きゃりーぱみゅぱみゅ SINGLE「ゆめのはじまりんりん」ディスクレビュー

ゆめのはじまりんりん

SINGLE

きゃりーぱみゅぱみゅ

ゆめのはじまりんりん

ワーナーミュージック・ジャパン

2014.02.26 release

初回限定盤/写真 <CD+DVD>
通常盤 <CD>


きゃりーぱみゅぱみゅのストレートな想いが伝わる卒業ソング

 1月に横浜アリーナ2デイズ・ライブを大成功させ、現在は2度目のワールド・ツアーを敢行中のきゃりーぱみゅぱみゅ。2014年はスーパーきゃりーぱみゅぱみゅに進化し、さらにスケール・アップをめざしていくという。新曲「ゆめのはじまりんりん」は、その第1弾となるシングルだ。

 きゃりーにとって初の卒業をテーマにした楽曲で、サウンドはエレクトロニックなものではなく、きゃりーの目印と言っていいトイピアノに、琴やドラムなど生の音色が多く使われている。歌詞には、思い出を胸にしまいあらたな一歩を踏み出していく、寂しさと前向き感が入り交じる想いが描かれており、春というシーズンにぴったり。Aメロは「仰げば尊し」を彷彿する切ないメロディで思い出を振り返り、一音一音を伸ばして歌っていくきゃりーのボーカルが新鮮。サビに入るとパッと開けるような明るいメロディにチェンジし、次に向かって旅立っていくポジティブさを感じ取ることができる。卒業という誰もが経験したことのあるテーマだけに、リスナーがとても感情移入しやすい楽曲だ。きゃりーの歌もとても気持ちが込められていてやさしく温かい印象を受ける。わりとトリッキーな題材を歌うことの多いきゃりーにとって、シングルでこうした日常感のある曲を歌うのは「ふりそでーしょん」以来。彼女のイメージとのギャップが作用することで、あらたな気持ちで新生活に臨む素の想いがより心に強く響く。まさにきゃりー流のフレッシュな応援ソングと言っていいだろう。

 そしてカップリングの「スローモ」も注目。メランコリックなメロディのチルウェイブ・チューンで、ここまでゆったりとしたテンポの楽曲も彼女にとっては初めて。スローモーションの中での光景を描いた歌詞の世界感もとても面白い。「世界中が瞬きをしている時 キミだけは目を開けていた」という最後のフレーズは、サウンドと合わせて深読みをしたくなるものがある。例えば、せかせかとした社会だけど、ゆっくり見つめることが大切、というメッセージにも受け取れたりもする。

 さて、改めて「ゆめのはじまりんりん」に関して言えば、スーパーきゃりーぱみゅぱみゅの第1弾といってド派手にいくのではなく、ストレートに気持ちを届ける歌を持ってきたのもあらたな出発感があって良い。ここからまたどんなきゃりーを見せてくれるのか、とても楽しみじゃないか。

(土屋恵介)

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