テスラは泣かない。 – ゲストにヒトリエを迎え、新代田FEAVERにて行われた“「Lie to myself」RELEASE LIVE【LIE TO YOURSELF】”の模様をレポート!

テスラは泣かない。

 メジャー・デビュー・シングル『Lie to myself』の発売に伴い、地元の鹿児島と東京でリリース・ライブ“LIE TO YOURSELF”を行ったテスラは泣かない。。ワンマンで行われた鹿児島SR HALLでのライブに続き、東京ではゲストにヒトリエを迎え、新代田FEVERを会場に2マンを実施。現在のバンド・シーンとの接点を確かに感じさせる一方で、それぞれが際立った個性を発揮し、今後のさらなる活躍を期待させる一夜となった。

TEXT BY 金子厚武 PHOTOGRAPHY BY 植本一子

テスラもヒトリエもそれぞれがかなり個性的なバンド

 KANA-BOON、ゲスの極み乙女。、KEYTALK、キュウソネコカミなど、四つ打ちを主体としたアッパーなライブで人気を集める若手バンドが浮上した2013年を経て、「それに続け!」と言わんばかりに、今年も新しい顔が続々と登場しつつある。4月にシングル「Lie to myself」でメジャー・デビューを果たしたテスラは泣かない。と、1月にシングル『センスレス・ワンダー』でメジャー・デビューを果たしたヒトリエも、まさにそういった中で人気を集めつつあるバンドだと言っていいだろう。しかし、最初に挙げた4つのバンドがそれぞれ異なる個性を持っているように、もちろんテスラもヒトリエもそれぞれがかなり個性的なバンドである。

高速かつ高密度な情報量の多い楽曲

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 まず最初に登場したのは、この日のゲスト・アクトであるヒトリエ。ボカロPとして活躍していたwowaka(vo、g)を中心に結成されたバンドだけに、DTM世代らしい高速かつ高密度な情報量の多い楽曲を、wowaka自身がフェイバリットに挙げるNUMBER GIRLや、残響レコード周辺のバンドにも通じるアグレッシブなプレイで再現するというスタイルが実に独特だ。どことなくASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文と、Base Ball Bearの小出祐介を合わせたような風貌で(このふたりもまた、向井秀徳の信奉者である)、バンドの中心でどっしりと構えるwowakaにはカリスマ性が感じられる一方、MCを担当するシノダ(g、cho)が4人の中で最も激しく暴れ回るという、その対比も面白いし、シノダの反復を基本としたプレイ・スタイルは、DTMでのコピペを連想させ、バンドの色にもなっているように感じた。すでに恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンを成功させているバンドだけあって、オーディエンスの反応もすこぶるよく、その存在の特異性も含め、今後ますます注目を集めることは間違いないだろう。

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SETLIST

01. センスレス・ワンダー
02. 生きたがりの娘
03. アンチテーゼ・ジャンクガール
04. ever ever ever
05. 浮遊と沈没と
06. カラノワレモノ
07. サブリミナル・ワンステップ
08. 踊るマネキン、唄う阿呆
09. ワールズエンド・ダンスホール

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“マグマロック”を掲げるバンドのエモーショナルな演奏

 続いてこの日の主役、テスラは泣かない。の登場。彼らの特徴はピアノのリフレインとダンサブルなビートの絡みであり、ギターは基本上モノの役割に徹していることもあって、非常にのりやすく、踊りやすい。ギター・レスで始まって、じっくりとためてから曲の途中で爆発する「cold girl lost fiction」でオーディエンスを一気に引き込むと、實吉祐一(ds)によるサビの頭打ちが印象的な「Lie to myself」では、“マグマロック”を掲げるバンドのエモーショナルな演奏が全面に展開される。ヒトリエのシノダに対し、テスラは吉牟田直和(b)が激しいアクションで客席を煽り、それに合わせてバンド全体も熱量を上げて行くような印象。今年に入ってからはかなりのハイペースでライブをこなしているだけに、ライブ・アクトとしての著しい成長ぶりが確かに感じられる。

