東京カランコロン – 蔦谷好位置をプロデューサーに迎え、さらにスケール感を増した2ndシングル「恋のマシンガン」。今作のメイン・ボーカルは、せんせいが担当!

東京カランコロン

東京カランコロンが昨年11月に発表したメジャー2ndアルバム『5人のエンターテイナー』は、メンバー5人の人間力に満ちたエネルギーたっぷりな作品だった。そのアルバムを引っ提げての全国ツアー<『5人のエンターテイナー』リリース記念全国ツアー“ワンマ ん ツアー 2014”>も大盛況。さらに、ファイナルのZepp DiverCity公演はソールド・アウトとなるなど、彼らの勢いは止まらない。そんな東京カランコロンのニュー・シングル「恋のマシンガン」は、せんせいがメイン・ボーカルをとる、蔦谷好位置をプロデューサーに迎えてのエレクトロニックなポップ・チューン。これまでのイメージから一歩突き抜けるサウンドは、清々しいまでに痛快だ。東京カランコロンの第2章の始まりを告げる新曲について、いちろーとせんせいに話を聞いていこう。

INTERVIEW & TEXT BY 土屋恵介

 

大きいところを意識したものを作りたいというのが最初からあった

──ニュー・シングル「恋のマシンガン」は、せんせいが作詞とメイン・ボーカルを務める、アルバム『5人のエンターテイナー』を経てからの新しいスタートの一枚です。どういうきっかけで曲が生まれたんですか?

いちろー 去年の『5人のエンターテイナー』ってアルバムは、自分たちができることを5人だけでやるってテーマで、ライブハウスを意識した作品だったんです。それを作ったあとで、今度は自分たちだけではできないこととか、あとはライブハウス規模じゃなく、ホールとか大きいところを意識したものを作りたいというのが最初からあったんです。その意識で曲作りをしていたんですが、なかなか自分たちの楽曲の持ち味と、スケール感みたいなものを両立させるのが難しくて。これまでデカいとか意識して曲を作ったことがなかったのでかなり難産でしたね。たくさん作った中で、最後の最後にこの曲が出来たんです。これなら自分たちが思う、新しいことプラス、ちゃんとポピュラリティがあってスケール感の大きいものになるなと感じたんです。

──せんせいが歌うシングルというのは、最初からアイデアとしてあったんですか?

いちろー シングルを春に出すのは決まっていたので、せんせいが歌う元気なものってイメージはなんとなくあって作っていきました。去年は「16のbeat」ってシングルを出して、アルバムを出して、僕の色が濃いものが多かったので、次はせんせいメインのアッパーな曲っていうシングルを出したかったんです。
せんせい この曲は、いちろーさんが言ったように、すごい難産の曲だったんです。実は、去年アルバムを出すちょっと前から曲作りに入ってたんですけど、全然これだっていうのが定まらなくて。年末までずっとそういう感じだったんです。メンバーみんな、“どれも良いけど、どれもピンとこない”って言ってて。で、お正月休みを数日ちょっとだけ挟んでスタジオに入ったら、みんなすごく良いテンションになってたんですよ(笑)。年明けてから、これで行きたいってものがすぐに出来たんです。今まで、これをシングルで出したいとか、わりと即決だったんですけど……やっぱり、大きいとこを狙うとか、もうひと回りバンドを大きくしたいって気持ちがあったからこそ、すごい悩んでしまったりしたのかなって。

──良い意味での、気負い感があったんですね。

せんせい それはすごいありました。
いちろー どういう曲にするか、レコード会社の人も含めてすごい何度も打ち合わせをして。こんなにしたのは今までないよね。
せんせい うん、初めて。
いちろー 何度も話し合ったうえで「恋のマシンガン」が出来たんです。

──プロデューサーの蔦谷好位置さんは、どの段階で入ったんですか?

いちろー この曲の原型が出来てからですね。もともと、誰かプロデューサーさんにお願いしたいというのはあったんです。自分たちのできないことをやりたかったのもあるし、第三者の目で、僕らの作るものの余分なところ、足りないものを見てもらいたかったので。蔦谷さんにお願いしようというのは楽曲ありきですね。この曲を蔦谷さんにプロデュースしてもらったら絶対良くなるなって確信があってお願いしたんです。

東京カランコロン・ワールド全開っていう歌詞を作ってみたくて

──エレクトロニックなサウンドが前面に出てキラキラしてるし、メロディの突き抜け感もあります。歌詞は、憧れの対象へ想いを馳せる、妄想女子のラブ・ソングという感じですね。

せんせい 今回私が初めてリード曲で歌詞を書いたんですけど、シングルだからこそ、東京カランコロンの大事な曲にしたいって気持ちがすごくあったんです。自分がどうこうじゃなく、東京カランコロンの歌詞を書きたいと思って。カランコロンの描く主人公って、見る人によっては、イタい、かわいそうって人が多いんですけど(笑)、そういう東京カランコロン・ワールド全開っていうのを作ってみたくて。妄想する女の子を主人公にして、ちょっと古いクスッとしちゃうカタカナを詰め込んだり。曲がエレクトロっていうのもあって、そことのマッチングを考えました。ノリが良いけどかわいくて面白くて、でも最後にちゃんとオチがついてるものにしようって。勝負をかけたいなと思っていたので、いちろーさんと結構相談しながら書きました。

