SISTERJET – 昨年末に新ベーシストが加入し改めて3ピースでの活動をスタートさせた新生SISTERJETの約2年ぶりのフル・アルバム『X X X 』に迫る!

SISTERJET

これは2度目のデビュー・アルバムと言っていいだろう。

SISTERJETから約2年ぶりのフル・アルバム『X X X』が届けられた。昨年12月に新メンバー、オオナリヤスシ(b/元SPANK PAGE)が加入。再び3ピースに戻ったSISTERJETは、本来の武器である“パーティ感に溢れたロックンロール”をストレートに表現している。UKギター・ロックを軸にしながら、パンク、ガレージ、ブリットポップ、ダンス・ミュージックなどの要素を自由に取り入れたアンサンブルはさらに進化。ポジティブ&アグレッシブなムードとともに新しいスタートを切った3人に、本作の制作プロセスとバンドの現状について聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之


“スーパー・パーティ・バンド”としての形

──5月の中旬にロンドンに行ってたそうですね。

WATARU.S はい。今回は撮影だったんですけど、俺、海外はイギリスしか行ったことないんですよ。4回目なのかな?

──アメリカは行ったことないんですか?

WATARU.S ないですね。福生の友達とかは何度もアメリカに行ってるんですけどね。事務所的にも、俺が(アメリカの)南部に行ったらヤバいっていうのがあるみたいだし。

──ブルースに傾倒しちゃって?

WATARU.S そうそう(笑)。ナッシュビルとかに行って、カウボーイハットとか被りはじめたらヤバいじゃないですか。もともとブルースとかも好きだけど、もっとクールな感じでやらないとね。ロンドンはね、やっぱりポップなんですよ。向こうでジョンスぺ(ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン)のライブを観たんですけど、UKの人の捉え方って、たぶんアメリカの人とは違うと思うんですよね。あの雰囲気が好きなんだよな、やっぱり。

──そういえばレコード屋でボビー・ギレスピー(プライマル・スクリーム)に会ったそうですね。

KENSUKE.A そうそう、いたんですよ。犬を連れて店に入ってきて、店員にワーッと話しかけて。「そのレコードはないですね」みたいなことを言われてましたけど。
WATARU.S レア盤を探してたんだろうね(笑)。
KENSUKE.A そのまま出て行っちゃったから、話しかけられなかったんだけど。
WATARU.S 下北のディスクユニオンで甲本ヒロトに会った、みたいなことだからね。話しかけられないよ。

──そうか。KENSUKEさんも何度かロンドンに行ってるんですか?

KENSUKE.A 僕は2回目ですね。高校のときにこの人(WATARU.S)とふたりで行ったんだけど、それ以来で。そのときに比べるとかなり変わってましたけどね。
WATARU.S チェリーだったしね。
KENSUKE.A そうですね(笑)。それだけで世界の見え方が違うから。
オオナリヤスシ そりゃそうだ(笑)。僕は10年ぶり2回目だったんですけど、前回より居心地が良かったですね。たぶん、年齢のせいもあるのかもしれないけど。

──ニュー・アルバムを聴いてても、ロンドンの雰囲気が肌に合うだろうなって思いました(笑)。今回はまず、オオナリさんがバンドに加わって、再びトリオになったことが大きいと思うんですが。どんな経緯で加入することになったんですか?

WATARU.S ナリくんのことは昔から知ってるんですよ。同じ事務所だったこともあったし、前のバンドのライブを観るたびに“ナリくんのベース、カッコいいな”と思ってたので。SISTERJETのライブもほぼ観てくれてたんじゃない?
オオナリ 大きいライブはほとんど観てますね。
WATARU.S 俺のファンなんですよ(笑)。
オオナリ どっちかって言うとKENSUKEのほうだけど(笑)。同い年だから、音楽的なルーツがわりと似てるんですよね。前のバンドとSISTERJETって、やってることは真逆だったけど(SISTERJETの音楽を聴いて)“あ、なるほど”と思うことも多くて。
WATARU.S 通じるところがあるというか。
オオナリ そうそう。しかも、この人たちのほうが人気があったからね。気持ちを奮い立たせるためにライブを観てるところもあったし、「カッコいいことをやってるバンドを5つ挙げて」って言われたら、普通に入ってきてたと思うので。だから、「スタジオに入ろうよ」って言われたときも、すぐに「いいね。面白そう」と思えたんですよね。
WATARU.S 最初は遊びでスタジオに入ったんだけど、“まあ、いいんじゃない?”っていう(笑)。
KENSUKE.A いやいや、すごく良かったですよ(笑)。バッチリでした。
WATARU.S この人もちょうどバンドを抜けたところだったし、僕らもふたりでやってたし。自然だよね、そういう意味では。
オオナリ うん、タイミングが良かった。
KENSUKE.A ベースが上手いから、ライブをやってても楽しいし。
WATARU.S この3人でライブを始めてから1年くらい経つんだけど、いろんな場所、いろんな人の前で演奏して、やっと“スーパー・パーティ・バンド”としての形が見えてきて。
オオナリ うん。ホントにここ最近だよね。
WATARU.S ときどき凡ミスするけどね。
オオナリ そうだね(笑)。いきなり曲の構成が吹っ飛んじゃうときがあって。昔の曲って、一緒に作ってないでしょ? 一緒に制作してれば身体に入ってるんだけど、そうじゃない曲って、ときどき忘れちゃうことがあるっていう(笑)。自分なりに解釈しながら演奏してますけどね。

