RADWIMPS – 3月8日に行われた“RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継 〜会心の一撃編〜”の横浜アリーナ公演をレポート!

RADWIMPS

 昨年12月にリリースされたRADWIMPSの最新アルバム『×と○と罪と』は4人編成のバンドという表現形態の可能性を大きく拡張していく画期的な傑作となった。さらなる高みへと進み続けている彼らは、ライブという場所で、その新作の楽曲の数々をどのように立体的に表現していくのだろうか? 最新作収録曲「DARMA GRAND PRIX」と「実況中継」の曲名の中の語句がタイトルに引用されているツアー、“RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継 〜会心の一撃編〜”の12本目となる横浜アリーナ、3月8日のステージ。ツアー中なので、演出の詳細などの描写は控え目にしつつ、レポートしていこう。

TEXT BY 長谷川誠 PHOTOGRAPHY BY 古溪一道

すべては歌をいかに効果的に伝えていくか、という一点に向かっている

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 音楽って、なんて自由なんだろう。この日のステージを観て、まず思ったのはそんなことだった。“RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継”が始まって1ヵ月ちょっと。7月まで続くロング・ツアーだから、まだ序盤なのだが、彼らは気負うことなく、フラットな自然体で、集中力溢れる演奏を展開していた。地元でのステージということが関係しているのかどうかはわからないが、バンドが良い状態にあることは間違いない。良い状態なのはバンドと観客との関係にも当てはまりそうだ。信頼しあって、ともに作っていくステージ。そのことは野田洋次郎のこんな言葉からもうかがえる。

「ただいま、RADWIMPSです。ヤバいな、ヤバいな、この感じは。届いていますか? 超見えてるよ、後ろのほうまで。なんか未来が見えるよ、今日、2時間後ぐらい。どこまでもどこまでも高いところまで行きましょう」

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 LED画面や大掛かりなセット、照明なども駆使しての始まりで、彼らの音楽が会場内に満ち溢れていく。オープニングの段階ですでに一気に高いところまで駆け上がっていくステージ。だが目指すはさらなる高み。ドラムの山口智史のカウントで始まった「DARMA GRAND PRIX」では歯切れのいいファンキーなグルーヴに乗って、観客も飛び跳ねまくっている。エッジの効いた言葉とエッジの効いたバンド・サウンドとが絶妙に連動している。ベースの武田祐介、ギターの桑原彰のソロも挟んでのスリリングな演奏。4ピースのバンドの強靱なアンサンブルが実に気持ちいい。バンドの演奏の精度も強度も確実に増している。だが、今の彼らはバンドのフォーマットからも自由になった柔軟な表現方法も獲得している。つまりより音楽的でよりクリエイティブ。時には楽器をとっかえ、ひっかえしつつ。でもこれみよがしにテクニックをひけらかすところは一切ない。すべては歌をいかに効果的に伝えていくか、という一点に向かっている。

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4人の声と音が深い絆を形成していく

「Tummy」は野田のピアノで始まり、ピースフルな歌声とマジカルで繊細で優美な演奏が音楽を紡いでいく。客席のハンドクラップも加わり、メンバーのハーモニーが混ざり合って、温かな空気が漂っていく。バンド・マジックという言葉があるが、これはバンド+オーディエンス・マジック。「パーフェクトベイビー」はその場でリズムを打ち込んで、ループさせながら。アクシデントがあって、やり直しをする場面もあったのだが、生での演奏にこだわっているからこそ。そのリズムに客席のハンドクラップが加わり、さらには多彩な楽器が加わって、演奏が進行していく。このメンバーがこんな楽器をこんなにふうに演奏していくんだという音楽的なサプライズがたっぷり。新鮮な演奏についこっちまで笑顔になってしまう。創意工夫満載で変幻自在に形を変えるアメーバみたいなバンドだ。いや、楽団、楽隊という言葉を使いたくなる瞬間もある。

 驚くべきなのは彼らが最新アルバム『×と○と罪と』の世界観を“再現”するのではなくて、再構築して、あらたなる創造を行っていたこと。個々のメンバーの音楽的な能力の高さと柔軟な発想とたゆまぬ努力があるからこそ、こうしたステージが可能になったのだろう。言葉のパワーが全開となったのはRADWIMPS流ミクスチャーとも言えそうな「実況中継」。映像や照明も駆使しつつ、切れ味抜群の言葉にバンドのビートが磨きをかけていく。4人のアカペラのコーラスで始まったのはアコースティックの響きを生かした、素朴かつアーシーなテイストが魅力的な「リユニオン」。武田はアップライトベースからキーボードまで、様々な楽器を持ちかえながらの演奏。4人の声と音が深い絆を形成していく。歌詞で描かれた世界がそのまま演奏で具現化されている。多彩な演奏なのだが、どの曲にも共通しているのは歌詞、歌、演奏が三位一体となって届いてくるということ。しかもどの曲も間口が広くてオープン。どう感じるか、どう受けとめるのかは聴き手に委ねられている。その点においても実に自由なライブなのだ。