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 また、テスラは決して爆発力だけが売りではなく、中盤で披露された「Calico」や「my world is not yours」といったミドル・テンポのナンバーも強み。これらの楽曲が中休み的なポジションにならず、むしろ踊りやすさという意味では速い曲よりも上で、こういった曲があるからこそ、若いキッズたちが腕を振り上げる一方、少し後ろのほうで観ているお客さんは軽くステップを踏んだりと、自由な楽しみ方ができるというわけだ。さらに、村上 学(g、vo)の弾き語りで始まる、この日披露された中で最もスローなナンバーである「Arc」は、どこか向井秀徳の弾き語りを思わせるもの。そう、村上もまたNUMBER GIRLをフェイバリットに挙げているのだ。

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ライブを重視する彼らの基本姿勢が改めてうかがえた

 この日は6月に発売されるメジャー・デビュー・アルバム『TESLA doesn’t know how to cry.』からの新曲も多数披露。“もうめんどくせーな”という覚えやすいサビを早速オーディエンスと一緒に合唱した「めんどくせえ」や、ドラマチックな曲展開が印象的な「Cry Cry Cry」など、新曲はどれもアッパーな曲が多く、ライブを重視する彼らの基本姿勢が改めてうかがえた。ライブ終盤では、キラー・チューン「アンダーソン」から、飯野桃子(piano)の高速リフレインが聴き所なパンク・チューン「梵」と再びアグレッシブに攻め、最後は彼らのもうひとつの特徴である陽性のナンバー「Shake your hands saying good bye」で本編が終了。この曲の生命力が漲るような全能感は、特に素晴らしい。

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 アンコールでは、“ピアノのリフレインを軸にした踊れる楽曲”という、彼らの原型を形作った記念碑的な一曲「パルモア」が披露され、最後は「歩も金になって」でこの日のライブは締め括られた。テスラは泣かない。もヒトリエも、それぞれが持ち味を存分に発揮しながら、現代の日本のバンド・シーン全体の空気感も感じられ、さらには共通のルーツまでもが見えてくる、意義深い一夜だったと言えよう。

SETLIST

01. cold girl lost fiction
02. fuga
03. Lie to myself
04. Calico
05. Someday
06. めんどくせえ
07. my world is not yours
08. Arc
09. Cry Cry Cry
10. イムソン
11. アンダーソン
12. 梵
13. Shake your hands saying good bye
-ENCORE-
EN01. パルモア
EN02. 歩も金になって

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PROFILE

テスラハナカナイ/村上 学(g、vo)、吉牟田直和(b)、實吉祐一(ds)、飯野桃子(piano)。2008年5月に鹿児島にて結成されたバンド。2011年の10月に現在のメンバーに。同地を中心に活動し、2009年1月に自主制作CD-R「TESLA doesn’t know how to cry.」を発表。同年9月には2枚目の自主制作CD-R「梵 奏」をリリースし、翌年3月に初ワンマンを行う。その後も勢力的に活動し“COUNT DOWN JAPAN 11/12”への出演をかけた“RO69JACKオーディション”に入賞。2012年8月に初の全国流通盤となる1stフル・アルバム『High noble march』、2013年9月にクラムボンのミトをプロデュースに迎えた「アンダーソン」含む1stミニ・アルバム『Anderson』をリリース。今年4月にシングル「Lie to myself」でメジャー・デビューを果たす。

LIVE INFORMATION

<ツアー>

「TESLA doesn’t know how to cry.」release tour
7月10日(木)愛知・池下CLUB UPSET

7月11日(金)大阪・心斎橋Live House Pangea

7月18日(金)東京・渋谷WWW

<イベントほか>

EMI ROCKS neo OSAKA

5月21日(水)大阪・心斎橋Club JANUS

FM NORTH WAVE & WESS presents【IMPACT!Ⅵ】
5月24日(土)北海道・札幌cube garden

共演:大森靖子/Kidori Kidori/フレデリック/Brian the Sun

SAKAE SP-RING

6月7日(土)名古屋サーキットイベント

テスラは泣かない。Presents High noble MATCH!
6月20日(金)鹿児島・CAPARVO HALL

共演:髭

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO
8月15日(金)・16日(土) 
石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

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