でんぱ組.inc SINGLE「Dear☆Stageへようこそ♡〜武道館LIVE記念限定盤〜」ディスクレビュー

Dear☆Stageへようこそ♡〜武道館LIVE記念限定盤〜

SINGLE

でんぱ組.inc

Dear☆Stageへようこそ♡〜武道館LIVE記念限定盤〜

トイズファクトリー

2014.05.14 release

<CD>
※完全限定生産


Dear☆StageからNext☆Stageへ。

 5月6日。見切れ席、2階最上段の立ち見席までぎっしりと埋まった武道館。客電が落ちると大歓声の中、ステージ後ろのモニターに秋葉原のモノクロ映像が流れ出す。「俺はしがないサラリーマンだ。名前はまあ田中とでもしておこう」。田中という男の目線でカメラは動き、彼は導かれる様にDear☆Stageの扉を開く。

 でんぱ組.incの日本武道館公演で1曲目に披露された新曲「Dear☆Stageへようこそ♡」は、ここを通過したあとに始まる新しいストーリーへ向けての重要な1曲だ。詞曲アレンジは前作シングル「サクラあっぱれーしょん」の夢眠ねむ盤で彼女のソロ曲も担当している清 竜人。人生に疲れたサラリーマン・田中がたまたま入った秋葉原Dear☆Stageで、でんぱ組に出会い生きる元気と希望をもらうストーリー仕立ての楽曲は、彼の4枚目のオリジナル・アルバム「MUSIC」で用いたミュージカル風の台詞を多用する独特の手法が用いられ、今までの彼女たちの楽曲の世界観を壊さずにあらたなでんぱ組ワールドを作り上げるのに成功している。先日メンバーの相沢梨紗に話を聞く機会があったのだが、清がDear☆Stageを1度訪れただけで、自分が実際に働いていたときの思いが汲み取られたリアルな歌詞を書き上げてきたことに本当にビックリしていて、レコーディングでは歌いながら泣いてしまったそうだ。

 聴き手は田中=自分の目線で歌の世界に入って行きDear☆Stageへと導かれバーチャル体験することによって、でんぱ組から自分がいつももらっていたものは何だったのかということに気付かされて行く。「W.W.D」や「W.W.DⅡ」ではメンバーの過去や今の葛藤を知り、それでも前に進むそれぞれの力に勇気をもらったが、ここでは明日も生きられるように君と踊り続けたい、君と歌い続けたいというDear☆Stageで働く彼女たちの言葉からでんぱ組.incというグループの願いを知り希望をもらう。

 一方、武道館公演で終演後にスタッフロール映像と共に流された2曲目の「まもなく、でんぱ組.incが離陸致します♡」は、清 竜人の曲を、MOSAIC.WAVがアレンジした久々の王道電波ソング。つまり今回の2曲はDear☆Stageと電波ソングというでんぱ組.incの原点をパッケージングした作品になっているのだ。メンバー、スタッフ、会場に来ているお客さん全員で、でんぱ組incですというライブMCを度々する彼女たちだが、今作は、そんな全員が持って繋いできたこれまでの気持ちや思い、ストーリーを今一度思い出して共有し、次のステージへと歩み出すために作られた様に思えてならない。

 Dear☆StageからNext☆Stageへ。この作品を礎に扉は開かれ、でんぱ組.incはここから皆で進んで行くのだ。

(山村哲也)

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