[Alexandros] SINGLE「「Adventure/Droshky!」」ディスクレビュー

「Adventure/Droshky!」

SINGLE

[Alexandros]

「Adventure/Droshky!」

RX-RECORDS/UK.PROJECT

2014.06.18 release

<CD>


レリゴー! アレキサンドロスの冒険の始まり

 今年3月に行われた初の武道館公演が、偶然の巡り合わせによって、奇しくも新バンド名発表のタイミングとなった[Champagne](シャンペイン)改め、[Alexandros](アレキサンドロス)。現在のバンドの勢いと好調ぶりは、その武道館公演の様子を観れば一目瞭然だけど(本作のリリースと同日にDVD/Blu-rayが発売される)、改名後初のシングルとなる「Adventure / Droshky!」は、その思いをさらなる確信へと変えるような一曲となっている。

 ゆったりとしたギターのストロークと歌から始まるミドル・テンポの「Adventure」。いわゆるビッグ・メロディとでも言うべき伸びやかな歌メロを楽曲のど真ん中に置きながら、各楽器の細やかなアレンジをさりげなく響かせるこの曲は、ある種新鮮な驚きを聴く者にもたらせることだろう。どちらかと言うと瞬発力や攻撃的なサウンドを前面に押し出して来たこれまでのイメージからすると、やや意外にも思えるこの曲。しかしそこには、聴けば聴くほど溢れ出すような滋味が、確かに存在しているのだった。

 この曲で川上洋平(vo、g)が目指したのは、“完璧な風景画”を描くことであったという。“Hello”と歌いかける冒頭部から“意味のない単語を綴って 言葉を並べた あるがままに”、そして“意味のない音符を伝って 旋律奏でた ありのままに”と展開してゆく言葉。そう、ここに綴られているのは、バンド・ストーリーとでも言うべき彼らの物語なのだ。それがやがて、楽曲の盛り上がりとともに“いつだって僕達は 君を連れて行く”という力強い宣言へと変わってゆく瞬間の、胸のすくような興奮。そして、具体的に歌詞の中には登場しないにもかかわらず、この曲が“Adventure=冒険”と名付けられていることが持つ意味。

 完璧な風景画──それは、現在の彼らが立っている場所から見える、“ありのまま”の風景を指すのだろう。それを今、しっかりと見据えながら、さらなる意志と覚悟を、決して気負うことなく自然体で歌い上げること。ある意味、偶然がもたらせた出来事だったとはいえ、結果的に[Alexandros]として初めてリリースする楽曲がこの曲になったという事実は、今後ますます大きな意味を持っていくのではないだろうか。楽曲の後半に登場するシンガロングを誘うようなコーラス・パートを含めて、何よりもこの曲はライブで演奏するたびに育っていくような──そして、演奏するたびに新しい意味を獲得していくような楽曲であるように思えてならないから。そういう曲を、僕たちは“ロック・アンセム”と呼ぶのだ。

(麦倉正樹)

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