The Mirraz – ゲストにふくろうず、東京カランコロンを迎え行ったThe Mirraz久々となる自主企画イベントの模様をレポート!

The Mirraz

 The Mirrazの自主企画イベント“PYRAMID de 427 part7〜THE ROAD of the RINGOS〜Tokyo to Osaka〜”。ゲストにふくろうず、東京カランコロンを迎えて開催されたこの日のイベントは、ジャンル、音楽性、キャラクターを超え、バンドというスタイルの多様性と可能性をリアルに実感できる内容となった。もちろん、ニュー・シングル「この惑星のすべて」リリースを控えたThe Mirrazも絶好調。新ドラマー・新谷元輝の正式加入から約半年。このバンドは今、さらに強力なグルーヴを手に入れつつあるようだ。

TEXT BY 森朋之 PHOTOGRAPHY BY 柴田恵理

祈りにも似た美しいメロディと切実なメッセージ性

 オープニングを飾ったのは、ふくろうず。祈りにも似た美しいメロディと切実なメッセージ性をたたえた「すばらしい世界」を演奏、独特の世界観で会場を包み込む。MCでは安西卓丸(b、vo)が「(The Mirrazの)畠山からすっごく長いメールが来てた」というエピソードを披露。「いつも超マジメなメールだから、“送り返さなくちゃ”と思ってたら、さらに長いメールが来て。しばらくしたらぱったり来なくなっちゃいましたけど」と語り、会場の笑いを誘う。ラストは「ふくろうずはこういうバンドですというのをわかってもらえる曲」(内田万里/vo、key)という「砂漠の流刑地」。ノイジーかつメロディアスなギター・サウンドとともにイベントのスタートを盛り上げた。

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SETLIST

01. すばらしい世界
02. グッドナイトイズカミング
03. 街はいつも雨のよう
04. 37.3
05. ボーイミーツガール
06. トゥーファー
07. だめな人
08. 砂漠の流刑地

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ポップかつアバンギャルドなステージも最高

 続いては、“ARABAKI ROCK FEST. 14”のステージを終えて駆けつけた東京カランコロン。The Mirrazのメンバーと会うのはこの日が初めてということだが、「タワーレコードでミイラズの看板(アルバム『選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ』)の発売時に設置されていた、“キノイ君”オリジナル立看板」)と一緒に写真を撮った」(せんせい/vo、key)など“ミイラズ愛”をアピール。もちろん、ポップかつアバンギャルドなステージも最高。「少女ジャンプ」、ニュー・シングル「恋のマシンガン」(5/14リリース)、高橋久美子(元チャットモンチー)の作詞による「泣き虫ファイター」など、カラフルなアッパーチューンを連発し、観客のテンションを引き上げた。

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SETLIST

01. 少女ジャンプ
02. 16のbeat
03. 恋のマシンガン
04. ひなげし
05. true!true!true!
06. 泣き虫ファイター

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扇動的なダンス・ビートが響き渡りオーディエンスの興奮は一気に頂点へ

 そして、The Mirrazのアクトへ。まずはイベント・タイトルの「THE ROAD of the RINGOS」にちなんだ約10分のショート・ムービーが上映される。もちろん「ロード・オブ・ザ・リング」のパロディなのだが、メンバーの名演技(?)もあり、ゆるーい笑いが会場に広がる。(ちなみに最初に制作した映像は25分くらいあり、“長すぎる”という理由でボツになったとか。そちらは近々ホームページで公開されるということだが、こういう遊びに力を注ぐところもじつにThe Mirrazらしい)。

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 上映が終わるとメンバーがステージに登場。熱狂的な歓声が上がるなか、いきなり「レディース & ジェントルマン」「CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい」というアンセムを放つ。ダークかつシャープなギター・リフ、扇動的なダンス・ビートが響き渡り、オーディエンスの興奮は一気に頂点へ達する。この2曲は’08年のアルバム『OUI!OUI!OUI!』の収録曲。当時の洋楽インディー・ロックからの影響を色濃く反映したナンバーなのだが、5年以上経った現在でもまったく色褪せず、きわめて現代的なロックンロールとして機能している。そこからメジャー1stシングルに収められていた「気持ち悪りぃ」へ。ルーズなバンド・グルーヴとノイジーなギター・サウンドとともに“あぁ気持ち悪りぃ”という大合唱が生まれる。その瞬間の気分をそのまま吐き出し、クールなロック・ミュージックへと直結させることで圧倒的な気持ち良さを発生させる。激しく身体を揺らす観客を見ながら、“こんなことができるのはこのバンドだけだな”と改めて思う。

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The Mirrazの音楽を聴いてる間だけは、清々しいまでのカタルシスを感じてしまう

