爆弾ジョニー ALBUM「はじめての爆弾ジョニー」ディスクレビュー

はじめての爆弾ジョニー

ALBUM

爆弾ジョニー

はじめての爆弾ジョニー

キューンミュージック

2014.04.23 release


21世紀のロック・ヒーロー、爆誕!

 インリン・オブ・ジョイトイという女性アーティストがいた。かの有名な“M字開脚”で世の男性を幸せにした、あのエロ・テロリストである。“エロ・テロリスト”というのは、安いB級グラビア誌が語感だけで安易に付けたキャッチ・コピーではない。“スケベなことを考えているときは、みんな争うことなんて考えない。みんなが私を見てスケベな気持ちになれば、戦争もなくなるはずだ”という崇高な信念に根ざした、れっきとした彼女の気概そのものなのだ。なんてピース! プリミティブ! そしてシンプル! 現在は故郷の台湾に移り住み、育児日記のブログ執筆に勤しんでいるインリンだが、今なおその気高い精神は私の心にシッカリと息づいている。

 彼女との衝撃的な出会いからおよそ10年。あのときに匹敵するほどの……いや、それを大きく上回るほどの感動が、今再び私の元に訪れた。それが爆弾ジョニーのメジャー・デビュー・アルバム『はじめての爆弾ジョニー』、その音楽だ。はっちゃけた痛快なパーティ・グルーヴ、ふざけたリリック、とにかくすべてがハイエナジーでハイテンション。こんなに楽しいアルバムは、これまでの人生で聴いたことがない! その実、馬鹿馬鹿しいだけのバンドじゃない。ふざけた歌詞をシッカリ読んでみれば、笑いも、怒りも、哀しみも、希望も絶望も、どストレートに叫ばれている。ロック、ファンク、レゲエを取り込んだ芸術的なサウンドの構築法、ときにエモーショナルに、ときに圧倒的な爆発力を持って、聴く者の世界を色とりどりに塗り替えるバンド・アンサンブル。彼らのすべてがピカピカの一級品。漏れなく良曲を生み出す、バカで天才な、稀代のロック・バンドだ。“ロックで世界平和!”をモットー(?)としてる彼らだが、その音楽はまさにピース! プリミティブ! シンプル! しかも、フリーダム! 彼らこそ、21世紀のロック・テロリストだ。

 彼らの次なるシングル「唯一人」(2014年6月4日リリース)は、現在フジテレビ系で放送中のアニメ「ピンポン」のオープニング・テーマ曲となっている。広く人々にその魅力を知られることとなった爆弾ジョニーなわけだが、今のうちに今作を聴いておいてほしい。なんてったって、フロントマンりょーめー(vo、g)はまだピチピチの20歳! 油断してると、そのエネルギッシュでフレッシュな勢いに置いていかれかねないのだ。今後が楽しみ過ぎる5人組から、引き続き片時も目を離すべからず。

(小島双葉)

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