androp ALBUM「period」ディスクレビュー

period

ALBUM

androp

period

ワーナーミュージック・ジャパン

2014.03.05 release

初回限定盤 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


“ピリオド”から始まるあらたな扉と可能性

 andropの最後の綴りである“p”がタイトルに付けられた3rdフル・アルバム。1stミニ・アルバム『anew』から始まり、『note』『door』『relight』『one and zero』と続く、バンドの頭文字を付けたタイトルの流れもここで最終章を迎えたことになる。もちろん、バンドの歴史が終わるわけではなく、彼らがめざしてきた音楽的なアプローチがこのアルバムでかなりの手ごたえを持って結実したことを意味しているし、むしろ、作品ごとに力をつけてきたandropがここからさらにあらたな扉を開いていく可能性を示唆したアルバムだとも言える。

 繊細なメロディで始まりながら次第にスケール感を増していく「Singer」、ドラマ「Woman」の主題歌としてその強烈な個性を一気に広めた「Voice」、重厚なサウンドとスリリングな演奏が同居する「Lit」、高速ビートに乗せて言葉が一気に突き抜け、キラキラとした楽器の音色がまぶしい「One」、シンプルながらもバラードとして完成度の高い「Light along」、映画「ルームメイト」主題歌であり内澤崇仁のハイトーンが美しく響く「Missing」と、目まぐるしいほどにタイプが異なりながらも一貫した視線が感じられる楽曲ばかり。「Sensei」「Neko」といった遊び心溢れる曲もアルバムの中で光る作品として印象に残る。

 これまでも実験的なサウンドとともに様々な試みを続け、普遍性と攻撃性を失わない作品を生み出してきたが、ここにきてさらにひと回りもふた回りも大きなバンドへと成長した力強さが感じられるアルバムだ。多彩で複雑な楽曲をさらに高めるバンドの力量と、迷いのない確かな表現力。そして、これほどまでに幅広い曲調の作品を書きながら、ポップさとみずみずしさを失わない内澤崇仁のソングライティング・スキルの高さ。『period』から始まる、次の物語が楽しみだ。

(岡本明)

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