EGO-WRAPPIN’ SINGLE「BRIGHT TIME」ディスクレビュー

BRIGHT TIME

SINGLE

EGO-WRAPPIN’

BRIGHT TIME

トイズファクトリー

2014.05.21 release

<CD>


東京・浅草に咲くEGO-WRAPPIN’のうた

 色彩豊かな絵画的な詞世界から一転、真っ直ぐな気持ちを優しく届ける「水中の光」ほか、メッセージ性とサウンド面における響きの繊細さが際立っていた昨年発表のアルバム『steal a person’s heart』。それから1年の歳月を経てリリースされたニュー・シングル「BRIGHT TIME」は、「モテキ」や「まほろ駅前番外地」といった作品でフジファブリックや坂本慎太郎を起用するなど、その音楽も毎回話題となる大根 仁監督のドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社」の主題歌、劇中歌、エンディング・テーマの3曲を収録した作品だ。原作漫画同様、ドラマの舞台である浅草は、ギターの森雅樹が実際に暮らしている街であり、そのことを知ったうえでEGO-WRAPPIN’に音楽制作を依頼したであろう人選は大根監督の音楽愛そのもの。

 その気持ちに応える形でふたりが楽しみながらレコーディングに臨んだであろう本作は、浅草の街にインスピレーションを得て、ネオン瞬く街並みやそこで交錯する人間模様を彼ららしいシネマチックなタッチで音と言葉に変換。昭和歌謡に内包されているジャズ、ブルースを基調に、主題歌の「Neon Sign Stomp」は、街のカオス感覚と共鳴するかのように、フルートやビブラフォン、各種ドラム、パーカッションをフィーチャー。劇中歌の「太陽哀歌(エレジー)」は、中納良恵が圧倒的な歌唱力でしっとりじっくりと歌い込み、エンディング・テーマの「サニーサイドメロディー」はリズムボックスとエフェクティブなギター、そしてブラック・ミュージック・マナーのコーラスワークが聴き手の心に静かな波紋を広げながら、穏やかに作品を締めくくる。それら個性色濃い楽曲たちを、ラテン・リズムとボコーダーが溶かし込まれた流麗な曲運びの3曲目「パンドラの箱」でスムーズに繋ぐ全体の作品構成も素晴らしく、光と影を含めた人生や日常に対する肯定感と豊かな色彩感が同居した作風に前作から一歩前に進んだEGO-WRAPPIN’の姿が映し出された充実のシングルとなっている。

(小野田雄)

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