The Mirraz – あらたなドラマーが加入し半年、The Mirrazからニュー・シングルが届く。バンドの今、そしてこれからについて、畠山承平が語る。

The Mirraz

同時代の洋楽からの刺激を吸収しながら、鋭く、攻撃的なロック・ミュージックを体現してきたThe Mirraz。2014年第1弾シングル「この惑星(ほし)のすべて」は“この惑星に生まれて本当によかった”とストレートに発信する、このバンドのポジティブ・サイドが明確に示されたナンバーに仕上がった。新ドラマー・新谷元輝の加入から約半年。あらたなグルーヴを手に入れたThe Mirrazはあらたなアンセム「この惑星(ほし)のすべて」とともにさらに加速していくことになりそうだ。バンドの現状とこの先の展望について、畠山承平(vo、g)に聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之

 

新しいスタートを切れた

──まず、4月に行われた自主企画イベント(“PYRAMID de 427 part7〜THE ROAD of the RINGOS〜Tokyo to Osaka〜”)の手ごたえについて教えてもらえますか?

手ごたえというか、自分たちで続けてるイベントなので、今年もしっかり終われて良かったなという感じですけどね。東京で自主企画をやるのは7回目とかなんですけど、ファンサービスの日みたいな感覚もあるし、“何をやってもOK”みたいな空気だったりするんですよ。でも、大阪でやるのは今回が初めてで。なのに同じノリでやっちゃったから、あの動画とかを観て、“え、何コレ?”っていう人もいたみたいで。(詳しくはレポート参照)

──ミイラズのライブの前に上映された映像ですね。「ロード・オブ・ザ・リング」のパロディみたいな……。

まあ、自分たちとしては“このイベントはこういう感じなんで”ってゴリ押しする感じだったんですけど(笑)。(観客の)年代も関係してると思うんですけどね。ホームページで「ロード・オブ・ザ・リング」みたいな映像をアップしておいて、“実は「金田一少年」(のパロディ)だった”ということなんですけど(笑)、10代の子とかは何のことかわからないかもしれないし。でも、“わからない”っていう感じも好きなんですよ、俺は。その場でわかんなくても、あとで調べてみて“コレか!”ってことになるっていう。

──不親切であることも大事な要素なんですね。

大事というか、勝手にやってるだけですけど(笑)。例えばライブ会場で“自分はわからないけど、隣の人はゲラゲラ笑ってる”っていう感じだったり、そういうのは面白いと思うんですよね。

──あの映像、自分たちで撮るのは手間じゃないですか?

いや、そんなことないですよ。撮影は2時間くらいだし、編集も1日あればできるんで。映画自体は中学生のときから撮ってるし、“編集でここまでできる”っていうのもわかってますからね。

──なるほど。ミイラズのライブ自体も、すごく良かったです。ドラムの新谷さんが正式加入してから半年ほど経ちますが、バンドのグルーヴが明らかに変化していて。

サポートとして入ってから「ライブがすごく良くなった」って言われるようになったんですよね。俺らも良い状態でライブに臨めるし、新鮮というか、新しいスタートを切れたという気持ちもあって。昔から仲が良かったし、バンドにもすぐに溶け込んで、空気も良くなったんですよね。元輝が前にやってたバンドとも対バンしてたんですけど、そのときから“こいつ、すげえ上手いな”って思ってたんですよ。“(ミイラズとは)違うバンドをやれたらいいな”っていう気持ちでいたから、このタイミングで一緒にやれたのはすごく良かったです。しかも、想像以上だったんですよね。

──新谷さんのドラムが?

そう。前は“勢いとパワーがあるドラマー”という印象だったんだけど、久々にやってみると、繊細なことも出来ることに気づいて。聞いてみたら、前のバンドを辞めたあと、自分が一辺倒のドラムしか叩けてないことに気づいて、いろいろと修業してたらしいんですよ。もっと強弱をつけられなくちゃダメだ、とか。そのときにミイラズの話があったから、ちょうど良かったんだよねって。

──曲作りにも良い影響があるんじゃないですか?