──ストーリー的に追っていくと、この子がどうなるのかなって気になりますね。

いちろー 最初にせんせいが書いた歌詞は、一途にハマっちゃう女の子の話だったんです。でもそれだけだと救いがないなって。最終的に、女の子自身が自分をどんどん成長させていくストーリーのほうが良いねって、みんなで相談しながら肉付けをしていった感じですね。憧れてる相手を、せんせいはアイドルってイメージで作ってて、僕はミュージシャンでも同じ感じかなとも思いましたね。“こっち向いてよ”って言いつつ、振り向かなかったら次の人に行こうみたいな、その切り替えが、女の子らしいリアリティだなって。結局、女の子のほうが強いってことなんですよね。ハマってる側のほうが一枚上手な感じというか。憧れの対象は流行として使い回されるけど、それによって女の子は強くなるっていう。

──そして、タイトルとイントロのスキャット感に、フリッパーズ・ギターの「恋とマシンガン」へのオマージュを感じますが。

いちろー 最初はオマージュするつもりはなかったんですよ。イントロに似たフレーズが入ってるんですけど、結果的にそうなったんです(笑)。最初に、せんせいが歌詞をざくっと書いたときに、“マシンガン”って言葉があったんだっけ?
せんせい メロディに続けて“ラララ〜マシンガン”って言葉がその場のノリで出てきてて、そのあとのスネアのパンパンって音がマシンガンを撃ってる感じだなって。“マシンガン”って言葉は、曲の中で大事なキーワードになるなって、そのときからなんとなくわかってましたね。で、それとは別に恋愛の歌詞を書いてたら、いちろーさんが“好きって気持ちをマシンガンみたいに撃ちまくるって歌詞にすれば?”ってアイデアをくれて。じゃあタイトルは「恋のマシンガン」で良いかって思ったんです。私は、普段全然音楽を聴いたりしないので、まったく「恋とマシンガン」って曲があるのを知らなかったんです(笑)。でも、曲を聴いたら、誰でも知ってるやんって思って(笑)。それで、これは何かかけたら面白いかもってスタッフ・サイドからもアイデアが出て、蔦谷さんと相談して今回のイントロが出来たんです。
いちろー たぶん僕らより若い世代は知らないと思うんですよ。曲は聴いたことがあってもタイトルまでは。でも知ってる人はわかると思うので、そこは伏線として拾っていこうと思って。

──フリッパーズの「恋とマシンガン」は主人公が男で、時代変わっての「恋のマシンガン」は主人公が女の子って、なんとなく現在の女性上位時代を表してるようにも映ります。

いちろー そうかも。フリッパーズ・ギターに関しては、J-POPに対する見方とかも通じるところがあるなとは思いますね。いわゆるメイン・ストリームのポップスじゃないやり方で、ちゃんとポピュラリティのあるものを作ってたじゃないですか? もちろんネオアコっぽいから、僕らとはサウンドの持って行き方は違うけど。ただ、おしゃれに見せるってことじゃなく、そういうオマージュも面白いなと思って入れたんですよね。

私らの存在は確実にあるけど、いかにその味を活かして料理するのか

──サウンド面では、突き抜け感があるし、曲がより光を放てるアレンジになってますよね。蔦谷さんとはどういうやりとりをしたんですか?

いちろー まず、蔦谷さんに渡すデモを作ったんです。そのときは演奏的に、もうちょっとごちゃごちゃしてたんですよ。それを蔦谷さんが組み立ててくれて、返ってきたものをまた自分たちでアレンジしてって流れでした。全体のキラキラ感は、蔦谷さんの力が大きいですね。ただ、最初に入ってるカオシレーターって機械のニュィーンって音とか、おいたんのギター・フレーズ、間奏のフレーズとかは、最初に自分たちで作ったものが活きてますね。自分たちの特色は残してもらって、派手さやキラキラ感、打ち込みの要素をプラスしてもらった感じです。
せんせい いろんな配合がすごくうまい人だなって。私らの存在は確実にあるけど、いかにその味を活かして料理するのか、すごく上手だったなって思いました。メンバー全員が、最初に仕上がってきた音源を聴いたときに、“間違いないね”“最高だね”って感想だったんです。このタイミングで蔦谷さんと一緒にできてすごく良かったと思いました。

──今後の自分たちにも刺激になりますよね。

いちろー そうですね。勉強になったことがものすごくあったので。さっき言った、自分たちの余分なものとか、足りないものがいろいろ見えました。ここをすっきりさせたらメロディが際立つんだとか、逆に隙間がありすぎるから埋めないとバランスが悪くなるんだって。それを理論的に言える人なんですよね。

──言葉でも伝えられる人なんですね。

いちろー そうなんです。自分の中の音楽論がすごくしっかりしてるから説得力があるんです。感覚だけじゃないので、ほんと勉強になりました。僕、ずっと横で見てましたもん(笑)。今回、僕はあまり歌わないし、ギターもほとんど弾いてないから。だって、ギター録りが10分で終わったんですよ(笑)。
せんせい ほんま早かったよね。逆に大丈夫か心配したりして(笑)。
いちろー でも、蔦谷さんの中ではジャッジが見えてるんですよね。だからレコーディングも早いんです。

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