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愛の特性すらも赤裸々に浮かび上がらせていく

 広い意味でのラブ・ソングと言いたくなるようなナンバーが並んでいることも特徴的だった。ラブ・ソングと言っても、スイートなだけ、ロマンチックなだけの歌はない。時にはヒリヒリとした感触を備えている。それは愛がもたらすものは喜びだけではないからだろう。愛が存在するからこそ、怒りに震えたり、深い傷を負ったりするケースが多々ある。愛は時として喜怒哀楽のすべてを増幅させたり、歪ませたりして、まるでアンプやエフェクターのような機能を備えている。『×と○と罪と』というアルバムはそうした愛の特性すらも赤裸々に浮かび上がらせていく作品だと個人的には解釈している。その作品を軸に据えたライブから最終的に伝わってきたのは、愛の持っている影ではなくて、光の部分だった。影の部分もしっかり踏み込んで描いているからこそ、光のかけがえのなさが浮き彫りになっていく。メンバー4人それぞれが何度も口にしていたのは「超楽しいです」「幸せです」「ありがとうございました」といった言葉だった。野田の発言もこんな感じ。

「自分らが世界一かっこいいなと思う音楽をずっと作り続けて、たまたま聴いてくれる人たちがいてくれて、多くの人が自分たちのものにしてくれているのは最高の幸せです。これからもあなたたちのものにしていってくれるなら、こんな幸せなことはありません」

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 愛に溢れた4人が歌い、演奏しているからこそ、そしてそんな彼らの音楽を愛する人々がたくさん集っているからこそ、こんなにも愛にあ溢れた空間が出現したのだろう。彼らがステージで演奏することは音楽という名の種をリスナーの胸の中に撒いていくようなものでもありそうだ。その種がそれぞれの内部で成長して、花を咲かせていく。そんな音楽の素晴らしき連鎖が全国各地で起こっていくことになるだろう。2時間後だけでなく、数ヵ月後の“未来が見えてくる”ステージでもあった。

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PROFILE

ラッドウインプス/野田洋次郎(vo、g)、桑原 彰(g、cho)、武田祐介(b、cho)、山口智史(ds、cho)。’01年結成。インディーズで活動後、’05年にシングル「25コ目の染色体」でメジャー・デビュー。現在は、昨年12月にリリースした7thアルバム『×と○と罪と』を引っ提げ、“RADWIMPS 絶体延命ツアー”以来約3年ぶりとなるツアー“RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継 〜会心の一撃編〜”を開催中。4月5日からは同ツアーの<パーフェクトドリーマーズ編>がスタートする。

LIVE INFORMATION

RADWIMPS GRAND PRIX 2014 実況生中継
<会心の一撃編>
2月05日(水)群馬 高崎club FLEEZ
2月07日(金)栃木 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2
2月09日(日)山梨 甲府CONVICTION
2月11日(火・祝)長野 松本Sound Hall a.C
2月15日(土)愛知 名古屋 日本ガイシホール
2月16日(日)愛知 名古屋 日本ガイシホール
2月20日(木)鹿児島 鹿児島CAPARVO HALL
2月22日(土)熊本 熊本DRUM Be-9 V1
2月24日(月)長崎 長崎NCC&スタジオ
2月26日(水)香川 高松MONSTER
3月01日(土)徳島 アスティとくしま
3月08日(土)神奈川 横浜アリーナ
3月09日(日)神奈川 横浜アリーナ
3月13日(木)奈良 奈良NEVER LAND
3月15日(土)石川 石川県産業展示館4号館
3月20日(木)大阪 大阪城ホール
3月21日(金・祝)大阪 大阪城ホール
3月26日(水)茨城 水戸LIGHT HOUSE
3月29日(土)宮城 宮城・セキスイハイム スーパーアリーナ(グランディ・21)
3月30日(日)宮城 宮城・セキスイハイム スーパーアリーナ(グランディ・21)
4月02日(水)青森 青森Quarter

<パーフェクトドリーマーズ編>
4月05日(土)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
4月09日(水)鳥取 米子コンベンションセンター
4月12日(土)福岡 マリンメッセ福岡
4月13日(日)福岡 マリンメッセ福岡
4月19日(土)広島 広島グリーンアリーナ
4月20日(日)広島 広島グリーンアリーナ
4月26日(土)埼玉 さいたまスーパーアリーナ
4月27日(日)埼玉 さいたまスーパーアリーナ
5月06日(火・祝)新潟 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
5月10日(土)静岡 静岡エコパアリーナ
5月11日(日)静岡 静岡エコパアリーナ
5月24日(土)韓国 Yes24 MUV Hall
5月31日(土)台湾 Legacy Taipei
6月02日(月)香港 Music Zone @ E‐Max
6月07日(土)シンガポール TAB
6月14日(土)和歌山 和歌山ビッグホエール
6月21日(土)岡山 CONVEX岡山
6月28日(土)兵庫 神戸ワールド記念ホール
6月29日(日)兵庫 神戸ワールド記念ホール
7月08日(火)東京 Zepp Tokyo
7月09日(水)東京 Zepp Tokyo
7月19日(土)沖縄 沖縄コンベンションセンター 展示棟
7月20日(日)沖縄 沖縄コンベンションセンター 展示棟

関連リンク

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