ケツメイシ SINGLE「RHYTHM OF THE SUN」ディスクレビュー

RHYTHM OF THE SUN

SINGLE

ケツメイシ

RHYTHM OF THE SUN

avex trax

2014.06.11 release

<CD+DVD>


深夜のクラブから真夏の太陽の下へ。夏ソングの新定番、誕生

 ケツメイシの定番、ホットにハジける情熱の夏シングル。そう思って、調べ直してみると、「男女6人夏物語」や「お二人Summer」のような心地よいドライブ・ミュージック、「LOVE LOVE summer」など爽やかで涼しげなもの、「夏の思い出」のようにセンチメンタルなものはあれど、思いきりホットにハジけるシングルは意外となかった。つまりキックは重い4つ打ち、ベース・ラインはうねるダンス・ホール、ティンバレスやサンバ・ホイッスルなどラテン・パーカッションが大活躍する「RHYTHM OF THE SUN」は、ありそうでなかったケツメイシの夏ソングの新定番だ。『KETSUNOPOLIS 8』で開花させたエレクトロ・ダンス・ミュージックの手法を、深夜のクラブから真夏の太陽の下へと引っ張り出した強烈なサウンドと、これまで以上に3声のハーモニーを重視した、キャッチーなメロディ。カップリングの“STUDIO APARTMENT Remix”が、パーカッションを省いて4つ打ちを強調した、クラブ向けのダンス・リミックスになっているのと聴き比べれば、あくまでJ-POPのフィールドで勝負するケツメイシのサウンド作りの特異な個性がよくわかる。

 さらに面白いのは、3~5曲目に収録されたメンバーのソロ曲3連発だ。エレクトロ・ダンス・ミュージックを基本にしつつも、リズム、メロディ、歌詞の組み合せがどれも独創的すぎる。RYOJIの「8月の雨」は、物憂げなチルウェイブ的サウンドに、思いきりメロウなサックス・ソロ、いかにもRYOJIらしいセンチメンタルなメロディを折衷した、美しい追憶のラブ・ソング。大蔵の「Surf Beat」はタイトルどおりサーフィンがテーマで、セカンド・ラインっぽいギターのリフ、ジャズの2ビートを刻むベースなど、凝りまくったリズムをあくまでスムースなポップ・チューンとして聴かせる。RYO「事件は現場で起きている」は、サウンドこそばりばりのエレクトロだが、歌ってる内容は、モテないオジサンの愚痴とシモネタに託した男の哀愁。エレクトロ・ダンス・ミュージックの手法を取り込むアーティストの数は多かれど、ディテールの確かさとリスナーを楽しませるアイデアの豊かさにおいて、ケツメイシはやはり第一人者だ。

(宮本英夫)

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