ヒトリエ MINI ALBUM「イマジナリー・モノフィクション」ディスクレビュー

イマジナリー・モノフィクション

MINI ALBUM

ヒトリエ

イマジナリー・モノフィクション

非日常レコーズ

2014.02.19 release

初回仕様限定盤 <CD>


自分に激しく問いかけながら叫ぶ、この時代のギター・ロック

 聴けば聴くほど、音に溢れる切迫感と、ジリジリと焼け付くような焦燥感に、ひどく当てられてしまう。そこにかつて体験したことのある何かに近いものを感じた。NUMBER GIRLだ。実際、ヒトリエのフロントマンであるwowakaはNUMBER GIRLに心酔した時期があるという。そう聞くと、少女をモチーフにしたテーマ性や歌のいくつかに潜む虚無感などにも、あのバンドとの近似を感じずにはいられない。さらには(これは偶然なのだろうが)wowakaがメガネをかけていたり、バンドが4人編成というところにまで共通点を見出してしまう。

 と言っても、ヒトリエはNUMBER GIRLの焼き直しやアップデート版なんかではない。このアルバムを聴けば、彼らはNUMBER GIRLの影響を隠すことなどせず、むしろそこから自分たちなりの表現を深く追求していっていることが痛いほどわかる。おびただしい緊張とともに突き詰められた楽曲とアレンジはここぞという瞬間にスパッ! と決まり、鋭い切れ味を放ち続ける。その中には4つ打ちの感覚もあるし、さらにはポスト・ロックの息吹も自然に吸収していて、彼らはそれらを圧倒的なテンションとともに吐き出している。まさしくこの現代に生きる者の感覚でもって、激しいギター・ロックを鳴らしているのだ。

 あえて言えば、wowakaの楽曲や歌は、20代当時の向井秀徳よりもずっとナイーブである印象を持つ。狂おしく迷いながら、自分に幾度も問いかけながら、それでも自身の存在意義を確かめようとする姿は、やはり今の若者のものだと思う。これからどう進化していくのか、見つめていきたい。

(青木 優)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人