Rhythmic Toy World MINI ALBUM「XNADIZM」ディスクレビュー

XNADIZM

MINI ALBUM

Rhythmic Toy World

XNADIZM

STROKE RECORDS

2014.06.04 release

<CD>


リズミックのミニ・アルバム3部作、ここに完結。

 昨年リリースされた『軌道上に不備は無し』『オリンポスノフモトニテ』に続く、ミニ・アルバム3部作の完結編。約1年の間に大規模な全国ツアーを2度行い、バンド・シーンのなかで急激に知名度を上げてきた彼らだが、現在の彼らの状況の良さは本作にもしっかりと反映されている。基本的には‘00年代以降のロック・シーンの流れを汲みながらも、このバンド特有の“におい”が全編から伝わってくるのだ。

 その最大の特徴は、それぞれの楽曲にちりばめられたフックの多さだろう。ドラマチックなメロディ・ライン、寓話的な物語性とリアルな感情が共存する歌詞、カラフルな広がりを持つギター・フレーズ、意外性のあるアイデアを取り込んだリズム・アレンジ。1曲1曲に多彩なファクターが織り込まれていて、リスナーを一瞬で惹きつけると同時に様々な角度から楽しめる——つまり、何度聴いてもあらたな発見がある——構造になっているのだ。個人的にもっとも印象に残ったのは、“ライブっていうのは嫌なことを忘れるためにあるんじゃなくて、闘う勇気を得る為にあるんじゃないだろうか?”という考えからインスピレーショを得たという「s.m.p」。キラキラとした光を放つギター、心地よい疾走感をたたえたビートのなかで“いくつもの夢の跡 そこに僕ら今立ってる”というラインが大きく広がっていくこの曲は、彼らのあらたなアンセムとして認知されることになるだろう。

 そのほか、かけがえのない人たちの別れをテーマにしたミディアム・チューン「それでも生きるのは」、このバンドのポップ・サイドを強調したアッパー・チューン「エンナ」、ライブのアンコールで披露していた即興ラップが楽曲へ発展したという「アンチスキルレシピ」などを収録。ジャンルに捉われない幅広いサウンド、そして、喜怒哀楽を奔放に表現した歌を存分に堪能してほしい。

(森 朋之)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人