NICO Touches the Walls SINGLE「天地ガエシ」ディスクレビュー

天地ガエシ

SINGLE

NICO Touches the Walls

天地ガエシ

キューンミュージック

2014.06.11 release

初回生産限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤


“勝ちに行くんだ”という強い意志

 2014年を“攻めの年”と位置付け、ベスト・アルバム『ニコ タッチズ ウォールズ ノ ベスト』のリリース、20日間に及ぶ籠城ライブ“カベ ニ ミミ”など、アグレッシブな活動を続けているNICO Touches the Wallsのニュー・シングル。今回のサウンドの軸になっているのはアイリッシュ・サウンド。さらにカントリー、ロックンロールなどの要素を交えつつ、ドラマチックなメロディを乗せることで、このバンドにしか体現できないポップ・チューンへと導いている。

 アレンジ巧者であり、常に新しい表現を見せ続けている彼ら。その幅広い音楽性が“バンドの立ち位置を曖昧にするのでは?”と感じたこともあったが、それはどうやら杞憂だったらしい。光村龍哉がリスペクトするサザンオールスターズもそうだが、リスナーの想像を超えるような幅──UK、USのインディー・ギターロックから昭和歌謡まで──を持つこと自体が彼らの個性であり、アイデンティティでもあるのだ。

 歌詞の中で印象に残ったのは「僕らのリベンジ」というフレーズ。リベンジしたいという想いは当然、“一度、負けている”という認識から生まれる。ここにはおそらく、8月に行われる2度目の武道館公演のことも含まれているのだろう。’10年に行われた最初の武道館ライブを光村は“負け”と位置付けている。だからこそ今回の武道館では、ステージング、音楽性、観客の動員を含め、前回を凌駕するライブを見せなければいけない──そういう真摯な決意が込められているのだ。音楽に勝ち負けはないというのはリスナー側の意見であって、アーティスト本人にとっては(この曲の中で歌われているとおり)“綺麗事”でしかない。現在のNICO Touches the Wallsが掲げている“勝ちに行くんだ”という意思はきわめて真っ当だし、デビューから応援してきた自分としてもきちんと支持したい。8月の武道館ではぜひ、勝ってほしいと思う。 

(森朋之)

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