赤色のグリッター MINI ALBUM「傘から見た景色」ディスクレビュー

傘から見た景色

MINI ALBUM

赤色のグリッター

傘から見た景色

JACKMAN RECORDS

2014.06.18 release

<CD>


大人には直視がキツイ、剥き出しの音色

 大人になるということは、いろんなことと折り合いがついていくことでもある。言い方を変えれば、知恵をつけていろんなことを諦める技術を身につけていくことでもある。もうとうの昔になるけれど、その知恵を持つ以前の私は、どんなふうに日常を捉えていたのだろう。彼らのように、瑞々しく、諦め悪く、すがりつくように、目の前の景色に向き合えていたのだろうか。

 赤色のグリッターは、千葉・柏出身の男女混合4人組バンド。メンバーの年齢は18歳。何度かのメンバー・チェンジを経て、2013年7月に現在のメンバーとなり本格的に活動をスタート。同年に開催されたアマチュア・アーティスト・コンテスト「RO69JACK 13/14」で優勝し、「COUNTDOWN JAPAN 13/14」に出演。その一ヶ月の2014年1月にはSPACE SHOWER TV主催の新人アーティスト発掘オーディション「Day Dream Believer」でグランプリを獲得。3月には「スペースシャワー列伝JAPAN TOUR2014」のオープニングアクトとして、赤坂BLITZのステージへと立った。

 活動開始から1年足らず、正にトントン拍子でシーンを駆け上がってきた彼ら。日常をノンフィルターで切り取る詞世界は、大人には直視がキツイほど実直で無垢。それでいて、鳴らされる楽曲たちのクオリティは驚くほどの安定感を保っている。激情的なロックバラードの「願いごと」、疾走感溢れるロック・ナンバー「ハナミズキ」、透明感のあるコーラス・ワークが美しいポップ・ロック「あのね、きいて?」。そして何より、それらに綴られた想いを歌う佐藤リョウスケ(vo、g)の声に、このバンドの持つ訴求力の真を見る。どこかの“あなた”を、どうしようも無く欲しがる、折り合いのつかないワガママな欲望と想い。振り絞るように叫ばれる佐藤の声は、色んなものに埋もれていた心の奥底のピュアな部分を抉りだす。ああ、こうしてただ真っ直ぐに生きていたときが、私にもあった。そんな懐古と、そこに生まれたギャップに自嘲する。

 十代にしか生み出せない、十代らしいミニ・アルバムとなっているわけだから、やはりどうしても今後の伸びしろを期待してしまう。これから彼らが大人になったとき、そこに見える景色をどう切り取るのだろう。これからの赤色のグリッターが紡ぎだす音色を楽しみにしていきたい。

(小島双葉)

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