川谷絵音(ゲスの極み乙女。/indigo la End) – ミニ・アルバムで同時デビューしたゲスの極み乙女。とindigo la End。両バンドのフロントマンとして中核を担う川谷絵音とは? じっくりと話を聞いた。

川谷絵音(ゲスの極み乙女。/indigo la End)

ゲスの極み乙女。とindigo la Endが同時にメジャー・デビューする──。そのニュースを聴いたときにニヤリとした人は筆者だけではないだろう。両バンドのイニシアティブを握っている川谷絵音の狙いどおりの展開になっている。そう思った。昨年、ゲスが一躍ロック・シーンを騒がす存在となり、その支持を拡大しながら、そもそも川谷の母体であったindigoの立ち位置も底上げしてみせる。今回のメジャー・デビューでそれがどこまで果たされるかわからないが、ゲスの『みんなノーマル』もindigoの『あの街レコード』もそれぞれの音楽性と命題が明確に定められ、文句なしに充実したミニ・アルバムに仕上がっているのは間違いない。今回のインタビューではこの2作品について聞くだけではなく、川谷絵音とはいったい何者なのかというところにも迫った。

INTERVIEW & TEXT BY 三宅正一

 

俺は最初2バンド同時メジャー・デビューさせるのに反対だった

──ゲスとindigoを同時にメジャー・デビューさせるというのは川谷くんが望んだことなんですよね?

いや、違いますね。もともとはゲスが4月にメジャー・デビューすることが先に決まっていって。indigoはindigoでインディーズのまま出すつもりだったんですけど、一緒にメジャー・デビューしたほうが面白いんじゃないかという話になったんですよ。

──レーベルサイドから?

そうですね。でも、俺はその話を聞いたときに両バンドに弊害が出るだろうなと思ったんですよ。数字とかチャートの順位でわかりやすい差が出るから。それもあって俺は最初2バンド同時メジャー・デビューさせるのに反対だったんですよね。

──意外だな。

そういう話が出たのが、去年の12月で、ちょうどゲスが『踊れないなら、ゲスになってしまえよ』をリリースして、売り上げ的にもいい結果が出ていたので、余計にこれはマズいんじゃないかと思って。indigoのメンバーに対してナイーブな部分が出てきちゃうなって。今の状況を考えたら同時リリースするとindigoのほうが潰れちゃうんじゃないかという危惧がありましたね。でも、よくよく考えたら、今回のindigoのミニ・アルバムって初めて外に向けて作った作品になったので。きっかけとしてメジャーというフィールドに上がってもいいんじゃないかってだんだん思うようになったんです。今では良かったと思ってます。メジャーだから、インディーズだからっていう時代でもないし、あくまできっかけにすぎないなって思ってるんですよ。ワーナーと契約しましたけど、別にどのレーベルでもよかったと言えばよかったし。

──メジャー、インディー云々については、川谷くんはそう言うと思ってたけど。でも、広いフィールドで戦おうとするうえでメジャー・デビューというのはひとつの取っ掛かりにはなるし、そうしないと意味ないですよね。

そうですね。でも、今のゲスの勢いならメジャーだろうがインディーズだろうがホントに関係ないんで。だって、リスナーもメディアもそこで食いついたわけじゃないから。フジテレビのきくちPも純粋にゲスというバンドの存在と音楽を面白がってくれたから「僕らの音楽」にも出演させて頂いたわけで。だから、今回は2組同時メジャー・デビューというニュース性を取っ掛かりにして、indigoのフックアップができればいいなと思っていて。ゲスに関してはメジャーというフィールドは一応経験しておきたい通過点というか。

──せっかくなら派手な展開をしたほうが面白い。プロモーションしかり、ライブしかり。

そうですね。そういう面での変化がなければやる意味はないと思うし。

初めて買ったCDがEXILEの『EXILE ENTERTAINMENT』

──今日は改めて川谷くんのバックグラウンドについても聞きたいんですけど。そもそも曲作りを始めたのは遅いんですよね?

そうですね。曲を本格的に作り始めたのは大学3年くらいですね。

──音楽的な原体験はどういうものなんですか?

T.M.Revolutionとかですね。僕、兄と姉がいて。兄とは7歳、姉とは6歳離れてるんですね。それで、基本的には音楽とかも兄と姉のおさがりのものを聴いてたんです。カセットテープに録音されたやつを。そこに久保田利伸の曲が入ってたりして。それから小学生のときにオリコンチャートをチェックするようになって、1位から10位の曲をお父さんにレンタルしてきてもらってました。だから基本的に毎週1位から10位の曲をずっと聴いてるという。

──ヒットチャートが好きだったんだ。

好きでしたね。中1のときに初めて買ったCDがEXILEの『EXILE ENTERTAINMENT』というアルバムで。テレビから入ってくる音楽ばかり触れてました。

──バンドものは?

バンドに興味が出るというより、オリコンチャートに入ってるバンドの曲を聴いて、“あ、これがバンドなのか”って思う感じで。バンドものとそうじゃないものの区別がついてなかった。高校のときに友だちがBUMP OF CHICKENが好きで、1回一緒にライブを観に行ったことがありましたね。バンドものを積極的に聴いたりはしてなかったんですけど、なぜか(ザ・)ホワイト・ストライプスだけは好きで聴いていて。あとは、母親が、クラシックが大好きで。小さいころからクラシックを聴かされてたから、ちょっと嫌になってたんですけど、「のだめカンタービレ」が流行ったときだったかに俺も急にバイオリンがやりたくなって。それで母親が先生を探してきてくれたんですけど、小さいころから稽古ごととかすごく苦手だったから、やっぱりいいやってなって。結局、母親がその先生にバイオリンを教えてもらうことになるっていう(笑)。

──昔から天の邪鬼なんだね。

そうなんだと思います。

──小中高と学校ではどういう存在だったんですか?

ふつうでしたね。結構まじめに勉強してたほうなんですけど、中学のときってヤンキーが目立ったりするじゃないですか。俺はすごくゲームがうまかったんで、それをきっかけにヤンキーと仲良くなって。ヤンキーのケンカの現場にいるんだけど、俺はゲームをやってるみたいなことがありましたね。

──マンガみたいな状況だな。

俺はゲームをいかにクリアできるかを人に教えるのが好きなだけで、そのヤンキーたちには何も興味はなかったんですけど。

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