BIGMAMA – 「Roclassick=より唯一無二なバンドになるその最上級の基準」。その基準を大きく上回る、BIGMAMAだからこそできた「Sweet Dreams」について。

BIGMAMA

BIGMAMAという、今の時代のロック・シーンにおいて独自の地位を築き上げつつあるバンドにとって、決定打となる一曲が到着した。バイオリンが高らかにフレーズを奏で、ドラマチックなメロディに乗せて“死ぬまで覚めない夢を見よう”という言葉が歌われる「Sweet Dreams」。胸を高ぶらせる一曲を金井政人はどのように作っていったのか。そして制作中というアルバム『Roclassick 2』とツアーを踏まえて、バンドのこの先をどうイメージしているのか? じっくりと語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 柴 那典

 

より唯一無二なバンドになる、その最上級の基準

──今回はまずシンプルに曲の話を聞きたいと思います。これはいろんなところにキャッチ・フレーズとして書いてあるんで改めて言うの恥ずかしいんですけど、ほんとに“あらたなる代表曲”だと思う。

はい。ちょっと、書いてあること以外のこと言ってくださいよ(笑)。

──うん(笑)。これは明らかに未来に向けた曲だと思う。これから先のバンドの背骨になるものが明確に曲に現れている気がするし、曲を作るにあたっても、そういう意識があったんじゃないかと思うんです。これは、バンドにとってどういう位置づけの曲として作ったんでしょうか。

その答えはふたつあって。ピュアな気持ちと、それとは別に客観的に日本の音楽シーンを見たときに考えたものと、両方があるんですね。

──なるほど。

まず主観の話をすると、バンド5人で音楽を鳴らしていて、好みも多種多様な5人が作っていて、この曲はその全員のツボにハマった曲なんですね。それぞれの音楽の趣向性、そのストライク・ゾーンのど真ん中になった。まずそういう曲で。ただ、僕はもう自分がいいと思うだけじゃ満足できないんですね。これをたくさんの人がいいと言って人にすすめたくなるものになることによって満足するようになってきていて。

──そこで客観的な視点があるわけですね。

はい。で、僕らはいろんなロック・フェスやイベントに呼んでもらって、その中でどう生き残ってどう勝ち残っていくのかというところを考えて。で、客観的に見ても唯一無二なものを作っていたかった。聴いて“あ、これはBIGMAMAの曲だ”と思ってもらえる曲を作っていきたいという。そこで、ロック・バンドのスタイルにバイオリンを弾けるプレイヤーがいて、そこでクラシックの要素を持ちながらスケールの大きなロック・サウンドを鳴らして、いろんな方向に感情を動かしていくことにポイントを絞ってやっていこうと思ったんですね。僕はそれを“Roclassick”という言葉に置き換えようと思っていて。より唯一無二なバンドになる、その最上級の基準。このレベルの曲を出し続けていきたいと思えた最初の1曲という。そういう位置づけの曲ですね。

──なるほど。今言った“スケールの大きさ”って、それはどういうイメージなんでしょうか。

いろんな表現がありますよね。まずスピーカーを目一杯使う大きさでもあるし、100人なのか1000人なのか1万人なのか、曲を聴いてくれる人たちの広がりの大きさもあるし。で、僕らとしては際限なくどこまでも広がっていく曲が欲しい。それは僕らがワンマンだけじゃなくフェスやイベントのいろんな会場で演奏させてもらう中でそういう場所がいくつかあって。そこに似合う自分たちでもいたかったし、その環境に教えてもらったことなんですね。

──単なるサウンド感じゃなく、バンドの目指す場所を示す言葉でもある。

スケールが大きいっていうのは、バンドの意思表示でもあるんですよね。今の5人だったらもっと大きなものを提案していきたいし、そういう場所が似合うバンドになりたい。それは僕が決めることじゃないけれど、そこは明確に意思表示をしないとだめかなと思う。

“信じるものは救われる”という言葉のウソをちゃんと伝えたかった

──なるほど。この曲はすごく風通しがいいと思うんです。

はい。

──そういう曲を作ろうと思ったのは、どういうスタート地点からだったんでしょうか?

この曲を作ったときに、僕らはどうやって自分たちのライブを終えたいかを考えたんですね。最後の一曲をどうするか。まずそこをレベルアップさせよう、そこにいちばん強い思いを注いだものを用意しようと考えた。で、そこで“have a good nigh”“Sweet dreams”と言って終わりたかった。で、そこにどうやって着地させるかというところから歌詞やサウンドを作っていったんです。でも、“Sweet Dreams”という字面だけだと、甘いというか、うまくいきすぎている感じがして。自分の中でも綺麗すぎると思った。だからその言葉に至るまでをちゃんと書かないといけないと思ったら、曲の最初では悔しくて眠れないというのが自然だった。

──なるほど。そこから曲のストーリーができていった。

で、書いたあとに気付いたんです。“いい夢を見よう”というのは、自分やバンドにも言っていることだった。人って、3日先でも1週間先でも、楽しみなことがあれば、辛いことや面倒なことも乗り越えられる。自然と視線が上に向くと思うんです。希望がないと、人は下を向いてしまう。そうすると歩いていても肩がぶつかったりする。軋轢を生むと思うんです。明るいものを用意すると視線が上がるんですよね。だから、自分が新しいバンドの代表曲を書くときに、夢とか希望を用意することで、下を向いて歩いている人が少しだけでも減ったとしたら、すごくいいことだと思った。未来が明るくなる、光を照らすことは僕にもできるんじゃないかと思ったんです。

──この曲には“信じる者は皆救われるとは限らない”という歌詞がありますね。

それは“この一行だけは入れよう”と思って入れた言葉のひとつで。“信じるものは救われる”という言葉のウソをちゃんと伝えたかったんですね。僕の言い方をすると“信じぬものは救われぬ”なんですよ。“信じるものは救われる”だったら世の中はとっくにうまくいっている。みんなハッピーに過ごしている。でも実際はそうじゃないわけで。一握りの幸せを喜べるかどうかみたいな、妙な緊迫感のある世の中になっている。そっちのほうがリアルだと思うんです。でもやっぱり、信じないものは救われないんですよね。何かを成し遂げようとするときに、それを本気で信じている人と疑いながらやっている人の2種類の人がいると思うならば、人は信じている人のほうを応援する。結果として業績を残すか、歴史的に何かを成し遂げた人は、結局何かを信じた人で。自分がそれを身にしみて思うんですね。自分が信じていないと何もうまくいかないし、風をまとえないんですよ。

──根拠のない自信はとても大事だということですよね。

でも、迷う過程もあって。だから“信じぬものは救われぬ”くらいがちょうどよかったんです。

──なるほど。だからこそ“死ぬまで覚めない夢を見よう”という言葉が矛盾せずに同居している。

その二行だけは最初に決め打ちしていたんです。そこだけは書きたい。あとはそこに至る過程をどう描くかという。軸としてはその二行があったんです。

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