Charisma.com – 待望の1stフル『DIStopping』をリリースしたCharisma.com。カリスマが吐き出すディス、ただのディスだと思ったら痛い目にあいます!

Charisma.com

MCいつかとDJゴンチによる現役OLエレクトロラップユニット・Charisma.com。スキルフルなフロウと、毒のある巧みなリリックで共感と熱烈な支持を集め、2013年7月にリリースされた1stミニ・アルバム『アイ アイ シンドローム』は各方面で話題となる。中学のダンス部で出会い、それぞれ現在もOLとしても働き続けているふたりに、同じ女性としてぶっちゃけて聞いてみた。二足の草鞋ってしんどくない? Instagramの自撮りってキツくない? 婚活ってどう思う? 1stフル・アルバム『DIStopping』の成り立ちから始まる、かわいげのない女子トークをお楽しみいただきたい。

INTERVIEW & TEXT BY 小島双葉


がむしゃらでした(笑)

──前作『アイ アイ シンドローム』のリリースに関するインタビューで、おふたりが“今回は自分たちのためにトラックを作ってもらって、レコーディングが出来ただけで幸せだ”っていうふうに話されていたんですよ。それだけ、がむしゃらに制作を行っていたっていうのもあると思うんですけど、今作に関してはいかがでしたか。

MCいつか 同じく、がむしゃらでした(笑)。

──時間もないなかですもんね。明確なビジョンを決めて取り掛かられたんですか?

いつか 最初、コンセプトみたいなのを決めてやってみたんですけど、決めたら全然書けなくなって。そのワクと全然違うものが出来てきてしまって“ヤメだヤメだーい!”っつって(笑)。結局、自由に書きました。

──どういうワクを設けてたんですか。

いつか せっかくOLっていうのを出していただいたので、“OLの1週間”的なコンセプトのアルバムにしたら、ほかにはあまりないかなと思ったんですけど。違いましたね(笑)。

──それは、リリックが出てこなかった?

いつか ありがたいことに、前は会社の比重が多くて、Charisma.comの活動がちょっと、みたいな感じだったんですけど。最近は比重が同じ、もしくはCharisma.comのほうが結構大きくなってきたので。1週間で会社で思うことよりも、こっちで思うことの比重も幅が増えてきたので。

──今の環境にいるのだったら、この比重を無理矢理動かした内容よりも、現在を歌ったほうが良かろうと。実際完成して、いかがですか。

いつか わかんないっすね……。どうでしたか?

──サウンドに関していうと、厚みも増して彩りも豊かになって、前回よりガツンと進化した作品になってると思います。歌詞に関して言うと、相変わらず研ぎ澄まされているし、フロウのスキルも素晴らしい。痛快な作品になっているなと感じました。

いつか 答えありがとうございます。自分ではわかんないんですよね。ただ、前作を出したことで、お願いしたかったトラックメーカーの方にオファーができたので、そこはハッピーでした。

──実績があったからこそ。じゃあ、前回に引き続きただただ幸せという。

いつか そうっすね(笑)。あとは、切羽詰まりました。

──それは時間的に?

いつか それもあるんですけど、1枚目でいろんな方が動いてくれたので、これは下手なことはできないぞと。

──半端なものは出せないなという、プレッシャーというか。

いつか でも結局、そんなに考えないで作ったっていう(笑)。

──Charisma.comの場合は、それがいちばんだと思います。ゴンチさんは?

