忘れらんねえよ MINI ALBUM「あの娘のメルアド予想する」ディスクレビュー

あの娘のメルアド予想する

MINI ALBUM

忘れらんねえよ

あの娘のメルアド予想する

バップ

2014.06.11 release


童貞偽装白状で憑き物が落ちた!? 新しい試みに果敢に挑む一作

 今作収録のリード曲「ばかばっか」のMVで、柴田(vo、g)が3年前に童貞を喪失していたことを白状。“偽装童貞を謝罪”という、興味ない人にはホントに“知らねぇよ!”なニュースが局地的に話題になっている、忘れらんねえよの最新ミニ・アルバム。「世の中ばかばっか」と叫ぶ嫉妬や偏見に満ちたこのリード曲は、純粋がゆえにヒネくれた柴田節はそのままに、自然と体の動くビート、痛快なカッティング・ギター、憑き物が落ちたような柴田のボーカルが、バンドとして明らかに突き抜けた印象を与えてくれる。隠していた童貞喪失を告白し、開き直ったか!? とも思われたが。本人いわく、「現在イケてるといわれる音楽のビートやBPMを研究して、積極的に取り入れたのが『ばかばっか』だった」のだそう。

 「今あるすべてを出し切った」と語っていた渾身の2ndアルバム『空を見上げても空しかねえよ』を経て、あらたな自分たちのスタイルを見つけようとする彼らの強い意志が見える今作。「ばかばっか」にかぎらず、4つ打ちビートにエモーショナルな感情を乗せた「タイトルコールを見ていた」、玉屋2060%(Winners)を迎えての変態ポップな「体内ラブ~大腸と小腸の恋~」、岡本洋平(Herman H.&The Pacemakers)をプロデューサーに迎えてのバラード・ソング「運動ができない君へ」と、期待どおりの彼ららしさに加え、新しいアプローチやプレイ・スタイルにも果敢に挑戦する新曲たちは聴きごたえ十分。そしてそんな中、僕の心をガッツリ掴んだのは、新曲群のラストを飾る「バンドやろうぜ」の美しさ。爽快な曲調に乗せて、決して満足はできない現状を歌うこの曲。ネガティブな状況もロックンロールでポジティブに思考を転化し、「さあバンドやろうぜ」と高らかに歌うこの曲に、揺るぎない音楽への信頼と、信じて疑わない未来への希望が詰まっている。

 さらに“史上初(たぶん)両A面ミニ・アルバム”と打ち出す今作は、メドレーを含む5曲のライブ音源が収録。YouTubeならタダでライブ動画が見られる昨今だけど、余計な情報はなしに聴覚をダイレクトに刺激し、無限の想像力を掻き立ててくれるライブ音源には、動画にない魅力がある。実際に会場にいる気分になれるよう、ライブの熱気や空気感を再現することを意識したという今作のライブ音源。忘れらんねえよのライブをまだ観たことのない人は今作を爆音で聴いて、脳内ライブでトリップしよう!

(フジジュン)

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