GLIM SPANKY – ミニ・アルバム『焦燥』でメジャー・デビューを果たす、男女2人組新世代ロック・ユニット“GLIM SPANKY”のふたりが初登場!

GLIM SPANKY

一度聴いたら忘れられない松尾レミの歌声と、亀本寛貴のダイナミックなギター。GLIM SPANKYのふたりが描くのは、未来に向かうロックの深みに誘うマジックだ。’60〜70年代のロックが持っていたダイナミズムを、今再び体験させるような息吹と活力をミニ・アルバム『焦燥』に詰め込んだ。眩しいほどに純化されたロックへの愛を抱えてメジャー・デビューするふたりに、音楽的ルーツから今後の抱負まで、アツく語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 今井智子

 

GLIM SPANKYとして「焦燥」をやるなら、こういう音でしょ

──このバンドは高校で組んだそうですが、同級生?

松尾レミ 亀本さんは1コ先輩です。
亀本寛貴 バンドに入るまで面識もなかったんです。

──どういう経緯で加入を?

亀本 もともといたベースの人が僕のバイト先の先輩で、僕のさらに1コ上だったんですけど、ちょうど僕がギターを始めた頃だったんで、いろいろ話してるうちに入れてもらったという感じです。
松尾 私がGLIM SPANKYを作って活動してたんですけど、2コ上のベースの先輩が、すごいフレンドリーな人だったんですね。“レミちゃん、ギターひとりで大変でしょう?”って勝手に思ったらしくて(笑)、電話が来て「ギター入れといたから」って。
亀本 誰かも知らずに(笑)。
松尾 全然喋ったこともなかったから。最初の練習で合わせたとき、真面目に練習して来たというイメージで。

──その頃はもうオリジナルをやってたんですか?

亀本 コピーでしたね。最初にやったのは、ELLEGARDENの曲。
松尾 BUMP OF CHICKENとかもやってた。文化祭用に組んだバンドだったので、文化祭で盛り上がる曲をって感じでコピーしてたんですけど。それからオリジナルを作ろうって話になって、すぐに作り始めて。

──文化祭で終わらずバンドを続けて行く気持ちになっていたわけですね。

松尾 そうです。

──そうして出来た曲が「焦燥」。

亀本 オリジナルを作り始めて、3、4曲目でしたね。

──今も松尾さんにとってもGLIM SPANKYにとっても重要な曲だから、メジャー・デビューのタイトルになったのだと思いますけど

松尾 17歳のときに作ったんで5年前の曲ですけど、デビューのときに歌うべきだと思って、選びました。

──曲の形は、当時から変わってないですか?

亀本 今回のレコーディングでは、プロデューサーのいしわたり(淳治)さんとの作業でだいぶ変わりました。5年前に作って、しばらくやらなくなっていて、今回の曲を選ぶときにまたやりだしたので、まったく新しく作ったような感じですね。
松尾 でも歌詞とかメロディは変わらず、アレンジを構築し直したという感じです。
亀本 いしわたりさんとの話し合いの中で、まずどういう方向でいこうかって話から始まった。その前に作ったデモは全然こんな感じじゃなくて、作業する前に聴いた上で、どうしようかなみたいな話になって、イチから話してやり直した感じです。
松尾 いちばん最初は、いしわたりさんと、好きなアーティストって何? って話をして、いろんなアーティストの名前を挙げて。

──そこから方向性をすり合わせていったわけですね。

松尾 そうです。だから今のGLIM SPANKYとして「焦燥」をやるなら、こういう音でしょう、みたいな。終着点というか目的のようなものを決めてその中から今までにあった「焦燥」のアレンジを、今のGLIM SPANKYの音に変えていこうかって話になって。でだんだんすり合わせて、こういうアレンジになったという感じです。

──カップリングの「MIDNIGHT CIRCUS」も同様ですか?

松尾 これはインディーズからいつもやっている曲なんですけど、もともと歌詞も5行しかないぐらいの曲で。それを、もっと多くの人たちに、情景が浮かんで心に入っていくようにするにはどうしたら良いんだろうってことで、歌詞をつけ足し、アレンジも幻想的な不穏な、世界にして。これも言ってしまえば、結構再構築した曲です。
亀本 半分作り直したって感じですね。基本同じなんですけど、この歌詞を変えようとかじゃなくて、あたまから作り直して。
松尾 タイトルも変えました。元は「Caravan」という曲で。歌詞もキャラバンが出てくる歌詞だったんですけど全部変えて、もっとわかりやすく、焦点を絞って書き直しました。

──そう伺うと、これは新曲といってもいいような?

松尾 そうですね。

──この2曲には、ベースにOKAMOTO’Sのハマ・オカモト、ドラムはくるりやMIYAVIで叩いているBOBOがクレジットされてますけど、レコーディングはどんな感じでした?