事実上の1stアルバムです

──去年の前半までは“SISTERJETはふたりだけで突っ走るのかな”と思ってたんですけどね。

KENSUK.A 音数が少なかったですからね、単純に。
WATARU.S 技術的にもね、ギター・ボーカルの人の負担がハンパないんですよ、ふたりだけでライブをやると。ホワイト・ストライプスを見てもわかると思うけど、ボーカルの人がいろんなことやってるじゃないですか。30分のライブをやるだけでもメチャクチャ大変で、“これ、ワンマンなんて無理だな”って。ベースって大事なんだなって初めて思いましたよ(笑)。表現の幅が10倍以上広がりますからね。

──しかも聴いてきた音楽がすごく近いわけですからね。ちなみに皆さんにとって、最初の音楽的なインパクトって何だったんですか?

WATARU.S まず、中学生のときのオアシスだよね。ちょうど『Be Here Now』が出て……。
オオナリ 『(What’s the Story)Morning Glory?』のあとね。『Be Here Now』はオアシス的には駄作かもしれないけど、それがリアルタイムだったから。
WATARU.S で、高1のときに『OK Computer』。レディオヘッドってカッコいいな! って衝撃を受けて。
KENSUKE.A うん。
WATARU.S 20歳くらいのときに出てきた(ザ・ストロークス)もデカかった。そこからロックンロールを聴き直したし、ブリティッシュ・ビートもさらに掘り下げるようになって。バンドの感じも変わったからね。エフェクターをたくさん使ってたんだけど、“アンプに直結でいい!”って(笑)。

──ブリット・ポップからロックンロール・リバイバルまでをリアルタイムで体験した、と。

WATARU.S シーンが存在していて、その影響を受けた最後の世代かもしれないですね。今はネットが普及してるし、全部がフラットじゃないですか。

──そうですね。『X X X』にもルーツ・ミュージックが色濃く反映されてるし、しかもSISTERJETならではの新鮮な解釈もふんだんに取り入れられていて。まるで1stアルバムみたいだなという印象を受けました。

WATARU.S うん、新体制になって、事実上の1stアルバムです。今まではアイドリングしてました(笑)。というか、メンバーが変わればバンドも変わりますからね。新しいバンドですよ、やっぱり。曲作りも、スタジオに入って“バーン!”とやる感じだったし。
オオナリ その場で誰かが弾いたフレーズをもとにして……。
WATARU.S 誰かっていうのは、俺ですけどね。
オオナリ (笑)それを拾って、セッションしながら広げていくっていう。

──めちゃくちゃバンドらしいやり方ですね。オオナリさんはどうでした? 実際にSISTERJETのメンバーとして曲作りに参加してみて。

オオナリ とくに違和感はなかったですね。いちばん感じたのは、“意外とこの人たちって、音楽的なんだな”ってことで。
KENSUKE.A ハハハハハ!
WATARU.S え、今気付いたの?
オオナリ いや、SISTERJETでパーティ・バンドじゃないですか。だから、もうちょっと“これでOKっしょ?”みたいなノリかと思ってたんですよ。でも、意外とちゃんとやってるなって。
WATARU.S わかってやってるんだよ、それは。ちゃんと作ったうえで……。
KENSUKE.A 削りまくるんだよ。
WATARU.S そうそう。
オオナリ バンドに入ってから気付いたんですよね、そのことに。ふだん話してる感じとは違うなっていう。
WATARU.S 俺は細かいところにウルサイから。
オオナリ 実際、アレンジとかも何度も作り直してますからね。

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