うん、全然違いますね。ウチって、僕がひとりでデモを作るんですけど、メンバーの演奏を想像しながら“こういうことをやったら面白そうだな”って想像しながらやってるんです。元輝は16ビートも得意だから、そういう曲が増えてくると思いますね。あと、ライブでコーラスもできるんですよ。音源に入ってる高いコーラスも歌えるから、ちゃんとライブで再現できるようになって。

自分たちの作ったハードルをちゃんと超えられた

──音楽的なクオリティもさらに上がりそうですね。そしてニュー・シングル「この惑星(ほし)のすべて」ですが。シングルとしては「傷名/うるせー」(’12年)以来、約1年5ヵ月ぶりになりますね。その間もバンドは止まっていたわけではないと思いますが……。

そうですね。まあ、メンバーが変わったっていうのもあるし、バンドとしてしっかり固めたいという時期もあったので。結構「久々のリリースですね」って言われるんだけど、自分としては“バンドって、2年くらいリリースしなくてもいいんじゃないか?”というのもあって。メジャーに来てからはまだ3年目くらいですけど、バンドとしては結構長くやってるし、そんなにボコボコ出せるもんでもないっていうか。ネタも尽きてくるし、“次、何やろうかな”っていうアイデアを貯めたいう気持ちもあったんですよね。

──特に日本のバンドって、リリースのペースが速い印象がありますからね。

そうかもしれないですね。ミイラズって、曲は結構作れるんですよ。もともと洋楽の影響が強いんですけど、カッコいいバンドは毎年のように出てくるし、そこから影響を受ければいくらでも作れるというか。ただ、そこに“クオリティを高くする”とか“良いクオリティを保つ”ってことを加えると、もうちょっと時間をかけたほうがいいな、と。今回の「この惑星(ほし)のすべて」も、1度完成したものを全部作り直してるんですよ。プリプロとか軽いRECまで終わってたんですけど、“全然ダメだな”って思って、歌詞もアレンジも変えて。その作業ができたから、“これだったら、シングルとしてリリースしても大丈夫”と思えたんですよね。次のクオリティっていうのかな。自分たちの作ったハードルをちゃんと超えられたなっていう。その作業をやらないで、“これでホントにいいのか”という気持ちで進んじゃうと、やっぱり良くないじゃないですか。

──納得いくまでクオリティを追求できる制作環境がある、ということですよね。

まあ、無理矢理そうしちゃった感じも強いですけどね(笑)。最初はシングルの2曲目に入ってる「らぶりー」を先に出そうっていう話もあったんですよ、去年の秋くらいに。だけど“メンバーも変わったし、そんなに急いでもしょうがないですよね”という話をして。でも、良かったと思いますよ。ファンの人たちには“お待たせしました”という感じになったかもしれないけど、ここから勢いよくスタートできるので。

──「この惑星(ほし)のすべて」、それから「らぶりー」もそうですが、これまでのミイラズの楽曲よりもシニカルな感じが少ないですよね。優しさもあるし、前向きな感じも含まれていて。

ちょっとマジメすぎる感じもありますけどね。ミイラズの売りは歌詞だと思ってるんですけど、皮肉とかシニカルな感じって日本では難しいのかなと感じてるところもあるし、ピュアなラブ・ソングみたいな曲をどうやって提示したらいいか? っていうのはずっと考えていて。あと、もともと自分は「この惑星(ほし)のすべて」みたいな曲で勝負したかったんですよね。ミイラズというバンドのイメージとして、シニカルで攻撃的なサウンドっていうのがあると思うんです。僕個人としては攻撃的な曲の反対側にこういう(「この惑星(ほし)のすべて」のような)曲があるという感じではなくて、むしろ中心に存在してるイメージなんですよ。

──「この惑星(ほし)のすべて」は新機軸ではなく、バンドの中心を担う曲ということですか。

リスナーの側から見ると、攻撃的な曲から入って、「この惑星(ほし)のすべて」みたいな曲に辿り着くっていう。ただ、世の中の人とか会社の人は、その両方が半分ずつ存在していて、“どっちも選べるよね”という感覚かもしれないな、と。だからと言って“もっと攻撃的な曲を出そうよ”っていう話になると、自分の感覚とは違ってくるんですけどね。自分としては、「この惑星(ほし)のすべて」みたいな曲を届けたいという気持ちが強いんです、どっちかと言うと。攻撃的な曲はキャッチに過ぎなくて、そこで“何これ? 面白いな”と思ってくれた人にこういう曲を聴かせて、“すごくいいね。心にくるような”ってところまでいかないと意味がないというか。

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