ハンサムケンヤ ALBUM「アムネジア」ディスクレビュー

アムネジア

ALBUM

ハンサムケンヤ

アムネジア

ビクターエンタテインメント

2014.03.05 release


皮肉とユーモアを多分に含んだ、リアルで赤裸々な歌詞世界

 “ハンサムケンヤ”という、本気なのかフザケてるのかわからない名前が気になって、“ホントにハンサムなの?”とか言ってネットで検索したり、YouTubeでMVを見たりしちゃったら、すでに彼の術中。気付いたときにはハンサムに夢中になってるはず。ハンサムケンヤは1897年生まれの26歳。徳島生まれ熊本育ち、現在は京都在住。中学から作曲を始め、浪人生時代にMTRを使った楽曲制作にハマり、大学卒業後にシンガー・ソングライターとしての活動をスタート。ほぅほぅ……と、僕もアルバム聴きながら、気付いたら2時間も“ハンサムケンヤ”のことをネットで調べてた(笑)。興味津々じゃん!

 友人と立ち上げたインディーズ・レーベル“古都レコード”での活動を経て、2012年10月にビクターよりミニ・アルバム『ゴールドマッシュ』をリリース。メジャー1stフル・アルバムとなる今作は、シングル曲「劣等感ビート」を含む『アムネジア』と、古都レコード時代のベスト盤『26-KOTO RECORD YEARS』の2枚組。日常や社会への不満や不安、絶望とほのかな希望を、皮肉やユーモアを多分に含めたリアルで赤裸々な言葉で歌う楽曲たち。僕自身も日常でストレスに感じながら、口にするまでもなく心にしまってた気持ちを代弁してくれたような、1曲目「ランダム」にすっかりヤラれていると、「トワイライダー」、「とおりゃんせ」と、楽曲が進むごとに頷いたり体を揺らしたり、ハンサムの音楽世界にどんどんハマっていってるのがわかる。この耳に絡みつくようなメロディや歌声も、聴くほどにクセになる。

 現実社会を嘆き、「何のために 働き眠り遊んでんだろう?」、「誰のために すり減らし涙流してんだろう」と歌う「劣等感ビート」に、“何のために生きて、誰のために歌うかなんてわからないから歌うんだ”という、彼の創作の根源にある意志のようなものを感じた気がして、思わず拳を握る。弱い自分も受け入れて、「大切な時間をすり減らしながら生きるのはもうやめよう」と前を向く、「ノスタルジット」もヤラレたなぁ……。また、固定概念にとらわれない自由さを持ちながら、ちゃんと耳心地良いポップ・サウンドへと落としこむ音作り、アレンジ面のセンスも秀逸。このひと言で言い表せないサウンドもハンサムの人柄を表してるようで、彼への興味がさらに湧いてくる……って、ハンサムの術中にハマって、一番夢中になってるのは俺じゃん!

(フジジュン)

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