モーモールルギャバン × 松居大悟 座談会 – 監督・松居大悟の新作映画「スイートプールサイド」。主題歌を手がけたモーモールルギャバンと松居による座談会で甘くも苦い4人の思春期が!?

モーモールルギャバン × 松居大悟 座談会

思春期が抱えるコンプレックスのひとつ、“毛の悩み”がテーマに描かれた、押見修造 原作漫画を松居大悟 監督が実写化した映画「スイートプールサイド」が6月14日に公開を迎える。
昨年秋に、クリープハイプの映像作品を一手に担い、長らく継続している共同作業を音楽映画「自分の事ばかりで情けなくなるよ」に結実させた松居大悟監督。その後、商業映画監督としては、チームしゃちほこの「マジ感謝」を主題歌に起用した映画「男子高校生の日常」(主演:菅田将暉)が公開され、映像作家としては、大森靖子「ミッドナイト清純異性交遊」(主演:橋本愛)のミュージック・ビデオを手がけた。
映像と音楽、演技と音楽の融合を独自ブレンドで果たしている松居監督であるが故に、彼の新作が公開されると聞いて最初に頭に浮かんだのは、“主題歌は誰なのか?”ということだった。
果たして彼は、「初めて自分発信で作った映画」という「スイートプールサイド」の主題歌を、ライブ活動の休止を宣言したばかりの3人組バンド、モーモールルギャバンにオファーしていた。毛の悩みを描く青春映画にモーモーを指名した理由はなぜなのか? 映画公開直前に、面と向かって話すのは初めてという松居監督とモーモールルギャバンの座談会が実現した。

映画「スイートプールサイド」とは? レビューはこちら!

TEXT BY 永堀アツオ / PHOTOGRAPHY BY 関信行(go relax E more)

 

主題歌オファーのきっかけ

──本日は、松居監督が映画「スイートプールサイド」の主題歌をモーモールルギャバンにお願いした経緯からお伺いしたいと思うんですが。

松居大悟 その前に、ちゃんとお話するのは、今日が初めてなんですよ。
ゲイリー・ビッチェ いつもライブに来ていただいてて、ありがとうございます!
松居 でも、ライブ直後は緊張してしまって、いつもうまくしゃべれないんですよね。先日の(ライブ活動無期限休止直前のツアー“「乱れうち。」からの「打止め!」”の)ZEPP TOKYOでのライブは落合(モトキ/本作に水泳部OBとして出演)くんと一緒に行って。落合が仲良さそうに話してたので、なんかしゃべんなきゃなって思いながらも、結果、ひと言もしゃべれずに関係者挨拶の行列を通り過ぎたっていう……。
ユコ・カティ あははははは。
ゲイリー 落合くんは「ゲイリーさん、飲みましょうよ」って気軽に電話してきますけどね(笑)。
松居 あの……だから、今日はちょっと緊張しながら進行していくと思うんですけど。
ユコ いや、何も緊張することはないかと(笑)。
松居 すみません、よろしくお願いします!

コンプレックスに正面から向き合うためにも、力を貸してほしい

松居 で、いきなり熱い話になってしまうんですけど、僕、自分発信で実現する映画は、実は今回が初めてなんですよ。今回の映画は、作品としてどういう雰囲気にしたいかなって考えたときに、思春期の悩みとちゃんと向き合って作りたいなと思って。絶対に上から目線にはしたくないって思ったんですね。そこから、映画を作っていく段階に入っていくんですけど。僕、もともとモーモールルギャバンが好きで。
ゲイリー ありがとうございます。
松居 みなさんの想像以上に好きなんですよ(笑)。上京したばかりの頃、劇団を作り出した7〜8年前に、バンド界隈をたくさん聴いて、自分の制作の励みにしていた時期があって。ほんとに、いろいろなものを聴いたんですけど、“この人は好きだ”って思ってよく聴いていたのが、4バンドあったんですね。今、よく仕事をしてるクリープハイプとモーモールルギャバン、それに、毛皮のマリーズとandymori。この4バンドをずっと聴いてて。僕の中ではこういうときにはこのバンドを聴くっていうのが決まってたんですけど、モーモーは、夜中に落ち込んだときによく聴いてたんです。それで、「スイートプールサイド」を作ることになって、自分のやりたいことを純粋にやろうって思ったときに、コンプレックスに正面から向き合うためにも、モーモーの力を貸してほしいなって思ったんです。

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この「LoVe SHouT!」は、ほんとに大変だった

──映画主題歌のオファーを受けたときの心境は?

ゲイリー 大丈夫かな〜って(笑)。“俺たちが映画の主題歌をやっていいの?”っていうビビリはありましたね。でも、「いい」って言ってくれるんだからいいかと思って(笑)。ただ、この「LoVe SHouT!」は、ほんとに大変だったんですよ。
松居 脚本が出来上がって、撮影直前くらいに「今、曲を作ってて」って聞いてて。「でも、出来上がるかわからない」って言われてました(笑)。
ゲイリー あ……あぁ、そこまで、伝わってましたか(苦笑)。この曲は大変だったんですよ。だって、俺、冗談抜きで、この曲のためにメロディ・ラインを100個は考えたからね。
ユコ 頭、爆発してました。
T・マルガリータ 大変そうでしたね。

──監督からのリクエストはあったんですか? そこまでゲイリーを迷わせたのは。

松居 いや、僕からは特になかったですよ。“信じてた”って言うと、変な女子みたいになりますけど(苦笑)、“きっと大丈夫だ”って思ってたので、任せてましたね。どのへんを苦戦したんですか? 転調が多いとこ?
ゲイリー とにかくメロディですね。
ユコ サビのメロディだよね。
ゲイリー 元気だけど、元気だけの曲にはしたくないし。センチメンタルだけの曲にもしたくないし。欲張りに全部ぶちこみたいなっていう気持ちはあったんですけど、それがなかなか形にならなくて。ランニングの最中もずっとね、メロディ・ラインを考えては吹き込んで、考えては吹き込んで……。それでも、その日の成果がすべてボツになったりしたこともあって。
ユコ 最後の最後まであがいてたよね。
ゲイリー 一回、決まったメロディ・ラインがレコーディングのときに変わったり。
ユコ そう。実際に入れてみたら、なんかちょっとしっくりこなくてやり直しになって。すぐ個室にこもって考えてっていう。

ぶつかり合ってる感じもすごくいいなと思って

松居 「LoVe SHouT!」は、全員が歌うし、演奏するし、ぶつかり合ってる感じもすごくいいなと思って。しかも、ライブのとき、めっちゃ大変そうじゃないですか? みんなすべての手を使ってるし、むっちゃ忙しいなって。
ゲイリー この曲、ライブではほんとに大変ですよ。しかも、メロディ・ラインをユコ・カティのキーで書いてるにも関わらず、俺も歌ったりしますから。でも、ライブでしんどいんですけど、やけくそじゃないハッピー感がフロアを満たす感じがあって。なんせ、この曲は手探りで作ったので、ふたを開けてみるまでは不安しかなかったんですけど、あがいた甲斐があったなって思いますね。
松居 歌詞もいんですよね。この映画の最後にかかることで、救われるというか。「はちきれましょう 笑うのは外野です Bye Bye」っていうフレーズに、主人公のふたりが報われた感じがあって。個人的に大拍手をしてたんですけど。
ゲイリー 大丈夫かなって思いながら作ってはいたんですけど、実際に出来たものを観てみたら、“ハマった!”って。“あ、俺たちにも主題歌できてる”って思えたのも発見でしたね。
ユコ うれしかったよね。イントロが始まったとき、うわって普通に感動しました。

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