THE BAWDIES ALBUM「GOING BACK HOME」ディスクレビュー

GOING BACK HOME

ALBUM

THE BAWDIES

GOING BACK HOME

Getting Better/ビクターエンタテインメント

2014.03.05 release

初回限定盤 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


彼らのガレージ魂とソウル・ミュージック愛が結集

 まずはストレートに、THE BAWDIESの最新作として聴こう。昨年の全国ツアーを経て一段と力強さが増した演奏で、ゴキゲンなロックンロールをやっている。そして彼らが最高にリスペクトする選曲になっていることでさらに楽しみが増している。これは、「ミッチ・ライダー(’60年代の伝説的ロック・アーティスト)に負けたくない」THE BAWDIESのガレージ魂と、レイ・チャールズが憑依しそうなROYをはじめとする4人のソウル・ミュージック愛が結集したカバー・アルバムなのである。

 自分たちが大好きな音楽をすべての人と分かち合いたいという熱い想いを真っ向からぶつけてくる。と同時に、これはソウル・ミュージックやガレージ・ロックの入門編としても秀逸な選曲になっているのが心憎い。バンドを組んで10年、彼らに最大の影響を与えたアメリカのガレージ・バンドザ・ソニックスを通じて、ロックからソウル・ミュージックやリズム&ブルースの名曲・名盤を漁り、その歴史を掘り下げ、すべてを体得する勢いで切磋琢磨してきた足跡の一部が、ここに記されている。

 THE BAWDIESのライブでも定番の、ROYが最も敬愛するソウル歌手レイ・チャールズの十八番「WHAT’D I SAY」は、サイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)の電気ピアノが入ってオリジナルに近づいた演奏になっているし、ライブの呼び込みで使っているサム&デイヴの「SOUL MAN」には東京スカパラダイスオーケストラのホーンズ4人が参加し、グルーヴィなサウンドに仕上げている。また、「DANCING TO THE BEAT」は南部ソウルの、「THE NEW BREED」は北部ソウルの曲として取り上げ、’60年代の英ロック・バンド、ザ・スペンサー・デイヴィス・グループの曲はTHE BAWDIESのルーツがロックにもあることを示すと同時に、このバンドのボーカリストがレイ・チャールズ好きという共通項もあるといった具合で、12曲を通じて音楽の歴史とTHE BAWDIESの趣向を立体的に浮かび上がらせる仕組みだ。

 かつてのTHE BAWDIESが知らない曲に出会ってその魅力に取り付かれたように、この作品が新しい音楽との出会いになることを彼らは願っている。でもそれ以上に、こうした曲を消化したことでさらに磨かれて、懐の深いバンドとなっているTHE BAWDIESが見えてくる作品である。

(今井智子)

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