スガ シカオ SINGLE「アストライド/LIFE」ディスクレビュー

アストライド/LIFE

SINGLE

スガ シカオ

アストライド/LIFE

ビクターエンタテインメント

2014.05.21 release


端々にあらたな試みを感じるスガ流ポジティブ・ソング

 物事、プラスとマイナスはおおむねにセットでやってくる。いいことには落とし穴がありがちだし、悪いことのあとにうれしい知らせが届くことも多い。そこらへんの感じを、スガ シカオという人は本当にうまく歌にする。

 移籍第1弾シングルとしてリリースされた「アストライド/LIFE」も、そういう手腕が冴えまくった楽曲だ。約3年間のインディーズでの活動を経て、いよいよメジャー・シーンにカムバック。という2度目のメジャー・デビュー曲であるこの2曲、歌詞の世界観は大雑把に言うとポジティブなのだけれども、そこは落とし穴も失敗も怯えも……踏まえたスガ流の語り口で描かれていく。

 また今回の新曲、トラックはともにNewスガ シカオ。ふわっと浮遊感のあるキーボードが効果的な「アストライド」は、アンビエントな雰囲気を漂わせたサウンドや、喋るように歌うパートと抜けよく歌うパートを使い分けたボーカルが新鮮なミディアム・スロー・ナンバー。メジャー復帰に向けての決意を込めた楽曲とのことだが、歌詞のテーマだけでなくサウンド面からも、あらたな始まりへの意気込みを感じる曲となっている。

 そして「LIFE」は映画「オー!ファーザー」のために書き下ろされた、初めてプロデュースに小林武史を迎えたリズムのあるミディアム・ナンバー。まるで鼓動のようなビートとピアノをバックに静かに始まった曲が、サビでストリングスのパワーを助っ人に力強く開放感を得てゆく、その展開がなんとも小気味いい。言葉にリズムを出していく彼ならではのボーカル・スタイルも絶妙だ。

 さらに3曲目にはファンク・チューン『USO(Go Go FUNK)』を収録。後のダンス・ミュージックに大きな影響を与える’80年代中頃に注目された、ワシントンDCを中心としたブラック・ミュージックのスタイル”Go Go FUNK”はスガ シカオの得意とするところ。6月に開催されるオールスタンディング&ノーバラードをコンセプトとする”FUNK FIRE 2014″の予行練習にも打ってつけの一曲と言えそうだ。

(前原雅子)

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