないって今はすごく思っていて。そのうえで三宅さんが言ってくれたような感想をもらえるのはすごくうれしいです。

──もちろんTHE BAWDIESは音楽至上主義のバンドだし、答えはすべて音楽の中にあるという想いを持ってると思うんだけど。その姿勢はずっと示してると思うし。キャリア的にはもう中堅と呼ばれる季節に入ってますよね。

そうですね。もう中堅ですね。

──ホントによくこのスタイルで市民権を得たと思うし、ここまでルーツに根ざしたロックンロールを鳴らしてもポップに聴こえるという耳を啓蒙したとも言えると思うんですけど。

いやあ、うれしいっす。

──でも、そういう自負があるでしょ?

ありますね。“なんで自分たちの大好きなルーツ・ミュージックって世間には浸透してないのかな?”って最初に思ったときに、やっぱりコアに好きな人たちの中で終わってしまってると感じたのが大きくて。でも、俺らはその魅力を伝えたい。“じゃあ、どうしたらいいんだろう?”ってなったときに、いきなりリトル・リチャードを聴かせてもわからないと思ったんですよね。

──あまりにもルーツすぎて。

そう。でも、そこで何かひとつ噛ませることで、“あ、リトル・リチャードって人はこんなにカッコいいロック・シンガーなんだ、この人がロックンロールの原点なんだ”って広がっていく可能性はあると思ったんですよ。で、俺らはその噛ませる何かになれればいいなと思って。

──HUBのような役割を担いたいと。

そうですね。俺らより先輩の世代だと、例えば「ブルース・ブラザーズ」を観たり聴いたりしてからルーツ・ミュージックを聴いて、“あ、なるほど、ここに繋がってるのか”ってわかって、改めて「ブルース・ブラザーズ」の魅力に気づいたりとか、そういうことがあったと思うんですよ。だから、「ブルース・ブラザーズ」的な存在って絶対に必要だなって思う。’60年代だとザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズが、自分たちが影響を受けたリズム&ブルースをスタイリッシュに表現することで、ルーツの作品がまた日の目を見たりとか。

──日本はその構造を作るのもさらに難儀だしね。

そうなんですよ。特に日本はより伝わりにくい環境であることはあきらかで。それをどう伝えるかっていうときに、俺らは現代の音楽に合わせることはしたくなかったんですよ。

カッコいいなと思うバンドは自分たちが好きな音楽をちゃんと鳴らしてる

──そもそもそこがかなり強気なわけで。サウンドもフレーズやネタの引用レベルじゃなく、ストレートにオーセンティックのロックを体現するっていう。そもそもなんでそんな強気になれたんだろうって思うんだよね(笑)。

そうですね(笑)。やっぱり影響を受けた大好きな音楽の魅力をそのまま伝えたかった。でも、現代の人にはなかなか伝わりづらいってなったときに、もう俺らは俺らの感覚のままやればいいと思ったんですよ、単純に。

──いや、だから、なかなかそうは思えないと思うんだけど。メンバー4人が4人、とにかく無邪気だったのかな(笑)。

それもあると思います(笑)。だけど、どうしたって自分たちは現代の人間なので、自然と現代的な感覚は出てしまうと思ったんですよ。それはそれでいいなと思って。逆に現代の人たちに伝わる可能性にもなると思ったから。ただ、俺らがいちばん気にした点は“新しい音楽だね、カッコいいね、キャッチーだね”って言われる以前に、“何これ!?”って言われたかったんです。

──刺激的な異物でありたいと思った。

そうです。“何これ!?”ってなれば、みんなちょっとでも足を止めると思ったんです。そこから“カッコいいね、キャッチーだね、面白いね”って思わせればいいって。

──勝算は最初からあった?

ありましたね(キッパリ)。

──カッコいいねえ。

俺も最初にザ・ソニックスを聴いたときに“何これ!?”って思ったから。“これはみんな聴いたことがないだけで、誰もがぶっ飛ばされる音楽だ!”って。俺らもバンドとしてこの感動をみんなに伝えればいいんだって思ったんです。

──だから、THE BAWDIESってすごく夢のあるバンドだなって思う。

ありがとうございます。いろんなタイプのバンドがいると思うんですけど、俺がカッコいいなと思うバンドは自分たちが好きな音楽をちゃんと鳴らしてる人たちで。当たり前だけど、これってすごく難しいと思うんです。だからお客さんのためにやってるバンドはすごく嫌いで。“こうやったら絶対喜ぶ”とか“こうやったら絶対盛り上がるだろう”とかそういうふうに考えてるバンドはイヤですね。

──でも、今はそういう発想のバンドのほうが多いかもしれない。

そうかもしれないですね。お客さんの反応ありきで音楽をやってるバンドって、絶対的に熱くならないと思うんですよ。煮えたぎってるものが何もないと思う。

──うん。THE BAWDIESもお客さんに対する高いサービス精神を持ってるんだけど、それはあくまで音楽至上主義の上に成り立ってるもので。

うん。例えば、盛り上がりだけを追っていくと、日本人って踊るのがうまくないから、4つ打ちやったら絶対ウケるんですよね。

──グルーヴで踊るって感じではないよね。

そうそう。それはちょっと寂しいなって思うから。ただ、4つ打ちがはやるのは全然構わないんですよ。理解できるし。なら、俺らはあえてファンキーな曲に4つ打ちを合わせたりとかして“どうせやるなら、こうやったほうがカッコいいんじゃない?”っていう提案をしたいと思っていて。

──いいっすね。

お客さんを踊らせたい気持ちは俺らも同じなんですけど、それだけで終わってほしくないなって思う。

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