 ライブ中盤には未発表曲を披露。「去年、ロスに行って、最初にしたのは寿司を食べることで。スーパーで買ったんだけど、意外と美味かったんだよね。で、検索したら“Sushi Go 55”っていう店があって」(畠山)という紹介とともに演奏されたこの曲は、“SUSHI A GO! GO! GO!”“Oh! Yeah!”という掛け合いが楽しい開放的なロックンロール。こんなに享楽的なグルーヴは初めてかもしれないな——と思っていたら「ふぁっきゅー」「なんだっていい//////」という悪意と諦念に満ちたリリックを備えたアッパーチューンが連射される。ああ、やっぱり気持ちいい。街を歩いてるときも電車のなかでも家のなかでもライブハウスでも四六時中イラついてしまうわけだが(曽我部恵一さんの歌みたいに、すぐに“バカばっかり”と思ってしまうのは何かの症状なんでしょうか?)、少なくともThe Mirrazの音楽を聴いてる間だけは、清々しいまでのカタルシスを感じてしまうのだ。

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 さらに特筆すべきは、ここにきて大きく進化を遂げたバンド・サウンド。ドラマー・新谷元輝の加入によってリズムの精度が増し、それが爆発的なダイナミズムへとつながっているのだ。そのことをもっともダイレクトに感じたのが、ニュー・シングル「この惑星のすべて」。ドラムンベースを想起させるようなリズム・アレンジと鋭利なギター・サウンドを共存させたこの曲は、新谷のドラム・プレイを抜きにしては成立しない。そう、彼のビートによってThe Mirrazはまったく新しいグルーヴを獲得しようといているのだと思う。畠山のリリックも少しずつ変化している。「この惑星のすべて」における“愛すべき惑星(地球)に生まれて本当によかった”という感情。目の前にある風景を慈しみ、肯定するような感覚を持ったこの曲はおそらく、彼らの新機軸となるだろう。

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「元輝が入ってから、初めてやるんだよね」(畠山)という言葉に導かれた「Let’s Go!」からはライブ・アンセムを連発。特に“どれだけの涙流せば この涙は枯れるのだろう”というラインから始まる「僕らは」は圧巻だった。本当の孤独を知っている人間でなければ、他者と繋がることはできない——The Mirrazのライブを観るといつもそう思ってしまう。

開放的でポジティブな“新しいThe Mirraz”

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 アンコールでは「アークティック・モンキーズのギターの人が“アンコールで新曲をやるなんて愚の骨頂”って言ってたんだけど、それをやります」という畠山のMCを挟み、新曲「プロタゴニストの一日は」を演奏。プロタゴニストとは“主人公”のこと。この曲の歌詞は彼らのホームページにアップされているので、ぜひ読んでみてほしい。“自分の人生は自分だけのもの”という気持ちが少しずつ蘇ってくると思う、きっと。

 そして最後は、ふくろうず、東京カランコロンのメンバーをステージに呼び込み、「観覧者に乗る君が夜景に照らされてるうちは」。“鋭くて性急なビート、過剰な数の言葉を放ちまくるボーカル”という従来のスタイルをさらに強化しつつ、開放的でポジティブな“新しいThe Mirraz”もしっかりと体感できる、きわめて意義深いイベントだったと思う。

SETLIST

01. レディース & ジェントルマン
02. CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
03. 気持ち悪りぃ
04. スーパーフレア
05. 真夏の屯田兵〜yeah! yeah! yeah!〜
06. 僕はスーパーマン
07. SUSHI A GO! GO! GO!(新曲)
08. ふぁっきゅー
09. なんだっていい//////
10. WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!
11. この惑星(ほし)のすべて
12. Ii want u 
13. Let’s Go!
14. check it out! check it out! check it out! check it out!
15. ラストナンバー
16. 僕らは
<ENCORE>
EN1. プロタゴニストの一日は(新曲)
EN2. 観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは

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PROFILE

ザ・ミイラズ/畠山承平(vo、g)、佐藤真彦(g)、中島ケイゾー(b)、新谷元輝(ds)の4人組ロック・バンド。2006年9月に畠山を中心に結成。2008年12月に1stアルバム『OUI! OUI! OUI!』をリリース。2011年のメンバーチェンジを経て中島と佐藤が正式加入。2012年7月16日にEMI Music Japanへのメジャー移籍を発表し10月にメジャー1st シングル「僕らは/気持ち悪りぃ」をリリース。2013年の10月31日にドラムの新谷元輝が正式に加入し、現在のメンバーに至る。

LIVE INFORMATION

〜運が悪いってかなり不利だよねこの惑星じゃ ミニライブツアー 2014ss〜
6月2日(月)名古屋アポロベイス
6月3日(火)難波 ROCKETS
6月5日(木)原宿アストロホール
※シングル「この惑星のすべて」購入者先着特典ライブ

関連リンク

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The Mirraz(オフィシャルアカウント)

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