DJゴンチ 前作は、特に女性に対しての毒を交えた曲が多かったんですけど、今作はちょっとセンチメンタルなものとかも、曲調もスローなものが多かったりして。あと、主人公がちょっとモヤモヤしてる感じの曲が多かったので。いっちゃん(いつか)は、今こんな感じなのかなとか思いつつ聴いてました(笑)。
いつか モヤモヤというか、葛藤みたいなものはありますね。どうにか上手いこと消化できないかなっていう。もちろん実際に“これどうなの?”って思っていることを書いているんですけど、それが解決できずに終わっているというか。

──いちリスナーとしては、答えを明示されないことで、より相手に考える余地を与える効果もあると思いますけどね。

ゴンチ いろんな人の考えが、受け止め方があるというか。

──そうです。いつかさんは、向き合わない人たちに対してのモヤモヤというか、“ちゃんと考えればいいのに、なんでその場しのぎで逃げるんだろう”っていう疑問を歌われてたりもするじゃないですか。だから、未解決で終わっている曲も、意識的だったのかと思いました。

いつか 根本的に、逃げるっていうのはあんまり好きじゃないので。多分、無意識に出ちゃうんだと思います。“ちゃんと考えろよ”って。

──良いですよね、叱られるって(笑)。大人になると、あんまり叱られないじゃないですか。ダメ出し含め。

いつか 諦めが出てきますよね。“あの人はああいう人だから、言っても直らないよ”っていうのが。

鼻歌です(笑)

──耳の痛いお言葉です(笑)。ゴンチさんの言うように、スローなものやセンチなものもあったり、曲の幅が広がってますよね。

いつか 前作のイメージが強かったので、提供していただくトラックもそのイメージのものが実際多かったりしたんです。それも好きなんですけど、違うのもやりたいなって気持ちもあったので。全然違う、超ゆっくりなのもやってみたいなと。

──作曲の方法が、かなりアナログだと伺いました。

いつか そうです。鼻歌です(笑)。トラックをいただいて、思ってることは携帯に書き留めてあるので、まず鼻歌でサビを作って、歌詞を乗せて、ラップ、みたいな流れですね。

──今、OLとして昼間は仕事されてるわけじゃないですか。作曲に向かうって、仕事が終わって帰宅後とかになりますよね。

いつか 基本的には家に帰ったあとなんですけど、仕事中に思い浮かんじゃう場合もあるんですよ。“マズイ、このメロディ忘れちゃいそう”みたいなときは、携帯で電話するふりをして外に出て、歩きながら「フフフ〜ン♪」ってボイス・メモに録ります(笑)。で、家に帰って聞きます。

──無駄な時間がないですね(笑)。

いつか “さぁやろう”って思ったときは思い浮かばないんですけど、仕事してるときなんかは思い浮かぶっていうやっかいなことが結構ありましたね。

──大変そうですね。以前“今後もなるべくOLは続けていきたい”っていうふうにおふたりともおっしゃってたんですけど。その考えは今も変わらずありますか?

いつか 時間が許す限りは。

──実は、私もOLとライターの二足の草鞋を履いていた時期があるんです。もちろん会社員は安定していますし、なるべく続けたかったんですが、もっと自分の好きなことに時間も体力も注ぎたいと考えて、退職したんです。そういうふうに、音楽に集中したいという気持ちはないですか?

いつか ないと言ったら嘘になります。でも、会社でパソコンに向かっているときっていうのは、あんまり考えてないというか(笑)。頭をフル回転させるような作業ではないんですね。

──いい意味でのルーティーンワーク。

いつか だから、若干息抜きでもあったりするんですよ。会社にいて、音楽とは全然違う話をすることもリフレッシュになったりするので。

──ゴンチさんはどうですか。

ゴンチ 辞めたいなとは何度も思いますね。私の場合は、パソコンに向かっていても“今日このあとなんだっけ?”って気になっちゃうんですよ。だから、いっそのこと辞めてもいいかなとも。なるべく続けていけたらとは思いますけどね。

──ゴンチさんは集中型なんですかね。

いつか 私も一度にひとつのことしかできないと思ってるんですけど、実際はそうじゃないっぽくて。こっちをやってるからこそ、こっちができる。こっちで吸収したものをこっちで生かす。じゃないと、結構型にハマってしまうんですよ。成長の幅が広がらなくなる現象が起こる。時間は、今は本当にカツカツですけどね(笑)。

──この両立っていうのは、生半可な気持ちではできないと思います。

いつか 勝負ですよね。

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