ビレッジマンズストア MINI ALBUM「刃の上を君と行く」ディスクレビュー

刃の上を君と行く

MINI ALBUM

ビレッジマンズストア

刃の上を君と行く

SPACE SHOWER MUSIC

2014.05.28 release

<CD>


シビれる。ホれる。歌謡×ロックンロール

 歌謡曲というのは、日本が生んだ偉大な音楽ジャンルのひとつであると思う。一度聴いたらついつい口ずさんでしまうキャッチーなメロディ。泥臭くてダサいのだけど、どうしようもなく痺れさせるサウンド。ちょっと訳しがたい、日本人独特の哀愁や恍惚感。懐かしさや新鮮さを飛び越えた普遍的な音楽、それが歌謡曲だ。そんな歌謡のエッセンスを、絶妙な塩梅でロックンロールに取り入れた音を鳴らしているのが、彼ら、ビレッジマンズストアだ。

 前作『亡霊よ、爆発しろ』から約1年半ぶりに放たれた、彼らの2ndミニ・アルバム『刃の上を君と行く』。2013年に結成10周年を迎えた彼らの、鍛えぬかれたタフなバンド・サウンドから繰り出される楽曲は、もれなくすべてがソウルフルでグラマラス。歌謡曲のポップネスと、ロックンロールの激情の見事な融合はこの上なく痛快。その組み合わせを決してありきたりなところに帰結させないセンスと、水野ギィ(vo)のしゃがれ声は、正に唯一無二と言える。本当に正直な告白をすると、真っ赤なスーツに身を包んだ彼らの写真を初めて見たとき、“THE B◯WDIESの二番煎じかな”と思ってしまった(水野の顔が綺麗過ぎたのもある)。それは大いなる愚かな勘違いであったことをここに謝罪する。この音楽は、間違いなく彼らにしか生み出せない。

 MVの制作された「夢の中ではない」は、切れ味鋭いギター・サウンドと水野の歌唱力を存分に堪能できるし、5thデモとしてライブ会場限定販売されている「車上A・RA・SHI」は、ダンサブルかつ艶っぽい上質なロックンロールで踊らせてくれる。特に聞き惚れてしまったのは、今作では唯一のバラードである「ミラーボール」。少々歌謡曲に寄ったナンバーかもしれないが、このメロディアスな哀愁と熱情には、つくづく痺れた。惚れた。全8曲、どれもがハイエナジーなのに、聴けば聴くほど味わいを感じるミニ・アルバムとなっている。

 6月からはリリース・ツアーで全国を回るビレッジマンズストア。9月には、地元である名古屋でファイナルを迎える。この激情とポップネスを、ぜひ、生で体感したいところだ。

(小島双葉)

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