give me wallets EP「In My Dreams」ディスクレビュー

In My Dreams

EP

give me wallets

In My Dreams

PUMP!

2014.06.04 release

<CD>


ポップの概念を刷新するダンス・バンド、本格的デビュー!

 うわ、これは気持ちいい。鬱屈とした気分と眠気がスッ飛んで、集中力が戻ってくる。

 バンドの名前はgive me wallets。構成はJess(vo、synthesizer)、kenji(g、machine)、So-ya(vj、cho)、Junya(ds)による4ピース・バンド。これまでに2枚のデモEP(「Those Dancing Days」「Breathless」)。’12年には「ラスト・クリスマス」(ワム!)のカバーでシュアなセンスを持ったリスナーの関心を集め、’13年には“出れんの!?サマソニ”で約1000組の応募のなかから“SUMMER SONIC 2013”の出場権を獲得。徐々に注目を集めるなか、満を持して1st EP「In My Dreams」がリリースされるというわけだ。

 彼らの音楽の軸になっているのは80’sニューウェイブ、70’sディスコ、そして、’00年代以降のエレクトロ・ミュージックあたり。それだけなら“最近、流行のスタイル”ということになるのだが、卓越したソング・ライティングセンスと質の高いバンド・アンサンブル(つまり、バンドとしての基本的な実力の違い)によって、その存在感ははっきりと際立っている。要するに時代や流行に左右されない音楽の力をすでに備えているのだ、このバンドは。

 また、メロディの良さもこのバンドの魅力。全編英語詞なのだが、メロディに込められた切ないドラマ性によって、幅広い層に受け入れられる(=ポップ)な楽曲へと結びつけることに成功しているのだ。

 デュラン・デュランと岡村靖幸とSimian Mobile Discoとダフト・パンクがコラボレーションしているようなサウンド・プロダクション(←あくまで個人的な感想です)は、まさに唯一無二。“ロックとダンスの融合”とか“高速の4つ打ちのビート”みたいな既存のスタイルを一瞬で置き去りしてしまうようなスピード感と新しさをたっぷりと味わってほしい。ポップ・ミュージックの概念が刷新される、あの素晴らしい瞬間に出会えると思います、きっと。

(森 朋之)

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