松尾 ハマくんは高校のときから知り合いで。“閃光ライオット”というコンテストに出た仲間だったので。彼のベースは最高というのは大前提として、メジャーで初めてのレコーディングってことで、やりやすいかなと思ってお願いして。BOBOさんもパワフルなドラムなので、「焦燥」という曲にはいいと思って。
亀本 ハマったなというのはあります。意外にふたりが一緒にやったことがなかったらしい。BOBOさんは、MIYAVIさんだとバスバスやってるので大丈夫かなというか、人柄もわからないので、かなりストイックで何かあったらブチ切れて「もうやんねえ!」って帰っちゃうような怖い人かと思ってたんですけど、普通に「おはよ〜」って来て(笑)。
松尾 コンビニの袋にドラム・スティック入れて(笑)。私も映像見たら怖そうな人だぞって(笑)。でもすごくやりやすい、とても素晴らしいドラマーで、いい方でした。

GLIM SPANKYの名刺

──3曲目「ダミーロックとブルース」と4曲目「Flower Song」は、『MUSIC FREAK』に入ってる曲のライブ・バージョンですけど、これはいつもやってるメンバーですね。わりと最近の録音ですか? 「焦燥」などに近い演奏かなと思ったんですけど。

亀本 アレンジは変わってないんですけど、ライブなので。
松尾 CDより攻撃的になってるかもしれない。

──こういうライブ・テイクも入れることで、自分たちを立体的に示そうと?

松尾 そうですそうです、いろんな面を見せたいなと思って。
亀本 あまり、”ミニ・アルバム”というイメージがないんですね。アルバムと言うと、ひとつの統一された作品のような気がするんですけど、これはいろいろ入っていて、自己紹介みたいな。そういう意味ではコンセプチュアルだと思うんですけど、”ミニ・アルバム”というより”自己紹介ディスク”というほうがしっくりくる。
松尾 名刺ですかね、GLIM SPANKYの名刺。

──そのために「ダミーロックとブルース」「Flower Song」の2曲を選んだ理由があるんでしょうか?

亀本 ライブではやはりいちばん熱量が入ってる。いつもやってる定番曲だし。

──「焦燥」が自分たちのヒストリカルなアンセムだとしたら、「Flower Song」とかは今のライブでの自分たちを象徴する曲、と捉えればいいのかな?

松尾 「焦燥」を出す前の、GLIM SPANKYを象徴する曲だし、ライブではいつもやる曲なので。

──残る2曲はカバーで、アデルの「Rolling In The Deep」と、ユーミン(荒井由実)の「ひこうき雲」。これは意外な選曲で面白いですね。それぞれ取り上げた理由を教えてもらえますか。

松尾 GLIM SPANKYと、どこかで繋がる音楽がいいなと思ったんです.アデルは、この曲は全世界でヒットして、わりと最近の曲なんですけど、土台はゴリゴリのロックというか、土臭いサウンドだけれども、今ヒットしてる。時代に関係なく本質が見える曲だなと思って。それはGLIM SPANKYが作る音楽とも繋がるところだなと思って。それと、声というか。振り幅が低いところから始まって高い所まで見せれる曲なので、声のいろんな表情を、見せれるなと思って選びましたね。

──これは亀本さんのギターで松尾さんが歌ってる、シンプルなスタイルで。

松尾 そうです。完全一発録りの、ごまかしなしの。リバーブさえもかけてない、録ったまんまを入れちゃいました。
亀本 このほうがヤバい感じでいいかなって。リバーブかかっちゃうと、なんかいい感じだなってなっちゃうんで。
松尾 より近くで歌われてる感があるというか生々しい感じがしたので、こっちのほうがドキッとするかなと。アルバム一貫してそうなんですけど、生々しさというか。ライブ音源を入れたのもそうですし、そういうのを強調したかったので。
亀本 あまりよくない安心感というか、流れていっちゃうような心地よさがないように。常にひっかかってくるような感じにしてますね。

──ふたりが曲を作って最初にやるときはこんな感じかなっていう想像ができますね。

松尾 そんなふうに思ってもらえたら最高ですね。

──アデルを取り上げてるのは、ネオ・ソウルもお好きだからですか?

亀本 あんまり聴かないかな、僕は。でもアデルは、エタ・ジェイムスとかにいちばん影響を受けてると言ってるのを見て、僕はブルースとかも好きなので。でもアデルは最近流行ったじゃないですか。ユーミンの曲も最近話題になった。僕らは、懐古主義のバンドと思われたくなくて。ジャニス・ジョプリンとかフェイバリッツには書いてるし、ジャニスが好きだからGLIM SPANKY聴いてみようというのもうれしいんですけど、でも2014年の音楽として見られたいというのがあったので、アデルを取り上げて、そこを見ているという時代感を出したかったんです。

──ルーツ・ロックを知ってるバンドは、古い曲をカバーすることで自分たちを示しがちだけど、それを避けたかったんですね。

松尾 それは聴いてもらえば、わかる人にはわかると思うので、あえてそこは言うべきではないというか、ホント懐古主義に思われるのがいちばん困るので、今と繋がってることを示したいので、その曲を歌いました。

──じゃあ次はビヨンセとか(笑)。

松尾 どうしよう(笑)。

──(笑)それぐらいの視野を持ってやってるということですよね。ふたりとも新旧のロックを相当聴き込んでるみたいですけど、松尾さんは御家族の影響だとか?

松尾 そうですね、家族がかなり音楽だったりアートだったりファッションとかそういうものが好きだったので、日常的に流れていたというか、当たり前だったので自分から手を伸ばして聴いたわけではないけど、自然と入ってきた感があります。朝からレコードの大爆音で起きるみたいな(笑)。

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