モーモールルギャバン MINI ALBUM「モーモールル・℃・ギャバーノ」ディスクレビュー

モーモールル・℃・ギャバーノ

MINI ALBUM

モーモールルギャバン

モーモールル・℃・ギャバーノ

ビクターエンタテインメント

2014.06.25 release

初回限定盤 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


もっと“濃い”自身を見せるため、本当の意味で初心に戻る一枚

 今年1月、1月末より始まる全国ワンマン・ツアー “「乱れうち。」からの、「打止め!」”のツアー・ファイナルを持って、ライブ活動を無期限休止することを宣言。5月17日、宮城・BLUE RESISTANCEでのライブを最後に、「よりもっと“濃い”モーモールルギャバン」を見せるため、期限を決めない制作期間へと突入したモーモールルギャバンの最新ミニ・アルバム。とは言え、収録された新曲は「ハイヒールブルース」の1曲のみ。その他4曲は結成当時、まだギタリストを擁する編成だった頃の初期レア音源で構成された、過去から現在、そして未来を見据えた試金石的作品。

 ツアーの合間を縫って制作された、ポップでサイケデリック、キャッチーさと変態性を合わせ持つアップ・テンポな新曲「ハイヒールブルース」で始まる今作。2曲目「最後の青春パンク」のイントロがドラえもんのタイムマシンに乗ったときのアレみたいな、サイケな鍵盤の音で時空のうねりを奏でると、初期モーモールルギャバンの音楽世界へタイム・スリップ。ドラマチックでドラスティックな「愛のテーマ」、ノイジーな歌詞とサウンドが強烈な「クソまみれの僕ら」、オルガンのサウンドに乗せた神々しく仰々しい雰囲気で始まる「頭がクサいと君に言われ5日ぶりに風呂に入った」と、シンプルながらしっかり耳に残るサウンド、意表を突いた構成、純粋と狂人の紙一重を行き来するギリギリの歌詞世界で表現される楽曲たち。現在のサウンドへと繋がる常識にとらわれない自由な発想と多分なアイデア、メロディの良さと独特のグルーヴ、“愛と性”や“生と死”や“嘘と真実”や“君と僕”といった歌を通じて伝えたいことなど、彼らの今も昔も変わらぬ魅力がギッシリ詰まった今作は、まさにルーツ・オブ・ルーツと言える。

 “これより我ら修羅に入る!”とばかりに、モーモールルギャバンの奥底へと足を進める覚悟を決めた彼ら。普通、バンドって過去音源をリリースするのを嫌がったりするもので、ましてメンバーも異なる初期音源を“これ、音源化してなかったけど、カッコいいから聴いて!”という理由で今作をリリースしたとは思えない。“よりもっと“濃い”モーモールルギャバン”を見せるため、彼らは本当の意味で初心に戻る必要性があったのだろう。初回限定盤DVDには、過去すべてのMVに加え、女優・橋本愛を起用した新曲「ハイヒールブルース」MV、さらにライブ活動休止前のワンマン・ツアーの一部を収めた、ライブ・ドキュメンタリーを収録。ファンはもちろん、入門編としても最適の一枚。今作をたっぷり聴き込んで、近い将来、必ず訪れるであろうバンドの新章幕開けに備えろ!

(フジジュン)

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